グラぽ

名古屋グランパスについて語り合うページ

メニュー

鹿島の名古屋対策を深掘る 2023年J1リーグ第13節 鹿島アントラーズ戦マッチレビュー #grampus #antlers

DAZNでは惚れ惚れするような下田さんの前口上と試合前の全てのJクラブのフラッグを背負いピッチの中央におかれた名古屋と鹿島の球団フラッグ。

DAZNでも現地でも試合前は魂の震えるような演出が見られた記念試合

鹿島が30年前5-0から始まったJで培ったのが「勝者のメンタリティ」ならば、名古屋はそこで「諦めない心」を宿したはず。

30年後の5月14日に国立で感じた「気持ち」は次の30年への「諦めないメンタリティ」を作るスタート。

今シーズンの2敗目を振り返る

試合情報

鹿島アントラーズ・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
鹿島アントラーズ・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ

対名古屋の守り方

死ぬほど名古屋が崩されたのか?と言われるとそうではなく、チャレンジを引っかける。相手のやりたいことを消してスタートする。が徹底されていた鹿島。目立ったのはいつの日か名古屋でも見た「相手の良さを消す守備」と+αだった。

鹿島がとにかく徹底したのはブロックの作り方。前線の4枚が執拗に中央を狭くし、米本への通路を遮断する。そして名古屋が脇を使うときに鹿島が意識したのは縦に勝負するのが得意な森下のサイドの守り方。

藤井に対して垣田が中を切りながら当たりに行き藤井を外へと押し込む。個人技でプレスの逆を取る可能性がある藤井の中側を切りながらプレッシャーに行くことで外側へのボールの配球はある程度認める形を取る。そこに立つのは広瀬。広瀬は森下の縦方向を基本的には徹底して絞る。その場合にボールの逃げ道となる中央へのパスコースは名古が絞りにいく。

垣田が逆を取られないようにプレッシャーに行くことで名古が早く森下の内側へのプレー選択を早く切ることが出来る。

これによって左サイドは植田の脇に長いボールを出す展開に限定されていくことになった。

鹿島の対名古屋の守り方
鹿島の対名古屋の守り方

前半21分には藤井から永井にボールが届いた場面があったが、永井とキャスパーが必死に最終ラインを全速力で引っ張り瞬間的にマテウスが走りこめば数的同数で位置の優位も取れる状況で永井が顔を上げた時にはマテウスがジョグで上がっているというチグハグな展開もあり、長いボールも出しづらい状況となっていた。

右が使えないワケ

左からダメなら右から作れば良いじゃないか。となるが、右では左の詰まり方による弊害が発生していた。

左で詰まった場合に前半から右に逃げるタイミングで突っかけられている状況が発生している中で、攻守の切り替え後高いラインにいる前線4枚が突っ込んでくる鹿島に対してのリスク管理の為、野上が外へ開けない状況となる(仲間で野上に対面してピン留めしていたのも開けない理由の1つ)。それに加えて左で駆けられているプレッシャーにより野上のサイドへボールが回って来るタイミングが「自分達のやりたいことをするタイミング」で回ってこない(逃げの状況)となる。

名古屋は最終ラインが外へ開き相手の中央の選手を広げる。詰まったら自分たちで逆側へ早く展開して空いている最終ラインがボールを持ち運ぶことで相手のサイドを押し込む。という強みがある中で野上のサイドは「持ち運べない」「外に開けない」という強みが全て消される状況になってしまった。

右が使えないわけ
右が使えないわけ

シーズン初期に仕込んでいた、どうしようもならなかった時は詰まっているサイドから逆へ展開する形(シーズン初期のレビューでも書いた形)の為に、DAZNでは映っていないが内田は水沼さんが前半指摘していたピトゥカの脇の位置でボールを受けれる場所を探し続ける。キャスパーは内田の動きを見て安西をどうにか押し込んで内田のプレースペースを作る動きをしているのが現地で確認できた。

しかし、どうしても対角に飛ばすことが出来ない。というよりチャレンジしない状況が続く前半となった。

対角に飛ばせない、外に出せない原因として大外に野上が張れないという理由を察したのか何度か稲垣が外へ流れる動きを見せたが、それでも外側は中々使われず、下田さんが名古屋の最終ラインがボールをもった時に選択した言葉「にらみ合い」を続けた。

構造を変える

失点後から明らかにキャスパーが気を効かせて無理矢理中央で受けに来る、サイドへ流れて時間を作るといった役割へと変化した。これに加えて失点したこともありリスクを抱えても勝負に行くしかない名古屋は内田に変えて和泉を投入し両サイドに変化を出した。

まずは左、米本と藤井の位置関係を整理。藤井がプレスを食らう場合は和泉ではなくて米本が開いて受ける。プレスを受けない場合は藤井が必ず持ち上がる。和泉を高い位置に押し込む事を徹底した。右では安西に森下を当てる形を取ってキャスパーが関川を引っ張る。前半で内田の周辺を当てる形と違い、マテウスや稲垣が侵入する場所を作った。組み立ての部分で挑戦した前半は組み立てを優位にするために途中の場所を空ける構造をつかったが、後半はゴールに侵入する選手のプレーを優位にするための場所を作る構造へ。

変えた構造
変えた構造

但し、リスクをとった分右も左でも「裏返されるとピンチ」を受け入れる事に。そのピンチをつくったのは佐野の存在。後半一旦引き守りを選択し、名古屋の構造に苦労し掛けたが佐野が入ったことで鹿島は前半と同じアイデンティティを継続。佐野でギアを上げ直した鹿島だった。

試合雑感

  • 目立ったのは鹿島のボールに対するアプローチの速さ。今シーズン初めて自分たちより早いアプローチを経験したのではないだろうか?
  • 鈴木が稲垣の周りに攻守で立っていたのは地味に効いていた。受け方や選手の消し方が上手かった。
  • キャスパーが気を効かせた時点で彼から得点の匂いはしなくなる。彼がそうならなくてもいいような構造にするのか?それ以外の選手がしっかり代わりを果たすのか?ここは明確にしたい。
  • 鹿島にボールをさらわれたのは全て受けた瞬間のタッチが長い時。名古屋はワンタッチ目で「プレーを決めるタッチ」をするので全員受ける時のタッチが長い。どうしても受けた瞬間に躱せないと鹿島のような受ける瞬間に当たりに来るチームにはボールをさらわれやすくなる。
  • インサイドグランパスを読むと選手達は具体的な部分に踏み込んでいるのでチームから何も与えて貰ってないわけではない。与えて貰った事を相手がいる状況で出来るようにするための余裕やピッチでの改善をするために必要な「時間の作り方」を目的とする球の扱い方をもう少し個々が習得すると楽なのかもしれない。
  • 後ろがもたつくと前線の選手達は「ボールも来ないのに守備いくのかよ」みたいな雰囲気に現地で見ていてもなっていて永井やマテウスが守備に戻ってくれていたシチュエーションでも守備参加してくれない場面が増えて来た。「攻撃は後ろから。守備は前から」おたがい思いやりの精神で。

最後に

いよいよ次節は勝ち点、得失点差が同数の広島。広島は名古屋より試合数が少ないので確実にホームで勝ちたい所です。

次の30年に向けて良いスタートが切れますように。

Leave A Reply

*

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Hatena Bookmarks
Pocket
Evernote
Feedly
Send to LINE