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2023年シーズンレビュー(2)コンウェン編 ポジションごとに個別選手データを比較してみる

はじめに

コンウェンですこんにちは。

23シーズンおつかれさまでした。

最終節長良川で編集長から「ハイ原稿料」とお土産のお菓子を頂いた際、「今年全然かいてないっすけどねー」と軽口を返したら「これから書くんだよ」といい笑顔で凄まれたので泣きながら書いたレビューです(誇張あり)。お楽しみいただけると幸いです。あ、お菓子美味しゅうございました(私信)。

長い前置きはさておき、23年シーズンはまさにジェットコースターのようなシーズンでした。ユンカーの鬼のような決定力とマテウスのキープ力&キック力を軸に課題であった得点力が向上。サポの欲目は承知のうえですが3冠すら狙えるんじゃと思わせる登り。からの攻めきれない守りきれない、急降下の後半戦。そして今、我々の心をかき乱すコークスクリューのような移籍市場…。来季は「ただ高いとこ気持ちよく走ってるだけだわー」なアトラクションに乗れることを夢見ながら、おなじみfootballlab様のデータより23シーズンの名古屋を振り返って見ます。

ただ高いとこを気持ちよく走る24名古屋(イメージ)
ただ高いとこを気持ちよく走る24名古屋(イメージ)

チャンスビルディングポイント(CBP)

この記事ではfootballlab様のチャンスビルディングポイント(以下CBP)という指標を使わせて頂いているのでCBPについて説明します。私が理解した超絶ざっくりレベルなので正しく詳細を知りたい方は下記ページ参照ください。

【CBP説明ページ】https://www.football-lab.jp/pages/cb_point/

パス/クロス/ドリブルCBP:シュートに到達した際にそのチャンス構築に貢献したプレーに対し、ポイントを付与。シュートに繋がりやすくかつ相手に阻止されやすいプレーを成功させシュートに到達した場合ポイントが高くなる

シュートCBP:枠内へ飛ばしたシュートにポイント付与。こちらも成功率などにより変動

奪取ポイント:相手のプレーを阻止しボールを奪った際にポイント付与。相手プレーの失敗率に応じてポイント付与のため前で奪うほど高ポイント

守備ポイント:守備成功時に相手のプレーが成功しシュートに到達した際に付与されるポイントをそのまま付与。よりシュートに繋がりやすいプレーを阻止すると高ポイント

チームCBP

年間のチーム傾向

それでは23年チーム全体について見ていきます。

1. CBPのJ1平均・名古屋・神戸・横浜FM・広島の比較
1. CBPのJ1平均・名古屋・神戸・横浜FM・広島の比較

これは主要なCBPをチャートグラフにまとめたものです。23シーズン1試合当たりの各獲得CBPリーグ平均を1としてその比率をプロットしています。

名古屋とリーグ平均を見ると守備系CBPはほぼ平均、攻撃CBPがリーグ平均と比べもう少し物足りないように見えます。

上位3チームを見てみると、クロスをしっかりとチャンスに繋げている神戸、あらゆる展開の攻撃からチャンスを作る横浜FM、前で奪い、パスからしっかりとシュートを枠に飛ばしている広島といったところでしょうか(※値から読み取れるイメージで実際どうだったかまで確認はしておりませんあしからず)。

上位チームと名古屋を比べるとやはり攻撃面での物足りなさを感じる結果です。長谷川監督が「総得点が50点以上はないと優勝には届かない」と言った目標にも届かず(41点、優勝神戸は60点)。タイトルを狙うためには名古屋の攻撃とは、という色が出しきれていないシーズンといえるかもしれません。

マテウスショック?

はじめにでも触れたシーズン前後半の調子の差ですが、ご存知の通り時期的にはマテウス・カストロの移籍がドンピシャです。きっとマテウスの移籍前後で大きく獲得したCBPは下がっているのでしょう。ドン。

2. マテウス・カストロ移籍前後の比較
2. マテウス・カストロ移籍前後の比較

チーム平均を1として主要CBPをプロットしてみましたが、パスクロスはむしろ高くなっている、ドリブルもほぼ変わらない…。シュートの落ち込みと守備系CBPの低下が気になりますね…。攻撃についてもう少し細かく見てみます。

3. 試合ごとの攻撃CBPと選手内訳の推移
3. 試合ごとの攻撃CBPと選手内訳の推移

どう整理すれば良いかピンとこなかったので手抜きで生グラフ乗っけちゃいますが、各節毎の攻撃CBP(パス・クロス・ドリブルCBP合計値)獲得グラフです。前半戦はたしかにマテウス(緑)が目立つのですが、抜けたあとも、和泉(赤)、森島(紫)、河面(黄)などがポイントを稼ぐ事で総ポイントとしてはあまり変わっていないようです。

マテウスの個が圧倒的だったのは言わずもがなですが、マテウスが抜けようともそれぞれの選手が(マテウスのプレースタイル/役割をそのまま受け継ぐ意味でなく)穴埋めできていたのは見て取れます。

更に、上記で気になったマテウス移籍前後でのシュートがらみの指標を比較してみました。

4. マテウス・カストロ移籍前後のチャンス構築率・シュート数・シュート成功率・攻撃CBPの変化
4. マテウス・カストロ移籍前後のチャンス構築率・シュート数・シュート成功率・攻撃CBPの変化

うーん、大きく悪化している様に見えるのはシュート成功率。チャンス構築率やシュート本数、攻撃CBPがあまり変わってないことを考えると、同じ位置にボールが届いても出し方受け方が悪い、個人のシュート精度が悪くなった、おのれ朴一圭…などが考えられます。決定力の低下+前述の守備指標の悪化が後半の失速につながった可能性が見えてきました。このあたりの理由についてさらなる掘り下げをするには個々のプレーの解析が必要なため私には荷が重くどなたか有識者の方お願いします(コラ)。ということで後半戦の苦戦については単純にマテウスがーということだけでもなさそうです。これだ!!というのが見つかれば第2報でお伝えします。見つかればね(強調)。

各選手のCBP

ここからは各選手の活躍を見ていきます。

チームの1試合1選手あたりの獲得ポイント(チームの1試合当たり平均獲得ポイント/FP10人)を1とした時の各選手の比率をプロットしたグラフを用います。出場時間の少ない選手は1試合あたりで計算するとばらつきが非常に大きくなるので除外させていただいてます。伸びしろですね。

CB編

5. 各選手のCBP比較(CB編)
5. 各選手のCBP比較(CB編)

センターバック陣はやはり中谷&藤井。真ん中で相手のチャンスを潰す中谷、外で攻撃にも多く参加してパスやドリブルでもチャンスを演出する藤井。丸山、河面も守備ポイントでは申し分なく仕事をしています。河面はパスとクロスでの貢献度の高さもいいですね。

来季は中谷の移籍決と藤井海外濃厚(執筆現在)との事で守備の軸が抜けるのは相当に痛いですが、河面や今回は後ほどWB枠で出てくる野上、他ここに出てこなかった選手たちの成長奮起に期待したいですね。また新戦力も楽しみです。

WB編

6. 各選手のCBP比較(WB編)
6. 各選手のCBP比較(WB編)

パッと見て飛び込んでくるのが森下の圧倒的な攻撃への貢献です。果敢に仕掛けて多くのチャンスを作ってくれたのは印象通り。グラフ右側に目が行きがちですが守備面でもきっちり貢献しているのも見て取れます。ポーランドでも走り倒してこい森下。

野上はWBとCB併用のためグラフが丸まってしまっていますが守備での貢献は申し分ないですし、パスによるチャンス創出も出来ており頼もしい選手です。

和泉もさまざまなポジションで使われていますが、クロスにドリブルにうまさを見せてくれました。見てて1番「上手ぇ…」って言ったプレーがあったのは多分和泉。さすが名古屋一筋の生え抜きですネ。

出場時間が短くここには出ていませんがどうしても一言言わせてもらいたいのが印象的なプレー度は後半戦No1(僕調べ)の久保。CBPを計算するとクロス5.07、ドリブル3.17、シュート2.11と訳の分からない数値になりました。要は上記グラフからはみ出ます。来てくれてありがとーじろー。

MF編

7. 各選手のCBP比較(MF編)
7. 各選手のCBP比較(MF編)

目立つのはやっぱり稲米コンビ。我らがキャプテン稲垣は安定の奪取&代名詞ミドルシュートを体現するグラフ。人生で足を痙ったことがないとどこかで語っていた稲垣、流石です。

一方米本。こちらも無尽蔵のスタミナで稼いだ奪取ポイントとチーム随一のチャレンジングな刺すパスで大きく貢献してくれたのが数値にも表れています。

バランスよく攻守に貢献してくれた内田。まだ来季どうなるかわかりませんが稲米に割って入るのは君だ。と思う。

森島は前述のパスから多くチャンスを創出している広島からの移籍もあり戦術や選手間意識の感覚のズレに苦しんでいた様にも見えます。しかし、数値的にはシッカリと表れており攻撃に少なくないインパクトを与えてくれました。来季の攻撃の軸となることに期待したいです。

FW編

8. 各選手のCBP比較(FW編)
8. 各選手のCBP比較(FW編)

前項で失速はマテのせいだけじゃない?とは書いたものの衝撃のグラフ。なんじゃこれ。他ポジションのグラフ軸サイズとの兼ね合いではみ出て申し訳ございません。マテウスがいかに名古屋の攻撃を担っていたかがよく分かります。Mate-chan…お前だったのかいつもチャンスをくれたのは。

ユンカーは言うまでもなくエースストライカーでした。華麗なボールタッチ&ドリブルからの鬼の決定力。そしてイケメン。うっとりします。ネギいちラーメン三好本店で奢ってあげるから完全移籍はよ。

あとは永井。さすが名古屋一筋の生え抜きベテラン(2人目)。あらゆる数値で攻撃を牽引しつつ、FW陣内ではぴょこっととびでた奪取ポイントもチャームポイント。サボらない前プレ、素敵ですね。

一方で、少しさみしいグラフの酒井。ルヴァン得点王を自信にしてしっかり怪我を直してさらなる活躍を期待してます。

出てきていない組としては確実に大器である貴田、トップフォームまでもう少しと思えるとこまで来た前田、前線で体を張ってくれた中島など個別に光るものはあったのですが、名古屋の誇った三本槍に比べるともう少し魅せられなかったのが実際かなと思います。来季に向け早く契約して(超重要)準備を進めてほしいものです。

さいごに

1番大事なところを投げっぱなした気もしますが、CBPを用いて23年シーズンを振り返って見ました。夏も今も移籍関係のコークスクリューで頭グワングワンですが、来季は名古屋を選んでくれた監督選手スタッフたちと、より良い成績、より良いスタッツ、より良い盛り上がりとなることを信じて本記事を締めくくりたいと思います。あ、感想ご意見ご考察いただけるとぼくがよろこびます。では、良いお年を!!

おまけ

このまとめ方するといつもGKが出てきませんがミッチやたけちん達最後の砦を務めるGK陣には感謝しかないです。神、いわゆるゴッド。それでは。

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