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2019年J1第8節ジュビロ磐田戦マッチミニレビュー 晒された課題

勝ち点3は得たが・・・

「勝ち点3を得ただけの試合だった」と呟いたTwitterユーザーがいました。決定機の数ではジュビロ磐田のほうが多く、名古屋の試合とは思えないような、シュート計3本という結果に終わりました。

名古屋

磐田

3

シュート

8

11

ゴールキック

7

5

コーナーキック

3

20

フリーキック

18

2

オフサイド

6

引用元:http://nagoya-grampus.jp/game/result/2019/0420/live__8vs_3.html

何故このような結果に終わったのでしょうか。その理由を考察してみたいと思います。

この試合のグランパスは、特に相手ゴール前(サッカーのフィールドをでのクロス、パスにミスが多数頻発していました。(時間がなかったので15分で申し訳ありません。)

15分までのファイナルサード(敵陣ゴール前)でのミス

  • 0分 宮原のグラウンダーのクロス:ブロック
  • 0分 ジョーの落とし、左サイドで奪われる
  • 2分 丸山のロングボール左サイド長谷川アーリアジャスールに通らず
  • 3分 PA内アーリア、グラウンダーのクロス
  • 3分 PA内アーリアの落とし カット
  • 5分 左サイド吉田豊のフィード
  • 6分 アーリアの落とし、カット
  • 7分 ジョーへの吉田豊のフィード、ジョーの前でクリア
  • 11分 和泉竜司、縦パスカット、カウンター食らう
  • 11分 シャビエルのフィード、クリア
  • 12分 シミッチの縦パス、カット
  • 12分 縦パス、カット
  • 13分 左サイドからのクロス、目標の前でクリア
  • 13分 ジョーへのロングボール クリア
  • 13分 アーリアのカット、トラップを奪われる
  • 14分 吉田豊のクロス、ブロック

わずか15分でこれだけのミスが出ていました。どうしてなんでしょうか?ジュビロ磐田戦だけ、わがグランパスの選手達は下手になってしまったのでしょうか?

局面での数的優位を作られた

残念ながら図を作るほどの時間がなかったので文章のみになりますが、奪われてしまう局面のほとんどが、その画面に映るジュビロ磐田の選手のほうが多いという状況でした。

グランパスの選手が狭い局面でもプレーができるようにトレーニングをしているとはいえ、数的優位を覆すのはとても難しい。

この日の磐田は3バックといいながら、実質5バックのシチュエーションでした。さらにFootball lab選定、奪取ポイントリーグベスト3クラスな田口泰士を中心として、3トップの一角である山田大記まで下がって守備に回っていました。おそらく最初から守備を固めつつ、ボールを可能な限り高い位置で奪い、カウンターで仕留めきるというプランだったのでしょう。

徹底的に名古屋のパスやクロスをカットやブロックしまくられていました。

押し込んで戻れなくなっていた

sofascoreのアタックモメンタム(どちらが攻めていたのか)は以下のようになっています。

https://www.sofascore.com/nagoya-grampus-eight-jubilo-iwata/HmbsLmb

この試合、画像はDAZNで確認していただくしかありませんが、勝利をした札幌戦などを含めて、磐田戦はここ4試合のなかで一番DFラインの位置が高かったのです。

これは攻め込んでいる時間にDFラインの選手が攻撃参加をしようとして上がっていたから、と解釈できます。なぜなら引いて構える磐田に引き込まれていたような状況です。

赤:グランパス 白:ジュビロ

ジュビロは上図の左側で人数をかけてボールを奪い、広大な裏のスペースを活用しよう、と考えたわけです。本来であればジュビロにボールを奪われたら、すみやかに守備に切り替えをして、戻らなければなりませんでしたが、高い位置で前へ前へと気持ちが行き過ぎたのか、この試合のグランパスは守備への切り替えが一歩遅かった。すると必然的に今度はグランパス陣内で、ジュビロの選手のほうが数的優位となってしまいます。

これがグランパスの苦戦の理由だろうとグラぽは予測します。

カウンターサッカー対策はあるのか?

これだけのハイライン戦術を引いているのですから、裏を狙われるのが当たり前です。4月24日のルヴァンカップグループステージ第4節、大分トリニータ戦でも、これでもか!というくらい裏狙いを繰り返されました。名古屋の選手を深いところまで引き込んで一気にロングカウンターをしかけるという形で千葉和彦が退場、不用意なファウルからのCKなどで2点を奪われるということになりました。マリノス戦もカウンターによる失点でした。

カウンター対策に必要なことは、まず相手について行くこと。相手について行くことができれば、相手も自由に動くことができません。そして遅らせることができるようになります。時間をかけさせれば、他の選手も戻ることができます。そうすれば怖くはありません。一番嫌なのはマリノス戦の失点シーンのように、ついて行くことも遅らせることもできず、完全にぶっちぎられているような状況です。

赤鯱新報さんで、櫛引一紀選手のインタビューが掲載され、大変興味深い発言が掲載されました。

「前半からすごく裏を狙ってきているなとは思って見ていましたし、僕たちは前に出ていくぶん後ろがすごく空くので、今はどのチームもそうなってきてもいます。でもそこでDFラインは走り負けてはいけないですし、けっこう個の能力での対応にはなってしまうんですが、それができなければ今のチームでは必要とされない選手になってしまいますから。どんどんやっていくしかないと思っています」

https://www.targma.jp/akasyachi/2019/04/24/post56287/ より引用

選手も現在の守備の課題をしっかりと認識していること、そして前述した対策についても既にやるべきことと認識していることがわかります。守備について(個人能力に依存する部分はあるにせよ)共通認識がきっちりと出来てきていることは、風間八宏監督のグランパス3年目にして、長足の進歩と言えるのではないでしょうか。

今のグランパスで中谷進之介が重用されているのは、守備の技術と、圧倒的な走力をあわせ持つことが最大の理由だと思われます。

ただ、中谷進之介が出場停止や怪我のときはどうするのか。櫛引一紀や菅原由勢のような、走力を併せ持つ選手の台頭が望まれます。ルヴァンカップの残り2試合にも期待したいと思います。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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