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オフサイド・ディレイってなぁに?

皆さん、こんにちは。OTC公式(@Gram_Leorep)です。

3/3、まさかのホーム開幕戦は延期になってしまいました。

COVID-19なので仕方ないですね。かかるときはかかるんです。

皆さんは引き続き、お体にお気を付けください。

さて、感染症対策以外にも、グラサポの皆さんにはできることがあります。

そうです!

来たる3/6(土)の札幌戦@豊スタに向けて、サッカーのルールを確認しましょう!

先月のシーズン開幕前にVAR特集ということで、コラムを執筆しましたが、今回はVARの出現とともに生まれてきた概念(というか審判技法)「オフサイド・ディレイ」について、ルールに詳しくない方にも分かるように、簡単に解説したいと思います。

皆さん、聞いたことありますか?オフサイド・ディレイ。

(ちなみに、概念というか意味はもちろん全世界共通ですが、オフサイド・ディレイという言葉自体は、日本独自の言葉なんです)

VARが導入された今シーズン、それなりに出くわすシーンがあるはずです。

グラサポの皆様のルールリテラシーをあげるためにも、今後の混乱を極力さけるためにも、是非お読みいただければと思います。

(尚、VAR特集についてまだお読みになっていない方は、合わせてこちらもご覧ください。これだけは抑えよう!早わかりVAR

1.「オフサイド」を「ディレイ」するってどういうこと?

早速、ルー語みたいですね!英語が苦手な方、「ディレイ」は「遅らせる」という意味ですので、その前提でお読みください。

まずは、通常、どのように主審がオフサイドと判定しているか確認しましょう。

通常、オフサイドは、副審が旗を上げて(審判用語で「フラグアップ」と言います)主審をサポート(情報伝達)し、主審がその情報を基に判断してオフサイドを適用します。

(もちろん、副審がフラグアップしても、主審がオフサイドでないと考えれば、オフサイドは適用されません。)

ここまではご存知の方も多いかと思います。

オフサイド・ディレイは何をディレイさせるのか、それは、副審が旗をあげるタイミングをディレイさせるのです。

実はプレミアリーグではオフサイド・ディレイについて、“Delaying the flag for offside” (オフサイドの旗を遅らせる)と表記して説明しています。

VAR explained: Delaying the offside flag

みなさん、思い出して下さい。

最近までは、オフサイドだと副審が判断した瞬間、副審は直立し旗を上げていましたよね?

(実は、これもルールがコロコロ変わって変遷を語ると長くなるので省略します)

自分の推すチームがピンチを迎えた時、オフサイドの旗を揚げている副審を見つけて、胸をなでおろす経験をしたことがある人は少なくないでしょう。

でもこれからは、VARがある試合では、攻撃側がチャンスを迎えている場合、副審がオフサイドだと考えていたとしても、明確なオフサイド(2m以上オフサイドラインから出ている等)を除いて、フラグアップを遅らせることになったのです。

2.なんでオフサイドをディレイするの?

端的に言うと、VARの恩恵を最大限得るためです。

オフサイドに関する誤審は大きく分けると次の2つかと思います。

  • A) オフサイドだったのに、オフサイドでないと判定し得点を認めた
  • B)  オフサイドではなかったのに、オフサイドと判定し、プレーを止めさせた

さぁ、みなさん問題です。

今シーズンからVARが導入されました。

避けなければいけない事象はA)と B)どちらでしょう?

簡単ですよね?

A)については、VARがあれば、オフサイドかどうかのチェックはVARも行っているので、

フィールド上の審判が、オフサイドを見落とし得点を認めたとしても、修正できますよね?

一方 B)はどうでしょう。得点機会でシュートを打つ前に誤ってオフサイドを適用して、プレーを止まってしまった。GKと1対1、あとは冷静にゴールするだけ!

悲劇ですね。

「・・・時を戻そう」

無理ですね。VARがあっても何もできないです。

このような悲劇をなくすために、

「副審のみなさん!オフサイドだと思っても、攻撃が終わるまではフラグアップするのを待っていてね!別に、最悪、オフサイドの判断が間違いでも大丈夫。だって、VARがいるんだもん」

これが、「オフサイド・ディレイ」の呼吸です。

理解できましたか?

ちなみに「攻撃が終わる」というのは、

  • ゴールする
  • プレーが停止する
  • 最初の攻撃が終了する(クリアされるなど)

等のことをさします。合わせて覚えちゃいましょう。

3.動画で確認!「オフサイド・ディレイ」とNot「オフサイド・ディレイ」

百聞は一見にしかずということで、実際に映像で確認しましょう。

まずはオフサイド・ディレイの動画2つです。

①2021年J1 第11節 川崎 vs C大阪(動画上は5:47~)

【川崎フロンターレ×セレッソ大阪|ハイライト】明治安田生命J1リーグ 第11節 | 2021シーズン|Jリーグ

https://www.youtube.com/watch?v=McqKRA_Dm_g&t=5m47s&start=347

この試合、見ていた方多いんじゃないですかね?

川崎の田中碧→家長のパスがオフサイドです。

よーく画面上部の副審を見ると、一瞬、旗を上げそうになったことが分かります。

これ、攻撃が続かなかったら普通にフラグアップしてオフサイドだったものです。

ところが、川崎が攻撃のチャンスを迎えたので、(副審はオフサイドだと考えているけど)実はオフサイドじゃなかった時リスクを回避して、攻撃が終わるまで(ゴールに入るまで)旗を上げるのを遅らせた

という事象です。 

なんとなくわかりましたか? それではもう一例。

②2020年J1 第1節 横浜FM vs G大阪 (動画上は3:24~)

https://www.youtube.com/watch?v=2rtlTR9FGl0

https://www.youtube.com/watch?v=2rtlTR9FGl0&t=3m24s&start=202

2020年は開幕節のみVARが導入されたんでしたね。

G大阪のGK東口からのロングフィード、副審はオフサイドだと思いました。

しかし、G大阪が攻撃のチャンスを迎えたので、(副審はオフサイドだと考えているけど)実はオフサイドじゃなかった時リスクを回避して、攻撃が終わるまで(ゴールに入るまで)旗を上げるのを遅らせた事象です。

上の、川崎vsC大阪の事象と同じですね。

ところが、VARで確認したところ、これはオフサイドではなかったのです。

そうです。このためにオフサイド・ディレイはあるのです。

仮にオフサイドであると思ったときにフラグアップしてしまったら、この得点は生まれていないですよね?

もうわかりましたね。オフサイド・ディレイはVARから受ける恩恵を最大化するための審判の技法なのです。

それでは最後、オフサイド・ディレイではない例をご紹介しましょう。

③2021年J1 1節 浦和 vs FC東京 (動画上は1:31~)

【浦和レッズ×FC東京|ハイライト】明治安田生命J1リーグ 第1節 | 2021シーズン|Jリーグ

https://www.youtube.com/watch?v=jIx94fUhCh8&t=1m31s&start=91

浦和の小泉→杉本へのパスがオフサイドになったのですが、

ゴールが決まったときに、実況の方が「フラッグが上がらない」と言っていますよね?

これは、副審はパスが出た瞬間に「オフサイドだけど、あえてフラグアップを遅らせた」のではなく、「オフサイドではないと考えているから、旗を上げなかった」のです。

つまり、単純にVARの恩恵を受けれた事象です。

紛らわしいですよね?でもこの違い、分かっていただけたのではないでしょうか。

4.さいごに

今回はオフサイド・ディレイについての解説でした。いかがでしたか?

オフサイド・ディレイはVARの恩恵を最大化するための技術でした。

ところで、みなさんVARは好きですか?

(私はあまり好きじゃないです・・・笑)

ひとり、開幕戦の 名古屋vs福岡 の2得点目、山﨑の手に当たってるとかVARに言われて得点取り消されないか、みなさんが喜んでいるときに一人喜べず、ヒヤヒヤしてました。笑

しかし、サッカーは全世界共通のルールに則って行われているので、好き嫌いはおいておきましょう!

VARが好きな人も、VARが好きじゃない人も、どっちでもいい人も、

好きなチームの試合を見たり、話をする時「?」が出現することありませんか。なるべく「?」を減らして、豊かなサポーターライフを贈るためにも、これからもグラぽを通じてルールを知っていっていただければ嬉しいです!

お読みいただきありがとうございました。

何かご質問、ご意見などあれば、コメントください!

About The Author

OTC公式
東京在住のグラサポ。平日はコンサルタント、休日はグランパスのゴール裏サポ。審判マニアも兼務。⚽️🏆🇧🇷主にグランパス関連のブラジルでの報道・レフェリー関連のツイートをします。グラサポさん、他サポの方、仲良くして下さい!😄#1 #関東グラサポ U can talk to me in 🇬🇧🇵🇹🇯🇵.
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