前半戦は３－１で折り返し。

対名古屋と対マリノスの差を振り返る。

試合情報

大局と選択

構造的には難しい試合ではあった。

4バックvs3トップの噛み合わせに加えて、永戸が内側に絞る最終ライン。マリノスは後ろ6枚のビルドアップ部隊で名古屋のプレスを捌く算段だった。

噛み合わせをずらせた部分は予定通りだったかもしれない。マリノスの誤算は名古屋の守備の比重の切り替えの割り切り。

永戸が絞る事や、西村がトップ下にいる状況を早く作った事（中盤の数的優位）で彼らが使う2ボランチ周りを前3枚とセンター2枚で囲む選択を取る。

2ボランチの囲みを選択してミドルスペースを狭くする事で内側に立つ受け手を消す事ができた。

それに対してマリノスは永戸を内→外に動かして名古屋の守備部隊を釣り出して斜めに刺し込んで行く形を取る場面も。（09:20〜）

名古屋は守備の“比重”（方法）を変えたが、場所は変わらなかった。（構える方法を前で取る。）

2ボランチ周りの圧縮を5枚でする代わりに圧縮を作ったエリアの裏は比較的に個人に頼る形になる。ウイング対内田、徳元や三國対アンデルソンで負けなかった

アンデルソンが前半20分からセンター裏に降りるようになる。このタイミングからアンデルソンも三國のコンタクトしてくるタイミングを掴んできた。

失点の場面はこの人の外し方の延長だった。

対策と変更

時間が経つに連れて、マリノスは永戸対野上のマッチアップを外す為にエウベル対内田に長いボールを入れ始める。

この形を作り始めると野上が押し込まれ始めた。

展開が変わる配置に対して名古屋はIHが完全に引き切る532に変更。3-2でボランチを囲んでた形を2-3にする。

前線を減らした分、松原が持ち上がるような形が防げなくなるリスクはあった。しかし、永戸がビルドアップでイレギュラーに立つ偏重型をとるマリノスに取って、逃げ先を松原に設定して松原が持ち上がるところまでマリノスもリスクを取れなかった。

松原のラインの低さとヤン・マテウスのラインの高さという広いスペースを徳元、河面で止めることができた事で間違いなくチームは助けられた。

重要視しない局面の差

名古屋の攻めやすさはマリノスの4231のSHとSBの関係性にあった。

マリノスのSHとSBが名古屋のサイドのユニット（CB&WB&IH）に対してどういう制限をかけたいのか？が分かり辛い状況だった。

SHのメッセージが曖昧な分、永戸や松原は相手を見る前に味方の意図を汲み取る必要が出てくるので後手に回ったり、構える選択しか取れない。

3点目を取った直後、実況と解説が「俺たちのサッカー以外の部分の質」の話題を上げたが、マリノスの4局面の偏重がこちらから見ると目立って見えた。

試合雑感

• ここ数年、対マリノスはSB周りの攻略がポイントになっている。
• 523のフレックスから532の構えに変えた1枚の上下だけに見える変更。ここを状況に応じて変化をつけれるようになった部分は林さんも褒めていた部分。
• ここ数試合構える選択も基準が前になる事でようやく前に速く。も意味が出るようになった。取り所を考える守備から始まってたどり着いた“スタートさせない”構え方。やられない構え方とは違う自分達のスタイル。

さいごに

数的優位をつくる方法は豊富にあるマリノス。対名古屋仕様にする後半戦が勝負。