秋です。秋と言えば中秋の名月。中秋の名月と言えば『面白い(=風流)』。
さて、皆さんは面白い試合は好きですか? 僕は好きです。嫌いな人はいないでしょう多分。じゃあ、面白い試合ってどんな試合ですか? ……即座に答えられる人はあんまりいないと思います。僕も答えに窮します(^-^;
そもそも論から始めましょう。『面白い』という言葉の意味を確認するとこからスタートです。
辞書を引いてみると、『面白い』の意味は次のように定義されています。
- 興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。
- つい笑いたくなるさま。こっけいだ。
- 心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。
- 一風変わっている。普通と違っていてめずらしい。
- (多く、打消しの語を伴って用いる)思ったとおりである。好ましい。
- 風流だ。趣が深い。
『面白い』の意味から『面白い試合』の定義を考える
サッカーの試合で『面白い』と言う時って、皆さんどの意味で言ってます?
1はまあありますよね。すごいプレーを見たり、好きな選手が出てたり、なんか戦術が気になるとか、『心が引かれる』試合。僕だけの田中輝希がスタメンでゴール決めてて絶頂不可避だったりしたのも懐かしいところです。どうしてピクシー腰痛がちゃんと治ってないケネディをあの時使ったんだよ! 輝希スタメンの方が良かったやんけ! ………取り乱しました。
2は………たまーにありますけどねw 笑えるやらかしが。例えば近年では、アンデルソン・ロペスのあの落下事故は(本人がケガしなかったからではあるけど)何度見ても正直めちゃくちゃ笑えるやつでした。
まあでもレアですよね。激レア。普通こんなことないし、これを期待してサッカー見てる人もいないだろうし、こんなことがあったから『面白い試合』だと言う人もいないでしょう。
3、この意味で『面白い試合』と言う人が一番多いんじゃないでしょうか。具体的にはゴールと勝利とが『心が晴れ晴れする。快く楽しい』に直結しているからです。
応援チームが勝ったら普通は嬉しいし、心が晴れ晴れしますよね。応援チームの勝利後には、サッカーファン達はよく「これで来週も仕事に行ける」とか「勉強頑張れる」とか「彼女ができました」とか言いがちです。少なくともそういう呟きがtwitterには溢れています。基本的にそれはもちろん気のせいですけど、そう言いたくなるくらいに心が晴れ晴れしているわけです。
ゴールも当然嬉しいのですが、何故ゴールが嬉しいのかと問われると、『チームの勝利確率が上がる』からじゃないでしょうか。例えば、大差でリードされてる時のゴールって正直そこまで嬉しくないですよね。ゴールはあくまでチームの勝利に繋がるからこそ嬉しい。大量得点でリードを広げられれば、勝つ可能性はどんどん高くなっていく。だから、たくさんゴールが入れば『勝ちそうだから嬉しい』し『勝てばもっと嬉しい』から快い=面白い試合となる。
補足すると、ゴールとは自分たちがボールを持ってるときにしか原則として発生しません。そして相手のペナルティエリア内やその近辺でボールを持てていれば、ゴールの可能性は高まります。だから『ボールを保持できていれば嬉しい』とも言えるかもしれませんね(カウンターを得意とするチームでも、カウンターで攻めてる時はボールを保持してますよね)。
4、5、6も無いとは言いませんがまあレアでしょう。
結論として、面白い試合とは、次の条件の一つ以上を満たす試合、と定義できると思われます。
- 応援チームが勝つ試合
- 応援チームの得点がたくさん入る試合
- 応援チームがボールを保持している試合
- 心を引かれる要素がある試合
僕たちは『面白い試合』という夢を求めている
上の定義からすると、面白い試合って要するに勝ち試合ですよね。そして、特に現地に行っちゃうようなファンなら、原則として応援チームの勝ち試合を見たいわけです。ただ、それでは、例えばグランパスの2018年や2019年の観客動員数は説明できません。あんま勝ってなかったからです(ウッアタマガ)。
ファンは勝ち試合を求めているのに、勝ててなかったけど何故観客数が多かったのか。営業部隊の頑張りも色々あったとの前提の上で、個人的な妄想を言わせていただくと、『勝てなくても、次こそたくさん得点できて、勝てるかもしれない』って思えた人が多かったんじゃないかなと。
どんなに負けても、「次こそ面白い試合が見られる」と思えるなら応援に行きたくなりますよね。ぶっちゃけ思い込みでしかないのですけど、そう思い込ませられるサッカーだったら僕たちファンは騙される。
だからこそ、エンタメであるプロサッカーならば『ファンにそう思わせられる内容』かどうかが重要になるのでしょう。そんな内容無く勝った負けたを繰り返してたら、面白い試合を見られるかどうか、ファンとしてはわかんなくなっちゃうからです。
もちろん、全てのファン・サポーターがそうだと言う気はありません。多くのコアサポーターさんは、面白い試合見たいから現地に行くわけではないでしょう(見たくないわけでもないでしょうが………)。
たまには煙を売ってよ、マッシモ
面白い試合=勝ち試合ならば、勝ってさえいれば面白いはずです。ところが、実際には勝っていても「つまらない」と評されることがあったりします。
グランパスでは、2010年に優勝した時には『選手個人の力頼みのつまらないサッカー』とよく言われていました。Jリーグ最速優勝を決める程の強さ=安定して勝っていたにもかかわらず、です。
個人的には『明確な戦術があって安定して強かったんだから少なくともつまらなくはなかった』と思っているので、つまらないと評する方の気持ち・認識がどうもわかっていません。ただ、そういう声があったということは、ある程度以上の数のファンにそう思わせるサッカーの内容だったということです。勝っているのに『つまらない』と言われるようでは、安定して勝てなくなったら「次こそ面白い試合が見られる」とは普通は思えませんよね。
つまり、勝ちは大事だけど、『得点がたくさん入るかどうか』『ボールを持てているかどうか』『心が引かれる要素があるか無いか』で面白いかそうではないかを感覚的に判断する人が多いと思われるわけです。
「次こそ面白い試合をお見せしますよ」ってファンに思わせちゃう人は、フィッカデンティ監督的には「煙を売る男」なんでしょうが、時には煙を売ってくれないと僕たちも夢を見られなかったりするわけで、頼んだぞフィッカデンティ監督(と大森さん)。
あ、もちろん煙じゃなくて実際に面白い試合見られるならそれが一番良いです。よろしくお願いします。
最後に、皆さんにとっての『面白い試合』はどんな試合ですか? わたし、気になります!
きっとクラブの中の人もそれを知りたいはず。どんどん呟いてみましょうщ(゚д゚щ)カモーン
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