勝ちましたねー。勝利の結果はほとんど全てを肯定する。勝てば官軍、勝てばよかろうなのだ。何よりも結果にフォーカスしがちなイタリアサッカーで生まれ育ったマッシモ・フィッカデンティ監督のメンタリティがこれでもかと表現されていたかのように見えたこの試合、リアル家庭の事情的(スミマセン………)にごくミニマムに振り返っていきましょう。
画面に出てこない阿部
この試合、概ね事前の予想通り、お互いに「奪ってカウンター」を狙いとしていましたね。そうなると、「中央でのミス」は絶対に避けたいもの。真ん中で奪われたら失点に直結してしまいますからね。そうなると、比較的安全で使いたくなるのが外=サイド。グランパスも柏も、基本的には後ろから外に展開して様子を伺いつつ、プレッシングする時はその展開先=外で刈り取ろう、そして中央にパス出してカウンターや! みたいな感じで試合は推移しました。
そうなると割を食うのが阿部。なんせボールが外に行くもんだから、中央にいる阿部にボールがちっとも回ってこない。なんかこぼれ球が阿部の足元にきちゃった♡くらいしかない。阿部的には非常に不本意だったでしょうし、何でマッシモこの展開で阿部使ったのよと思いましたけど、守備時のプレッシングの上手さがやっぱ欲しかったんでしょうね。
一方の柏さんも、江坂カウンターシステム健在、まずはとにかく江坂が前向いてボールを持てば何かがうっ産まれる! て感じで、相変わらず江坂は本当に怖かったので速やかに三好ケ丘に来て欲しいのですが、それはともかくマル・ナカ鉄壁ブロック隊を中心に決定機は作らせなかったグランパス。
お互いに「カウンターから絶対に中央は抜かれねーぞ」「ボール持っても特に何も起こらないぞ」的な雰囲気を醸し出していた試合、なんとなくチャンスっぽいものがあったような無かったような………な感じで、そして得点は結果的に中で奪って外、なカウンターから産まれました。
マテウスと、柿谷と、稲垣と
中央でボールを奪って右サイドのマテウスへパス。その瞬間、柿谷は相手CBの視界から消えるようにファー側へ流れていき、そしてマテウスのクロスに柿谷がフリーで合わせてこぼれ球を稲垣押し込む。良いゴールでした。
注目はやっぱり柿谷。相手DFの視界外に隠れる技術が本当に上手い。ヘディングこそGKに防がれたものの、そこでフリーでヘディングしてるってことが割と真剣にすごかったですね。押し込んだ稲垣も乙。
期待していた阿部ー柿谷ホットラインこそ見られなかったものの、この調子なら近日中に柿谷のゴールが見られるだろうと大いに期待できるゴールでした。
これがマッシモ・名古屋のカテナッチョ?(;´∀`)
リードしてから、山﨑、木本を投入し、最終的には長澤を投入して、露骨に守備固めをしだしたマッシモ。しかし、その守備固めが上手くいっていたのかと言うと………どうだったでしょうか。
長澤の交代早々のやべーミスとかもありましたが、なんとなく、試合終盤にグランパスがバタバタしていた感じがありませんでしたか?
それはやはり、豊、マル、中、成瀬or宮原、稲垣、米本の6枚セットの呼吸・コンビネーションがものすごいからではないか、と考えます。米本が木本に代わっちゃっただけでビックリするくらい不安定になってしまった。
最終的には木本-マル-中の3バック+一列前に豊–稲垣-長澤-マテウス-宮原という3-5ブロックとなったグランパスでしたが、守備固めするならもっとかっちり守備固めして、相手にチャンスを与えないで! と思わずにはいられませんでした。熟練が、必要ですね。
この試合の良かったところ
- 相変わらず上手い柿谷
- 腹筋割れてる相馬
- 自陣ペナルティエリアから相手ペナルティエリアまで走るぜ稲垣
- 信頼と実績の守備陣
- 一列前の選手をサポートするならオレに任せろ宮原
- 地味にタスクを完遂する山﨑
この試合のウーン(・Θ・)
- いくらなんでも守備固め早すぎなんじゃねーのマッシモ
- 展開的に致し方ないとはいえ、もっと阿部を使おうぜ
- 木本入ってから露骨にセカンドボールを拾えなくなったので、ヨネ→木本の交代はどうなのマッシモ?
- 守備固めするにしても、もうちょっと自分達でボールを持つべきでは?
最後に
おそろしく20年以上前のイタリア臭のする「アウェーでリードしたら守備固めて逃げ切るんや!」て感じでしたし、ハッキリ言ってそーとー眠かったですが、でも勝ったんだからまずはそれでOK。これ以上を望むような強豪チームでは、グランパスは未だないですからね。地に足をつけて一歩ずつ勝点を積み上げていきたい。
そういう文脈では、まずは勝点をしっかり掴んでいくんだというマッシモのメソッドをクラブとして蓄えることには大いに意味があると思いますので、そこんとこよろしくお願いします。次も勝ちましょう。チャオ!