決戦前 僕は悪魔と契約した。
過密日程・バブル隔離、そして近年の降格や、ひたすら勝てなかった時期。そして自分たちファミリーが愛した数々の選手達との悲しい別れがあった。
“このクラブとファミリーは報われなければならない”
そんな中、前哨戦となった天皇杯の準々決勝で対戦相手となるセレッソ大阪にまさかの”0-3”という完敗。絶望的な気持ちになった。
でも願いは変わらなかった。だからこそ血迷った発言を連発した。
“タイトルなんかいらんから勝つ!”
“負けてもタイトルは取る!”
しかしこの妄言には計算もあった。最後の最後のギリギリの勝負になったら最後は勝ちたい気持ちの強い方が必ず勝つ。セレッソ大阪は2017年にタイトルを取っているが、我々グランパスは11年ぶりだ。ルヴァンに至っては決勝すら行ったことが無い。なら勝ちたい気持ちは絶対我々が上だ。たしかに試合は0-3で負けたが、勝利への執念なら負けるはずがない。自分のような執念を皆が持ってくれれば必ず勝てる。そんな思いを胸に狂ったような妄言をTWITTER上で吐き続けた。
話は変わるが、自分は神頼みをした試合で一回も勝ったことがない。ある一時期あまりに勝てなくてある神社に1万円を奉納したしてお祓いをしてもらったことがあるが、その日の試合は良いところが無く惨敗した。バチあたりだが自分はスポーツの神さまは意地悪だと思っている。
スポーツの神さまはアテにならない。でも何が何でも勝ちたい。神さまがムリなら・・・。
私は悪魔に頼むことにした。グランパス優勝のための人柱になってやると!更に狂った妄想にしがみついた。
本当に悪魔が舞い降りた決戦前夜
そして決戦前日。自分は応援のための体力温存と、コロナで久しく遠征に行ってなかった二年ぶりの東京を楽しむため、半日休みをいただき午後から車で東京に移動した。
ここで悪魔が自分に舞い降りた。
会社から連絡が来て”半日休みの処理をミスっている”と”うわぁアカン、これは週明けは始末書だ”と自分は車の中で天を仰いだ。
さらに受難は続く。東京へ向かう高速道路が新東名→東名、圏央道→中央道ともに事故で10km以上の渋滞。これにより楽しみにして予約した店のオーダーストップの時間を過ぎていたためキャンセル。さらに2年ぶりの東京の様子はかなり変わっていて自分がよく通ってたショップや飲食店が全て無くなるもしくは実店舗の廃止という有様だった。
そして極めつけは、宿について寝る直前の23時にTWITTERにDMが来て、自分が余らせていたカテゴリ6(VTシート)のチケットを譲るハズの方から”子供が体調不良で行けなくなりました!”と連絡が。
”行けなくて悔しいのは自分でなくアナタ、キャンセル料はテレビの前の熱い応援と勝ちたい気持ちで払ってくれ!”と半ばヤケクソ気味ににカッコいい返信をしては見たが心の中で”なんて日だ!!”と呪った※1。
どうやら本当に悪魔が我が身に降り注いだらしい。しかし、それで安心は出来なかった。悪魔は気まぐれだから。
※1このチケットは当日に引き取り手が見つかりました。拡散ご協力いただいた皆さま誠にありがとうございました!
ご協力ありがとうございます!
決戦当日 戦う前から勝利を確信した。
そして迎えた決戦当日。自分はぐっすり眠れた。以前決勝戦の心得の記事を書いたときに、私は決戦前夜にまともに眠れたことが無いと書いたが、前日に災難が降り注ぎまくって疲れたのと、少しテンションが下がって良い感じに精神が落ち着いたらしい。
どうやら悪魔は自分に微笑んだようだ。
前日はあれだけトラブル続きだったのだが、当日は埼玉スタジアムまで多少の渋滞はあったものの順調そのもの、渋滞を示す赤い線すら”道路がグランパスカラーに染まっている!”ように見えた。
負ける気がしなかった。
そして意気揚々と愛車ヴィッツGRでスタジアムに乗り込んだ私が見たものは、この試合に賭けるグランパスファミリーの姿であった。
コロナで中々会えず、アウェイどころかホームにも来れてなかったかつてのゴール裏の仲間。まさかここで会えるとは思わなかった大学時代のゼミの友人。グラぽ先生やラグさんをはじめ”グラぽのライターやグランパス界隈のインフルエンサー、フォロワー数全部合わせたら豊スタ埋まるんじゃない?”ってレベルの重鎮が勢ぞろい。そして何よりも3人そろうとどんな願いも叶えられるという”マッシモTシャツの人”が4人も揃っている!!
みんな、絶対に勝ちたいという思いを胸にあつまった人たちだ。絶対に勝てる!!
名古屋を愛する者たち、勝てないワケが無い!
唯一の懸念点は、この日自分の”アニメゲーフラ”界隈の同士でありセレッソサポのコスモス総帥(@ofs1997)がトラブルがあって撮影会の待ち合わせ時間に遅れ、自分の心の中の宮本武蔵が”小次郎敗れたり!!”と耳元で何度も叫んでたけど、そんなことは些細なことでしか無かった。
セレッソサポのコスモス総帥(@ofs1997)と試合前にゲーフラ撮影会。トラブルはありながらも決勝という晴れの舞台で撮影会が出来たことをセレッソ大阪さんとコスモス総帥。そしてここまで連れてきたくれたグランパスに感謝します。
もう一度言う。負ける気がしなかった。
来た!見た!勝った!
選手入場時、ファイナルのアンセムをバックにカップの横をとおり過ぎながら入場してくる選手を見て感極まった。でもそうなることは織り込み済みなので、そのまま身に任せることにした。
試合自体の細かいレビューはグラぽの戦術担当の優秀な皆様にお任せします。ですが自分は”90分グランパスのゲーム”だったと思う。確かに危ない場面はあったし一方的に押されてた時間帯もあったが、それはセレッソ大阪が決勝にまで駒を進められる強いクラブであったから自分の中では想定の範囲内だったし、なによりランゲラック神のスーパーセーブが無ければ失点というシーンも皆無であった。
他のグランパスファミリーはどうか解らないが、自分も90分普段通りの熱い応援が出来たと思う。手拍子を止めずに、声を出せず選手に伝わりもしないことを承知でも、身振り手振りで選手に戦術指示をした。そして後半ロスタイムにいつもどおりストップウォッチアプリで残り時間を計り始める。そして試合終了の笛でいつものようにガッツポーズ。
マッシモも、選手も、ファミリーも、自分たちらしさを出したいつもどおり勝った試合だった。
いつもと違うのは、選手の手にはカップがあったのと、試合後にスマホを見たら”優勝おめでとうございます!来年はウチがもらう””くやしいけど、今回は負けた!おめでとう!次は勝つ!””優勝おめでとう!お土産期待してるよ!”という仲のいい他クラブのサポーター、負けたセレッソサポの方、職場等からの大量のお祝い着信通知だった。
奢ってくれた鹿島サポの深い~話
試合後、自分は東京に行ったら必ず行く中野坂上の”とんてき”(@ss_tonteki)にご飯を食べ行った。
この店は、店主がフットサルの元選手でJリーグは鹿島とFC岐阜を応援されていてグッズもたくさん置かれており、いくといつも両クラブのサポーターが居る。この日もルヴァンの決勝を見ていたという鹿島サポーターが何人か先客でいた。
中野坂上にある酒場食堂とんてき。元女子フットサル選手だった店主の深いサッカー談義を肴に飛騨牛ハンバーグや、コロッケ、とんてきといった美味しい肉料理や店主の地元岐阜の地酒が楽しめる店です。鹿島とFC岐阜を応援されてますが、他クラブのサポがNGでは無いので是非行ってみてください!https://tonteki.tokyo/
そこで自分は鹿島サポーターから今日の名古屋の試合内容を絶賛してもらった、
「クラブというのは勝たなければいけない。勝つためのことを徹底した試合は良い試合」
「今日の名古屋には強かったころの鹿島のメンタリティーがあった」
更に一杯優勝記念ということで奢っていただいた※2。ありがとうございます!始めて会った他サポに奢ってもらえる、優勝ってやはり素晴らしいと思った!
だが、今回敢えて奢ってもらった鹿島サポの方にこんな話を切り出してみた。
私「鹿島さんの場合はルヴァンしか取れなかった年ってダメな年ですよね?」
鹿島サポ「確かに強かったころは”カップ戦しか取れなかったシーズン”って愚痴ってた※3」
私「鹿島さんって星20個ぐらいありますよね?」
鹿島サポ「いや、今は2つしか無いよ※4」
これが常勝クラブか。と思った。今回は苦労した。だから目一杯よろこんで良いと思う。でだが、これはまだ真の栄光へのスタート地点でしかない。やはり真の目標は名古屋グランパスが常勝クラブになること。そしていつの日か、
「今年はACL、リーグ、天皇杯撮ったけどルヴァン取りこぼして全冠できなかったらヒドイシーズンだな」
「今48冠で来年2冠で50冠だから星5つにするのは義務だな」
って言えるようになるぐらいのクラブになるまで、このクラブのファミリーを続けようと心を新たにした
※2 実は翌日私は岐阜×沼津に参戦予定で、沼津に来るまで移動予定でしたので奢ってもらったのは酒ではなくてガラナです。飲酒運転は絶対しません。
※3 ちなみに鹿島はナビスコカップは6回制覇してますが、名称がルヴァンになったからは一度も制覇しておらず”オレたちはルヴァンカップを一度もとったことはないから羨ましい”と謙遜されていたことを追記します。
※4 鹿島は20冠とあまりに獲得タイトルが多いので10冠で大きな星1つとして20冠で星2つをエンブレムに添えてます。
グランパスとグランパスファミリーは自分の誇り
最後に自分に奢ってくれた鹿島サポータがこんなことを言っていた。
「名古屋のサポーターは新しいことをドンドン取り入れたり、サポーター一人一人がよく考えて自主的に行動に移せる賢いサポーターに見える」
自分も本当にそう思う。今回のルヴァンでも、セレッソが選手紹介しているときは皆相手に華を持たすために足並みをそろえて沈黙していたり、試合後も、誰にも言われていないのに、自主的に自分の周りにあるコレオの張り紙を剝がしたりしていた。自分たちが何をすべきか良く考え実践できる。はじめ風間前監督が”ファミリー”と呼んだ時は”ちょっと大げさだと?”と思ったが、今では誰もが”ファミリー”に見える。ファミリー一人が一騎当然の猛者だ。
さらにこれは笑い話だが、自分も優勝にあまりに浮かれてまさかの、鞄をスタジアムに置いてくるという失態を侵したが、フォロワーの方から”かばんの忘れ物のツイートが流れてきたけどアナタのでは?”と言われて確認して、伝言ゲームのごとく私の所に伝わってきました。本当にグランパスファミリーは素晴らしいです。このクラブを応援してきて本当に良かったと思います。
ですから、私はこのクラブと、クラブのファミリーと共に、もっと上の世界が見たい!このルヴァンカップを足がかりに、リーグ優勝、ACL制覇と進められるよう。
そして私は、このクラブとこのファミリーが居れば、必ず達成できると、ルヴァン制覇の光景を見て確信した。
【最後にお願い】
忘れたカバンを撮影して、ツイートしていただいた方へ。無事にツイートは本人のもとに届きました!ですが、私のアカウントからはツイートが検索できないです!お礼がしたいので名乗り出ていただけるとうれしいです!(セレッソサポかもしれませんが・・・)