忍者「どうも忍者です」
記者「どうも記者です」
忍「勝ったでござるー(∩´∀`)∩」
記「良い勝利でした。本当に良い勝利でした」
忍「今年のリーグ前半戦でやられた借りを返せたでござる」
記「良い試合に御託はいりませんよね。順番に振り返っていきましょう」
ポジション名 | 名古屋グランパス | 川崎フロンターレ |
GK(ゴールキーパー) | ランゲラック | チョン ソンリョン |
CB(センターバック) | 三國(みくに)ケネディ・河面(かわづら) | 高井・佐々木 |
SB(サイドバック) | 内田・徳元(とくもと) | 三浦・橘田(たちばなだ) |
WB(ウイングバック) | ー | ー |
CMF(セントラルMF・ボランチ・センター) | 椎橋(しいはし)・稲垣 | 大島・河原 |
IH(インサイドハーフ)・シャドー | ー | ー |
SH(サイドハーフ)・WG(ウイング) | 野上(のがみ)・森島 | マルシーニョ・家長(いえなが) |
FW(フォワード) | 和泉・永井 | 遠野・山田新 |
忍「スタメンはなんと水曜日と全く同じでござった」
記「FWやWBはターンオーバーしてくるかと思いましたが、驚きましたね」
忍「さて、ここ最近ずーっとのキーワードであるところの『強度』的に大丈夫かと思ったものでござるが、そもそも川崎さんはACLアウェーを戦ってきたわけなので、先方にターンオーバーがあるとしてもホーム連戦の自分たちが強度で負けるわけには行かない! という監督の思いがあったのかもしれぬ」
記「コンディション的には間違いなくこちらが有利でしたね」
忍「ピッチに目を向けると、まずは先方の勢いというか前への圧力が感じられた」
記「なんかセカンドボールをビシビシ回収されてしまってヤバい感じでしたねえ」
忍「前節からのグランパス守備、マンツーマンで前プレしつつ、第1プレッシャーラインを越えられたら前線3枚が気合のプレスバック! というのが要点だったわけでござるが」
【用語解説】サッカーにおける「第1プレッシャーライン」とは、相手側センターバックが自由にプレーをできないように、あるいはボールを奪うために相手に近寄る(=プレスをかける)複数のFWの選手たちの間に線を引いたものです。
単独の選手でプレスをかけるのに比べて、複数の選手でプレスをかけることが効果的なことから、その複数の選手で作る「ボールを奪う網」のようなものを「第1プレッシャーライン」と呼びます。
名古屋グランパスで言えば、この日は第1プレッシャーラインは森島・永井か、和泉・永井のいずれかで作っていました。
第2プレッシャーラインというのは余り言葉で表現されることはありませんが、名古屋で言えば稲垣・椎橋・第1プレッシャーラインに加わらなかった和泉 or 森島に、ボールサイドのWB(徳元か野上)で構成されます
今のグランパスのサッカーでは、第1プレッシャーラインでできるだけ相手を自由にさせないことが大事になってきます
記「あんまりプレスバックしてこなかったですね、立ち上がりは」
【用語解説】サッカーの「プレスバック」とは、前線の選手が相手チームのボールホルダーに対して、自陣に戻りながらプレッシャーをかける守備戦術のことです。具体的には、ボールを奪いに行く「プレス」と、戻ることを意味する「バック」が組み合わさった造語です。
プレスバックを行うことで、相手を挟み込み、数的有利な状況を作りやすくなり、相手に後方からプレッシャーをかけることでボールを奪いやすくなります。
忍「理由はわからぬ。恐らくだが、パスコースの制限がうまくいっていて先方に可能性の低いパスを出させるところまでは上手くいっていたので、カウンターのために前残りしていたのかも」
記「そこで残ってる前線に対して、奪ったボールをビシッと届けてあげられればよかったのですが」
忍「それができなかった。恐らくだがダイレクトパスを狙ったボールが中途半端になったり、そもそも守備陣も余裕のないはね返しになったりしていたでござる故」
記「結果としては前線がプレスバックしてこないので中盤で数的優位を作られてセカンドボールを回収されまくりました」
忍「そのまま決定機も作られたし、あれを決められていたらそのまま押し切られた可能性もあったかと思うでござる」
記「2019-2021年あたりの恐るべき最強川崎ならそのままヤられてたんだろうなあ、という感じはありました」
忍「しかし今はそうではない。もちろん運もあるもののグランパス守備陣も最後はなんとか踏ん張ったでござる」
もちろん今の川崎の選手も好選手が揃っているし、今日の結果も逆になっていてもおかしくない相手だった。
ただレアンドロ・ダミアン、小林悠、家長、旗手怜央、三笘薫、中村憲剛、谷口彰悟、ジェジエウが同一チームにいた、というのは本当にトラウマレベルだったのは確かだ
記「そして10分なんとか耐えました」
忍「明確に試合の分岐点になったのはオフサイドだった幻の永井ゴール。より正確に言うとその起点となった、落ちてきた和泉のボールキープ」
記「どういうことでしょうか」
忍「先方の攻撃を跳ね返せてはいたもののボールキープできていなかったグランパス、そこで見るに見かねて仕方なく和泉が落ちてきたのだと思うのでござるが」
記「はい」
忍「防いだあとにボールを落ち着かせて、椎橋を筆頭に徳元や野上が前向きにボールを持てれば、必殺の永井スーパーエクスプレスが発車するので」
記「なるほど。しかし結果的にはオフサイドになりましたが」
忍「それ以来、明らかに相手DFラインの出足が鈍ったでござる」
記「つまり先方に恐怖を与えたと」
忍「そこが順位にも出ている点というか、やっぱり先方からは何とも言えない自信の無さを感じずにはいられなかったでござる」
記「決してよそ様のことをどうこう言えるような勝点・順位でもないですが、何とも切ない感じではありました」
忍「話を戻そう。グランパスの前線守備自体はそれなりに機能していて、横・斜めのパスを引っ掛けられたりロングボールを跳ね返されていたわけで、相手にボールが渡っちゃったら永井に走られる! というのはシンプルに怖いでござるよな」
記「先制点もそういう感じでしたよね。グランパスの方でボールが落ち着いて永井が走る! という」
忍「最近のJリーグの副審、基本的にああいう局面ではオフサイドディレイで旗を揚げないので、フラッグがあがったからにはオフサイドかなと思ったでござるよな」
記「もしくは副審としてはハンドアピールだったのかもしれませんが、とにかく選手たちもそんな雰囲気でなんか全体的に『停止』しましたよね、一瞬」
忍「唯一、永井だけが笛吹かれてないんだからとプレーを止めていなかった。そもそも永井は副審を見てなかったでござろうし」
記「シュートは素晴らしかったですが、そもそも遠野の緩い対応だったり名手チョン・ソンリョンのらしくないポジショニングだったりと、不思議な光景でした」
忍「『主審が止めるまではプレーを止めない』という当たり前の基本の怖さを見せつけられた感じだったでござる」
記「それ以後はどうだったでしょうか」
忍「基本的にマンツーマンで守備をするグランパス、それを混乱させるためには『高速コンビネーションによりマークの受け渡し不備をおこさせる』『大きなポジションチェンジでそもそもマンマーカーを曖昧にする』もしくは『フォーメーションチェンジ』といったあたりが常套手段でござる」
記「家長あたりが速攻で逆サイドに出張ってきて様子を見たりしていましたね」
忍「しかしそこに連動する選手はあまり見当たらなかったし、スローな展開から一気にスピードを上げられる大島は怖かったが決定機とはならず」
記「前半はそんな感じとして、後半はどうだったでしょうか」
忍「こまかな点はおいといて、ぶっちゃけあんま変わらなかったでござる」
記「あら」
忍「違いが生まれたのはグランパスの追加点後で、先方の交代でツートップ化してからしばらく中盤をどこで捕まえるのか明らかにちょっとグランパス選手陣が困っていた」
記「めっちゃ押し込まれましたよね」
忍「で、こちらも倍井と菊地投入で前線の強度を取り戻して押し返そうぜ! という流れからのファンウェルメスケルケン際の割と絶句する退場でござった」
記「ちょっと厳しいというか、通常のJ審判ならあそこで2枚目を出すのはかなり躊躇うというか出さないような気がしました。偏見かもですが」
忍「わからないが、少なくともイエローを1枚貰ってる選手がやるファールではないでござる。これで試合の趨勢は決まった」
記「コンディション差と運は正直あったかと思いますが、それでも今日はグランパスの完勝でした」
この試合の良かったところ
- やはり和泉……和泉は全てを解決する!(てか実は和泉偽9番で永井ツカサのツーシャドーとかそういう大事なことは教えて欲しいぜ長谷川健太監督)
- 永井さんは文句なし。発射台としての椎橋(と主にツカサと徳元)とのコンビも合ってきましたね。いやー永井大作戦はそればっかじゃ困るわけですが、永井のグランパス復帰以来ずーっと「何でこの展開で永井の奥にパス出さないの……?」と首をかしげることがめちゃ多かったので、使える武器はちゃんとまず使おうぜっての本当に大事だと思うんですよね
- 60分過ぎに露骨に脚が止まっていたものの野上さんも出色の出来。やっぱ大外からPAに飛び込んでこれる馬力とフィジカルのあるサイドは大事っすわ
- さりげなくずーっとフル出場を続けている椎橋・稲垣、もっともっと誉められるべき
- 最初こそ山田との間合いに戸惑っていた雰囲気だったものの割とすぐに対応した三國に成長を感じましたね。あと内田と河面も守備はよく頑張りました
- 徳元フィットし過ぎオフでの買い取り最優先事項。
この試合の(´ε`;)ウーン…
- 特に立ち上がり、先方の出来が良ければあのままヤられていた感はあり、まだまだ改善の余地があるなって感じでしたね
- 3歩進んで2.5歩下がる倍井(ただし0.5歩は進んでいると確かに感じさせられるのでmore頑張れ超がんばれ)
- 内田と河面それぞれ攻撃時にかなりものすごいやらかしをやりかけたので三好ケ丘の第二駐車場でちょっと反省してください
- 敵ながら大島の怪我は本当に残念(コンディションさえよければ日本一上手い選手だと思ってるので)。どうか軽傷でありますように。
最後に
忍「川崎さんとの通算対戦成績はかなり悪いし、2021年のガチトラウマな敗戦もあったので、なんか川崎さん相手に苦手意識のあるファミリーも多いのではなかろうか」
記「でも、『下から目線』はもう捨てましょう」
忍「リスペクトは持ちつつも、しっかり倒すべき相手として」
記「次の対戦が楽しみですね」
忍「おあとがよろしいようで」
記「それではまた次の記事でお会いいたしましょう」
忍「ニンニン」