秋がやってきました。今年の夏は過酷でしたね。本当に過酷な連戦に一喜一憂させられ、王者川崎に激勝して精神的に絶頂した翌週にはFC東京さんにフルボッコにされ、その二日後には鹿島相手に「中二日だとマジ試合にならねーよ」と嘆かせられもしました。その四日後には横浜Fマリ相手に執念の勝利だぜイェーイと絶頂したのに、三日後には「中三日でもきついのか………」と横浜FCさん相手に惨敗もしました………って東京戦から暦の上では既に秋だったやんけ。まあほら、暑かったからあれは実質夏でしたよね。
そんなこんなの内に9月中旬となり気温も下がり気味でいよいよ秋感到来。僕たちの秋はここからだ。涼しくなったので試合時間もデーゲーム寄りに。えっ試合17時スタートなの? と今日慌てたファミリーも多かったことでしょう。ヴィッセル神戸を豊田スタジアムへ迎えた試合は金崎ムー(・Θ・)のPK二発でグランパスの勝利。振り返って行きましょう。
いつものグランパスvs神戸のいつもの3バック
神戸にボールを持たれた場合では、例によってカッチリ4-4ブロックを組むグランパスと、ならば4-4ブロックの外から攻めていこーぜ!な神戸。相手WBの西、酒井をどうするのかと思って試合を見ていたら、どうもハッキリしない。いつものフィッカデンティ監督のパターンなら、てっきりSHの二人をそこについて行かせるのかと思っていたのですが、そうでもなさそう。
自分達の守備ゾーンに入ってくるまでは放っといて良いということだったのか、単にマテウス前田シャビエルあたりがカウンターに備えて前残りしていたのか不明ながら、グランパスがそこのケアをあんまハッキリやってこないということが早々に(あるいはスカウティングで事前に)神戸にバレたようで、特に右WBの西がボールの受け手&出し手として前半では猛威を振るっていました。
失点はその西から山口へのミドルパス一発裏抜け→山口の完璧なループシュート。西にパスを出された瞬間にもうどうしようもなかった、諦めるしかない失点でした。リプレイを見る限りではシャビエルの戻りが遅くて西に余裕があったかなー、くらい。
得点自体は相手を誉めるしかないと思うのですが、ボール持ちたい3バックのチームがグランパスみたいな4‐4守備のチーム相手にまず狙ってくる基本の形の一つがこの神戸の形なわけで、いやいやそこ対策してないんですかフィッカデンティさん………と思わず天を仰ぎかけましたよね正直。飲水タイム後に相手WBへは結局こっちのSHをチェックに行かせるように修正したようで、以後の前半はやや膠着した試合展開になりました。
どうも良くない気がするけどデータ上は優勢
これは完全に印象論なんですが、前半を見ていると、どうも前にボールを蹴っ飛ばしては神戸に回収されて再攻撃される、そんな状況が目についたような気がしていました。カウンターはともかく、遅攻が上手くいっていないようにも見えました。
ところが、前半の様子をよくよく思い出しつつデータを見てみると、前半の枠内シュート数はグランパス4に対して神戸が2。ボールを失った回数もグランパス65に対して神戸が70。データ上は明らかにグランパスが優勢なんです。そして支配率とパス数はグランパスの方が低い。
つまり、データ的には、前半は『主にカウンターから大きなチャンスを作ったグランパスvsボールを握りつつも得点以外はグランパスを攻めあぐねた神戸』と言えるでしょう。
個人的にものすごく物足りない内容だったのですが、特にボールを持ちたいチーム相手には『これがフィッカデンティ的に平均以上の出来』なんだと理解するしかなさそうです。持ち味はカウンターで刺すことですって本当にふた昔以上前くらいのイタリアの風を感じるぜ………。
後半は、まあ神戸の足が止まったということで
神戸、中二日でしたからね。僕たちも散々突き付けられたように、中二日かつ特にターンオーバー無しだとサッカーになりませんからね実際。
神戸も選手交代やフォーメーション変更で活路を見出そうとしていたのはよくわかったんですけど、まあ、元気な前半の内に神戸がグランパスを仕留められなかったところで、勝負の帰趨は大きくグランパスへ傾いたのでしょう。
結果的には2点ともPKでしたが、他に大きなチャンスも複数あり、2-1とのスコア以上にグランパスの勝利だったと言っても良いと思います。
この試合の良かったところ
- 頑張ってるからPK蹴らせてもらえるんだ。ナイスPKのムー(・Θ・)
- マジで90分+AT一切サボらない稲垣(抱いて欲しい)
- コンディション上がってきたっぽい米本
- 怪我回復が順調っぽい前田。やっぱいるといないとでは大違い
- 途中から出てきて、周りの指示通りに自分の守備タスクをやり抜いた相馬
- 少なくともクローザー業務をキッチリやり抜いた山﨑(まだまだもっとやって欲しい)
この試合のウーン
- カウンター以外の攻撃
- フィッカデンティ監督の試合の入り方は割と疑問
最後に
王者川崎や前年王者マリノスに加え、神戸や今年の清水等、上位だったり自分達でボールを持ちたかったりするチーム相手には滅法強い今年のマッシモ・グランパス。一方で、特にボールを持とうとはしない東京や鹿島、もしくは下位チームあたりを相手にするとコロっと負けたりするマッシモ・グランパス。
かつてヨハン・クライフはイブラヒモビッチを評して
「下手な選手としてはテクニックがとても上手い。だが、上手い選手としてはテクニックがとても下手」
と言っていました。
今のグランパスも、
「弱いチームとしてはとても強いが、強いチームとしてはとても弱い」
そんな状態なのかもしれないな、と思いました(正直、根拠は特にない、なんとなく)。
未消化試合はあれども、シーズンも気付けば半分以上を消化しています。そろそろ、理想の目標、現実的な目標、最低限の目標あたりを見直す時期が来ているのかもしれません。
グランパスはどのあたりを目標に闘うべきでしょうか。それはファミリーが一人一人考えることなのかもしれませんね。