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[小ネタ] グランパス躍進の陰の立役者? 和田一郎コーチ

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和田一郎コーチを皆さんご存じですか?

一部の人はでじっちで「ゴーゴーゴー!ワドゥ(和田コーチの愛称)がゴー!」って煽られていたことを覚えてるかもしれません(テレビではカットされてますが)

昨年のスタッフから今年にかけて、唯一加わったスタッフです。選手も阿部浩之と稲垣祥、山﨑凌吾、金崎夢生と加わったものの、それだけで現在暫定4位という好調は説明できるものではありません。そこで和田一郎コーチが与えている好影響があるのでは、という仮説を持ちました。

※アルベルトフィジカルコーチも新任でした。失礼致しました。

和田一郎コーチのキャリア

和田さんは、筑波大学大学院を修了後、すぐに日本代表のスタッフに入っています。

  • 2000年 – 2014年 日本サッカー協会 各日本代表テクニカルスタッフ
  • 2001年 FIFA U-17世界選手権 U-17 日本代表担当
  • 2002年 日韓ワールドカップ 日本代表担当
  • 2003年 FIFA コンフェデレーションズカップ フランス 日本代表担当
  • 2004年 アテネオリンピック U-23 日本代表担当
  • 2005年 FIFA コンフェデレーションズカップ ドイツ 日本代表担当
  • 2006年 ドイツワールドカップ 日本代表担当
  • 2005年 – 2006年 日本サッカー協会 ナショナルトレセンコーチ
  • 2010年 南アフリカワールドカップ 日本代表担当
  • 2010年 – 2014年 日本代表アシスタントコーチ
  • 2015年 – 2017年 ガンバ大阪
  • 2015年 アシスタントコーチ
  • 2016年 – 2017年 ヘッドコーチ
  • 2017年 – 2020年 日本サッカー協会 各日本代表テクニカルスタッフ
  • 2017年 – 2020年 東京2020オリンピック 日本代表コーチ
  • 2018年 ロシアワールドカップ 日本代表テクニカルスタッフ
  • 2020年 – 名古屋グランパスコーチ

和田一郎コーチとはどんな人なのか

あまり表に出ないコーチという職だけに、記事はあまり多くありません。

https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/12/24/kiji/K20141224009509880.html

和田氏は“分析のプロ”として00年から日本代表のスタッフとして活躍。02年から3大会連続で、W杯の日本代表スタッフにも名を連ねた。

https://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/p-sc-tp2-20100930-684864.html

特に敵国分析のVTR編集は和田アシスタントコーチとアグレスティ・コーチが話し合った上で、ザッケローニ監督も確認した。

マリノスの分析官、杉崎さんの記事を紹介します。

――今、マリノスの分析が国内でも最先端なのではないかと言われていますよね。マリノスでの分析は、マリノスが培ってきたもの、杉崎さんが培ってきたもの、どちらがベースとなっているのでしょうか?

「私の経験してきたものをベースにマリノスでは(分析を)やらせてもらっていますが、マリノスにきて変わったのは “見せ方”のところですね。データ分析は多くの方が『premier』や『EDIUS』など、いわゆる動画編集ソフトを使っています。マリノスに来てからはソフトの具体名は明かせないのですが、新しいソフトを使用しています」

――それはどのようなソフトでしょうか。

「1つ機能を紹介すると、画面上に映るピッチ上の選手を動かすことができます。例えば、次節の対戦相手が神戸だったとして、神戸対川崎の試合映像を使うとしましょう。『神戸の守備に対して川崎はこう攻めているけど、我々の場合はこういう配置になるよね』という説明を映像内の選手配置を動かして見せることができます。簡単に合成映像を作れるようなイメージですね。今までは映像を止めて文字や口頭で説明していましたが、映像で見せられるところが最大の違いです」

引用元:https://www.footballista.jp/feature/79898

これらの記事からもわかるように、敵を分析し、ビデオを作ることを日本代表時代にずっとやっていたようですね。そして、それは他の分析官も同じようにやっていることのようです。

和田一郎コーチのもたらしたもの【仮説】

今年のJリーグは過密日程です。そのために試合が終わってからその分析を行う必要があります。

過密日程の一番つらいところは、やりたいこと、気をつけたいことを「仕込む」時間がないことです。そんなときに判りやすいのは「動画」などのビジュアル表現を工夫したものです。

先ほどの杉崎分析官の発言を引用します。

――それができるようになるとチームには具体的にどのような影響がでるのでしょうか。

そもそも映像を使うのは自分たちがどのようなサッカーを目指しているのかをチーム内で分かりやすく説明するためです。選手の理解度をあげるために映像を使っています。ティーラトン選手が『色んなクラブを渡り歩いてきたけど、杉(崎)さんの映像が今までで一番わかりやすい。私は日本語を理解できないけど映像を見るだけで理解できる』と話してくれました。エジガル(・ジュニオ)も『ブラジルでもこんなの見たことない』と。外国籍選手にとってはより重要で、例えば選手全員で映像を見ていても、通訳してくれている間に次の映像の説明に移動していることもありますからね」

――それだけ選手がわかりやすい映像になるというのは、逆に作る側の手間も大変なのではないでしょうか。

「このソフトは使うほうも非常に簡単に使いこなせます。表現したいものをポンポンと簡単にできるというのもありがたいですね」

引用元:https://www.footballista.jp/feature/79898

横浜F・マリノスの杉崎分析官の発言同様、今年の名古屋が相手に対応をしっかりできているのはビジュアル表現によって、仕込みが早くできているからなのではないでしょうか。

和田一郎コーチの課題

和田一郎コーチは、監督の経験がありません。

https://super-crack.com/learn_reading/ElAnalisisEnFutbol

トップパフォーマンスのアナリストと戦術アナリストは違う。後で、この子(フアンホ・ビラのアシスタント分析官)が行なっていた幾つかの仕事を紹介するが、彼の仕上げる統計分析のタスクは完璧だった。完璧だったよ。ただ僕にとっては、ひとつ問題があった。彼は、監督をしたことがなかったんだ。だから統計はできるが、「なぜそうなのか」が分からないんだ。そう。実際に僕は、もし監督をしていない方がいるなら、トップレベルのアナリスト全員に、監督になることをお勧めする。アナリストになるためには、第一に監督になる必要がある。選手を知る必要がある。攻撃・守備の原則、全てのプレーシーン、プレーの一般的・グローバルな知識も把握しなければならない。

こちらの記事にもあるように、分析官と呼ばれている仕事は究極的に監督的な仕事を理解していないとできないわけです。素晴らしい分析官は経験がなくても監督の求めているものを想像できることが強みなんだと思います。

和田一郎コーチは、そこでキャリアの途中から分析担当からコーチになっています。恐らく自分の仕事の深みを与えようという気持ちがあるからだと思います。

分析もできて、コーチの仕事もわかるようになってきている。コーチとしてのキャリアはまだ短いですが、彼が進化して、より大きなものをグランパスにもたらしてくれることを期待しましょう。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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