ついに止まった連勝。バチバチとやり合った結果、地味だがキッチリ「やられなかった」「守り切った」、そこに意味がある。しかし悲願の優勝を考えると川崎フロンターレが勝利しているだけに痛い引き分けだった。このような状況だけに、本当に負けられない試合になる。
その一戦をプレビューする。
湘南ベルマーレの状況
- 出場停止なし
- モンテディオ山形から加入した期待の中村駿が怪我
- タリク・畑大雅がコンディション不良
- 補強の目玉、ウェリントンとウェリントン・ジュニオールはまだ合流できず
- 山田直輝が復活・名古新太郎の加入、三幸秀稔が2年目にしてフィットしてきており、中盤の3人が盤石
- 今季の既に2勝2分を実現している要因
- 左ウィングバック、元名古屋の高橋諒が絶好調。
- ギラヴァンツ北九州でチャンスを掴み、J1に戻ってきた町野修斗がレギュラーを掴みつつある
湘南ベルマーレの戦績
湘南ベルマーレの戦い方
湘南ベルマーレのプレーモデル。「湘南スタイル」
これは監督が代わっても、選手が変わっても、変わらない。
インテンシティの高さや走力、献身性という言葉に象徴される。
インテンシティとは
インテンシティは、フィジカルと思考能力の強さと速さを表す言葉だ。
球際での強さ・激しさは湘南ベルマーレの生命線。インテンシティのフィジカル面を象徴する要素だ。土曜日に行われた横浜Fマリノス戦でも、身体の強いマリノスの選手たちにフィジカル面では身長をはじめとして不利に見えるベルマーレの選手たちが対等に戦っていたことが記憶に新しい。
こぼれ球などのルーズボールに対して体を強くぶつけて相手を弾きとばし、マイボールにする。そんなプレーが多い。
強いだけでなく、機敏さ・速さもインテンシティの大きな要素だ。長い距離を力強く加速しながら走ることで岡本や高橋諒がマリノスのサイドを蹂躙していたこと、逆にピンチの時は全力でゴールまで戻る様子も感心させられた。
フィジカル面だけでなく、思考能力もインテンシティの要素になる。常にあらゆる状況に対応することができるように、頭の中を動かし続けることができるか。
稲垣祥はかつて吉田豊のYouTubeで「僕は対応能力だけで生きてきた、それだけです」と言っていたが、それは思考能力の速さを意味していると思われる。
フィジカル的に高いインテンシティがあっても、発揮するための思考のインテンシティがなければそのフィジカル能力も宝の持ちぐされになってしまう。
湘南ベルマーレの選手はほとんど例外なく、このインテンシティが高い稲垣祥のような選手が11人揃っていると想像すれば判りやすいだろう。
湘南ベルマーレのチャンスビルディングポイント
引用元: 湘南ベルマーレ 2021プレビュー | 4月7日湘南 vs 名古屋 | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB
インテンシティの高さを示す、奪取のポイントはグランパスの4位を上回るリーグ3位。守備でもグランパスの6位を上回る2位だ。
グランパスはこのインテンシティの高さで上回らなければならない。
グランパスの状況
- 金崎夢生が全治8ヶ月の重傷
- リハビリは順調そう
- 山﨑凌吾がいるときは1トップ、柿谷曜一朗・シャビエル・阿部浩之らの組み合わせのときは昨年も上手く行っていた0トップで臨む
- 高さのない湘南ベルマーレ相手なので、山﨑凌吾の1トップを予想
- 相馬勇紀・稲垣祥・中谷進之介が代表で活躍。弾みがつくか。
- 出場停止はなし
湘南ベルマーレ対策
インサイドハーフの空けた中盤を制そう
引用元: Shintaro Nago Shonan Bellmare videos, transfer history and stats
引用元: Naoki Yamada Shonan Bellmare videos, transfer history and stats
これが湘南ベルマーレの中盤を担うインサイドハーフの2人のヒートマップだ。ほとんどこれはサイドハーフと言って良いだろう。
引用元: Hidetoshi Miyuki Shonan Bellmare videos, transfer history and stats
必然的に中盤は三幸秀稔と3DFの△が守ることになる。
この壁を、山﨑凌吾と柿谷曜一朗がどう抜けられるかがカギになる。ここで勝てばチャンスが広がる。
高橋諒・山田直輝のコンビを抑え込め
引用元: Ryo Takahashi Shonan Bellmare videos, transfer history and stats
元名古屋の高橋諒は、現在湘南ベルマーレの各種スタッツでチーム1位を誇る。ウィングバックとしては異例の2ゴール2アシストと絶好調だ。
秘密はヒートマップがほぼ被る山田直輝とのコンビネーションだ。
グランパスも左サイドは吉田豊と相馬勇紀のコンビネーションで崩すことが多いが、クロスやシュートの精度は吉田豊より高橋諒のほうが上。警戒が必要だ。
対面する宮原和也は1:1なら対応することもできるだろう。ただ1:2では分が悪い。相手の中盤は1枚と割り切って、セントラルMFの稲垣祥か米本拓司のどちらかが落ちて2:2を作ると良いだろう。中谷進之介がそこに引っぱられるとDFラインに穴が空いてしまう。スピードのある大橋祐紀と町野修斗に対処するためには中谷進之介が引き出されることは避けたい。
良い試合になりますように