忘れもしない、2位争いのなかでベガルタ仙台戦の敗戦から敗戦が嵩み、今の順位に沈んでいることを。そして来季のACLプレーオフ出場権獲得のためには最低でも4位を確保しなければならない。そのためには負けられない戦いとなる。
この試合をプレビューする。
スターティングメンバー予想
ベガルタ仙台の予想スターティングメンバー
- アピアタウィア久が出場停止
- エマヌエル・オッティ、照山颯人、井岡海都が負傷離脱中
- 基本はここのところ結果の出ているメンバーに、出場停止のアピアタウィア久のところに福森直也が入ると予想
- フォギーニョが復活したため、前回対戦時に活躍したことから富田晋伍に代えて起用を予想
- 変わるとしたら前節45分で交代した赤﨑秀平のところに、西村拓真か、フェリペ・カルドーゾが入るかくらいではないか。
残留に向けて気合いが入っている。ヴィッセル神戸に対して2ゴールを挙げて粘りを見せた。
名古屋グランパスの予想スターティングメンバー
- 丸山祐市が全治8ヶ月の重傷(6ヶ月目)
- 米本拓司、阿部浩之、ともに負傷離脱中。
- 出場停止はなし
- 前節低調だった前田直輝に代わり、後半出場だった柿谷曜一朗の先発を予想
- 左サイドハーフはローテーションで相馬勇紀を予想
- 右サイドバックは柏レイソル戦ですさまじいクオリティのプレーを魅せた宮原和也を予想
ベガルタ仙台の戦績
5勝 11分 18敗、19位に沈む。前日清水エスパルスが引き分けただけに、勝ち点差は7まで広がった。数字的にはまだ可能性を残すが2勝では足りなくなってしまった。
今回の試合に負けると、残留はかなり難しくなってしまうだけに、ベガルタ仙台は超ハイテンションで試合に入ってくることが予想される。それを警戒したい。
ベガルタ仙台の戦い方
ベガルタ仙台は、4-4-2を主軸とするチームで、4-4のブロックを作ることを重視している。強いフィジカルコンタクトで、コンパクトに構えた網に追い込み、ボールを奪ってくる。前回対戦時にも強固な守りでやられた傾向があった。
前からプレッシャーをかけてくるチーム相手には、名古屋グランパスでは稲垣祥や米本拓司がよくやるように、DFラインに中盤が1人落ちて、攻撃の組み立てに参加する。
一方で強力な右サイドを持ちながら、前線に繋げるにはどうしても低い位置からのロングフィードに頼ることが多く、せっかくのボールを失ってしまうことが多い。そこがベガルタ仙台の課題に感じた。
ベガルタ仙台のチームスタイル
真瀬拓海・加藤千尋 or 関口訓充という右サイドユニットがいることから、右サイド攻撃の数値が高い。また守備から攻撃への切り替えが速いため、速攻・ロングカウンターという形が多い。ハイプレスの数値は低く、前線でボールを奪うことができていないので、ショートカウンターの数値が低い。ベガルタ仙台全盛期はもっとこのあたりの数値が高かったと記憶している。
引用元: ベガルタ仙台 2021 チームスタイル[攻撃セットプレー] | データによってサッカーはもっと輝く
ベガルタ仙台のチャンスビルディングポイント
引用元: ベガルタ仙台 2021プレビュー | 11月7日仙台 vs 名古屋 | データによってサッカーはもっと輝く
ベガルタ仙台は順位から見てわかるように守備の機会が多くなるため、守備やセーブの数値が比較的高くなっている。逆を言えば守備からの連続したカウンターをできるだけさせたくない。
ファーストディフェンダーになるであろう、柿谷曜一朗とヤクブ・シュヴィルツォクが相手の初動をいかに遅らせられるかがカギになる。クバは運動量の面で不足があるので、そこが懸念材料だ。
ベガルタ仙台対策
前回対戦した時、試合に勝ったのは相手ですけど、内容的に我々が落としてはいけないゲームだったなという感覚が残っています。どのように闘えたかも含めてです。実際に多くの選手が替わった中、直近の何試合かを見ていますけど、最近のヴィッセル神戸に2−4で負けたゲームを見ていても、11人対11人のまま試合が最後まで続いていたら、かなり高い確率で違った結果になっていたんではないかなと。それくらい一つの形を持っていて、いいサッカーをやっているなという印象があります。前回対戦の結果は置いておいて、ある程度の手応えのあったゲームができた前回とは全く違ったチーム、大きく変わったチームと対戦すると位置づけたいです。先ほどの繰り返しになりますけど、我々はACLを目指すという目標を最後まで譲ってはいけない一方、相手は絶対に残留するんだという目標を持っていて、それぞれの目標は違いますが、絶対に負けてはいけないもの同士がぶつかるゲームになると思います。そういった部分でも譲らないで闘いたいと思います。
引用元:明治安田生命J1リーグ第35節 仙台戦 前日監督会見 | インサイド・グランパス
間違いなく言えるのは、この時期の残留争いの相手は順位通りの実力と受け取ってはならない。柏レイソル戦に続く死闘になること。1点を奪わせない、1点を奪うこと。ロースコアになることが決まっているゲームをなんとかもぎ取りたい。
真瀬拓海・加藤千尋の右サイドユニットに気をつけろ
ヴィッセル神戸戦のベガルタ仙台1得点目がこちらだ。
98秒。セットプレーのこぼれ球、左サイドバック石原崇兆のクロスに飛び込んできたのは右サイドバック真瀬拓海。ダイレクトで合わせて同点ゴールを決める。その後もベガルタ仙台の攻めを牽引した。なんども上下動を繰り返し、攻め上がる姿が印象に残った。
真瀬拓海について触れるのは2回目だが、とても良い選手である。
数値で見てみよう。
データ引用元:
吉田豊 2021 選手データ | データによってサッカーはもっと輝く
宮原和也 2021 選手データ | データによってサッカーはもっと輝く
真瀬拓海 2021 選手データ | データによってサッカーはもっと輝く
ベガルタ仙台と名古屋グランパスでは、サイドバックの役割がそもそも違うので真瀬拓海をそのままグランパスに持ってきても活躍できない可能性が高いことは最初に申し添えておく。名古屋グランパスではなによりも最終ラインからの攻撃の組み立てに参加すること=ビルドアップが求められる。森下龍矢も決して得意ではないその分野が真瀬拓海も苦手だ。
しかしパスレスポンスや守備、ボール奪取などでは圧倒的な数値をたたき出してる。前回取り上げたときに高い数値だったクロスは少し下がってしまったが、脅威であることは間違いない。
この真瀬拓海とコンビを組むのがシーズン前半は左サイドハーフを務めることの多かった加藤千尋である。加藤千尋はとにかくシュートに持ち込むチカラのある選手。彼に気持ち良くプレーをさせないことが重要になる。
中央のブロックを崩せ
戦い方のところでも触れたように、コンパクトにブロックを作って、そこで強いフィジカルコンタクトや連携でボールを奪うというのがベガルタ仙台の守備だ。
フィジカルコンタクトと言えばヤクブ・シュヴィルツォクである。彼がフィジカルコンタクトに負けず、1枚はがすことができればブロックは機能しなくなる。クバに中盤に降りて組立てをしてもらうのではなく、DFを背負ってもらうことができるか。
場合によってはクバがDF1枚を背負うことで味方を1枚フリーにする、ということもできるはずだ。そこがカギになる。
良い試合になりますように