忍者「どうも忍者です」
記者「どうも記者です」
忍「無事に勝ち抜けて何よりでござる」
記「1戦目の6-1というスコア的には当然かと」
忍「当然のことを当然のようにやりきったチームをまずは誉めてやりたい」
記「それでは試合をやわらかく振り返っていきましょう」
忍「5点取らなきゃならない京都。立ち上がりは案の定のハイプレスだった」
記「グランパスから見て右サイド側を早めに使おうとしていました」
忍「ウタカがそのあたりに流れてボールを受けようとしてたし、ウタカが外に流れて空いたスペースに走り込む豊川が実に鬱陶しかったでござる」
記「それでも耐えました」
忍「グランパスのCB陣を慌てさせるほどの攻撃ではなかったな」
記「ウタカが露骨に藤井を狙ってプレスするなんて状況もありましたが」
忍「それで奪われたら危なかったが、耐えた」
記「そして気づけば前半20分」
忍「ハッキリ言ってしまえば、0-0のまま前半20分になったことで、グランパスの勝ち抜け自体はもう決まったようなものだった」
記「無理に攻める必要がない以上、まず守備を固めてしまえば、残り70分で5失点とか、ほぼあり得ないですもんね」
忍「そのあたりから露骨に相馬、森下が低い位置を取っていた。裏のスペースを使われたくなかったんだろうな」
記「3バックの泣き所はWBの裏=CBの外側のスペースです」
忍「そこを埋めてしまえば、少なくとも守備はそう大崩れしないだろう、という選手の判断だったんだろう」
記「前向きに守備をしたい、との意図もあったのでは?」
忍「恐らくそうだろう。相馬、森下だけではなく、丸山、中谷も出足の鋭さが素晴らしく、前向きに守っている限りは強い」
記「ただ、長谷川健太監督はなんとなく不満げでした」
忍「そうだったな。ここで監督の試合後コメントを見てみよう」
“--今日のゲームプランは?
https://www.jleague.jp/match/leaguecup/2022/061107/live/#coach
前半は「一切つなぐな、しっかり裏に蹴れ」という話をしました。中途半端なプレーをせずに、前半の45分はしっかりラインを作って、酒井(宣福)、もしくは相馬(勇紀)を狙ってということで、普段であればしっかりセットしながらつなぐときはつなぐとやっていますが、前半はそういう形を指示しました。前半は酒井のところで起点ができていました。選手はよく理解してやってくれたと思います。”
記「このコメントを読む限りでは、相馬と森下が引いて構えるのは特に問題ないような?」
忍「恐らく、想定以上に相馬、森下が引いてしまったのだろう」
記「監督として不本意なほどに、ですか」
忍「そのせいか、前半も後半も、グランパスが京都からボールを奪った時に、もうちょっと丁寧にパスを出せばカウンターでビッグチャンスになったのでは、という状況が目立った」
記「なるほど」
忍「仙頭がかなり厳しくマークされていたことは見逃せないが、それでもミスは多かったな」
記「なんだったんでしょうか、そのミスは」
忍「まずは監督の指示を守ろうとした結果なんだろう」
記「繋がず蹴っ飛ばす、と」
忍「それを愚直にやろうとしてしまったので、余裕のない、焦った蹴っ飛ばしが頻発してしまったのではないか」
記「それだけですか?」
忍「あとは、京都の隙が目に見え過ぎた、ということはあったかもしれない」
記「???」
忍「京都が前がかりだっただけに、『このパスが通ればビッグチャンス!』みたいな状況がものすごく多かった」
記「そこが通ればビッグチャンスだけどなかなか通らない、と」
忍「余裕の無さが影響したんだろうな。出し手と受け手の呼吸が合わなければ、通るものも通らない」
記「そんなこんなで何となくグダグダしていた雰囲気を吹っ飛ばしたのが斎藤学でした」
忍「控え組のやる気というのか、結果を出してやろうって意気込みが見えたな」
記「逆脚の右で、素晴らしいシュートでしたね」
忍「シュートは『キーパーのタイミングを外す』か『キーパーの取れないコースにコントロールする』のが基本で、斎藤のシュートはその両方を満たしていた」
記「こうすれば得点できるんだぞ、という見本のようなシュートでした」
忍「アシストしたのが丸山っていうのも良かった」
記「あの時間帯に攻撃参加できるセンターバックって本当に素晴らしいです」
忍「さて、それでは試合の要点をまとめてみよう」
記「ぶっちゃけ、ポイントは何だったのでしょう」
忍「この試合を『勝とうとしていた』ことだ」
記「はて? プロなので当たり前なのでは」
忍「今日の試合に限っては、例えば4-0で負けても2戦トータルでは勝ちだった」
記「1戦目の6-1は重たかったです」
忍「しかし『今日は負けてもいいぞ』だなんて指揮をする監督がいるだろうか」
記「うーん、少なくとも選手はいい気分にはならなさそうです」
忍「もちろん、長いシーズンの中には『勝たなくてもいい試合』はあるかもしれない。でも『勝ちを追求しないチーム』って緩むのだな」
記「勝たなくてもいいなら、例えば怪我するかもしれないようなギリギリのプレーなんてバカバカしくてやってられないですよね」
忍「そのとおり。だから基本的にはどんな監督も『この試合を勝つためにはどうするか』をチームに落とし込むし、そのために全力を出せる選手をスタメンに選ぶわけだ」
記「それでもほんのちょっとだけ緩みはあったように見えた試合でした」
忍「その『緩み』が後半46分まで先制できなかった理由だとして、だったら交代で入れる選手の人選は難しくなる」
記「やる気も質も必要ですね」
忍「具体的に言えば、吉田温紀や豊田晃大の出番が無かったのは、そういう理由だろう」
記「そういう? どういう?」
忍「彼らを入れることによってチーム全体のパフォーマンスが低下すると判断されたのだろう」
記「負ける原因になりかねなかった、と」
忍「全ては推測だが、長谷川健太監督は『今日の試合を勝とう』と事前に選手たちに言っていたと思われる。そんな試合中に、勝つ可能性を下げるかもしれない選手起用をしたらどうだろうか」
記「一貫性が無くなっちゃいますね」
忍「吉田温紀や豊田には、試合に勝つ可能性を上げる選手になってほしいな。素質的にはなれるはずだ。いまは腐らず努力を重ねて欲しい」
この試合の良かったところ
- 勝ち抜け
- 学の実に味わい深いゴール(スローで見返すことおススメ)
- 攻守に……特に守備で輝いていた相馬
- 走り切った森下
- 盤石の守備陣
この試合の(´ε`;)ウーン…
- どんどん露骨に集中が切れていたカストロ
- 相馬のヘディングはまあ……
- 石田ちょっとチャンスを無駄にし過ぎでは
最後に
記「色々言いましたが、勝ってよかったですね」
忍「プレーオフステージを突破したから、少なくともルヴァンタイトルホルダーとしての最低限はこれでできたんじゃないだろうか」
記「欲を言えばキリがありませんが、本当に良かったです」
忍「おあとがよろしいようで」
記「それではまた次の記事でお会いいたしましょう」
忍「ニンニン」