ルヴァンカップで清水エスパルスに勝利しているものの、その前は引き分けが続き、北海道コンサドーレ札幌には完敗。順位が下であるジュビロ磐田相手には負けるわけにはいかない。
その試合をプレビューする
スターティングメンバー予想
ジュビロ磐田の予想スターティングメンバー
- 出場停止はなし
- 左SB高野遼・MF山田大記・GK三浦龍輝が負傷離脱中
- サンフレッチェ広島相手に2点を追いついたメンバーをベースと予想
- 途中から入ってくるであろう、グランパスが苦手なパワー系フォワード、ファビアン・ゴンザレズに警戒
名古屋グランパスの予想スターティングメンバー
- 甲田英將が清水エスパルス戦で復帰
- 宮原和也・酒井宣福がともに原因不明の離脱中。
- 出場停止はなし
- グランパスも基本的にはスタメン継続か。
ジュビロ磐田の戦績
1勝 5分 3敗で勝ち点8、15位に沈む。新監督が就任し、その戦術が定着しない間に9試合が過ぎ去ってしまった、というのが現状だろう。平均得点:.1.2(名古屋グランパス:0.8)は、難敵鹿島アントラーズと並ぶ。攻撃力の高さには定評がある。一方で平均失点:1.6(名古屋グランパス:1.0)と失点が先行する。このあたりは戦術が未消化ということも影響していそうだ。
順位の差は平均失点の大きさにある。
ジュビロ磐田の戦い方
ジュビロ磐田の伊藤彰監督は、昨年までの鈴木政一監督のアプローチとは異なり、モダンなサッカーをしてくる。
伊藤監督が理想とし、手本とするのは英プレミアリーグのマンチェスターCで指揮を執るグアルディオラ監督(50、愛称ペップ)だ。スペイン人指揮官が取り組むオフェンスで優位性を作り出す「ポジショナルプレー」はスペイン1部バルセロナ、独1部バイエルンでリーグ制覇するなど、欧州サッカーを席巻した。新理論を参考に、練習から甲府にも落とし込んでいる。
引用元:【甲府】伊藤彰監督インタビュー第1回 ペップ流との融合目指す
5バックのフォーメーションはグランパスと余り変わらないが、グランパスが守備時に5枚がしっかりと最終ラインを形成するのに対して、ボールサイドで数的優位さえキープできていればボールのないサイドの選手は最終ラインに吸収されずに、むしろパスを受けられる位置に移動する。こうすれば最終ラインからボールを繋ぐコースが増え、運動量が低い遠藤保仁が居てもビルドアップが破綻しない。
特徴的な攻撃
伊藤彰監督のチームに共通するところは、以下の2点だ。
- 攻撃に枚数をかける
- 前線で横にボールを出して(レーンまたぎ)マークをずらす
1.攻撃に枚数をかける
伊藤彰監督が昨年まで指揮を執っていたヴァンフォーレ甲府のサポーターのブログがよく説明してくれている。
伊藤監督は3-4-2-1を基本ベースとし、守備時を5バック、攻撃時は可変し最終ラインを2枚(ウイングバックを入れたら4枚)にする戦術を採用している。これにより、守備時は今までの甲府らしい最終ライン5枚の堅守を構築しつつ、攻撃時では中盤・前線に枚数を増やし、攻撃に厚みを加えるような戦術を取っている。また、ウイングバックを偽サイドバックとして、シャドーがサイドに張り、ウイングバックが内側に入ったり、可変によって上がってきたインサイドハーフがサイド攻撃に絡んだりと、多種多様な攻撃を組み立てている。(選手の特徴に合わせて上手く代えたりしている。)
引用元:伊藤彰監督についての私個人の考え|ひろ|note
5-2-3のフォーメーションだが、3人のセンターバックのうち、ボールに近くないサイドの1人がセントラルMFの位置まで上がり、セントラルMFのどちらかが代わりに1列上がる。(4-2-3-1であまり後ろに重心が掛かりすぎないようにする)
さらに相手陣内に侵入したときはサイドバックが2列目まで入り込み、中央に絞る。形としては2-2-3-3のような形になる。これだけ枚数をかけていれば、グランパスのようにクロスが入ったときに中に1枚しかいないということはない。
そのクロスに飛び込んで得点を挙げているのが右ウィングバックの鈴木雄斗というのも特徴的だ。鈴木雄斗の対面には機動力があり、ついていける選手を置いておきたい。
2.前線で横にボールを出して(レーンまたぎ)マークをずらす
これはビデオを見てもらったほうがいいだろう。
左ウィングがボールを持ち込み、その横に1枚が併走。そこにボールを出してマークが剥がれた瞬間に真横に走り込み、ボールを受けてシュート。
5レーンという言葉があるように、選手の動きを縦軸で見ることの多い選手にとって、横方向にずらされることはツラいことだ。
伊藤彰監督は意図してこのようなチーム作りをしていることは間違いない。
ジュビロ磐田のチームスタイル
結果が出ていないため、目立ったスコアはない。比較的高めなスコアはコンパクトネスと自陣ポゼッション。そして守備から攻撃への切り替えとなる。これらの数値は強固な守備でカウンターをしかけるということを示している。
ジュビロ磐田のチャンスビルディングポイント
順位ではグランパスが上回っているがグランパスのほうが上回っているポイントはドリブルとシュート・奪取のみ。あとはすべて上回っている。順位のことは忘れて試合に臨んだほうが良いだろう。
ジュビロ磐田対策
ウィングバックを自由にさせるな
ジュビロ磐田のウィングバックは、横浜F・マリノスのサイドバック同様、かなり自由に動いてくる。1人の選手がそれに対応することは難しい。選手間でマークの受け渡しをしっかりして自由にさせないことが重要だ。
逆カウンターで裏返せ
ジュビロ磐田のトップスコアラーはダントツで5ゴールを挙げている右ウィングバック鈴木雄斗である。彼はクロスを上げる側に廻るだけでなく、クロスに飛び込む役割も果たす。当然最前線に居ればカウンターを食らったときに戻ることはできない。彼の裏を突きたい。
そうなると右サイドのセンターバックが引き出されてフォローアップすることになる。堅い中央が緩くなるのはそのタイミングしかない。
そのタイミングでクロスを入れられれば隙ができる。クロスからの失点が多いのはそれが理由だろう。グランパスもそこを狙っていきたい。
相馬勇紀のゆりかごダンスを!
ジュビロ磐田の時間帯別失点を見てみよう
前半5失点、しかし後半は9失点である。前半、ジュビロ磐田の圧力に耐えて後半に相馬勇紀のドリブルからゴールを決められれば最高だ。期待しよう!
良い試合になりますように