4節を終えて「どのチームと一緒に苦しんでいこう」なんて数えてしまいそうになる。意外と苦しんでるチームも多い事を知って胸を撫で下ろしたりなんかして。
試合情報
町田はユニットを大きく分け、ビルドアップ部隊とそれ以外の約束がはっきりしているような雰囲気。下田より後ろで人を引っ張って、前線は逆に押し込む。昨シーズンからどこまで精度が上がるかがポイントなのだろうか。一方で名古屋は、今シーズン前後の分断を避けて繋がりを強めたいという新しい目標へ。町田は磨き上げ、名古屋は積み上げといった様にお互い同じ形(3421)でも叩く鉄は違う。
想定外の受け
試合後の選手インタビューでもどの選手も口酸っぱく発言していた「前半途中まで当たれなかった」部分は振り返る必要がある。
健太さんはまだ川崎戦の尾を引いている感があるといっていたが、そう言いたくなる気持ちは分かる。失点までの名古屋の非保持の形の噛み合わせの悪さから自分達の守りの形の出鼻をくじかれた感が強い。
お互い3421同士なので、
- 前線3枚とCBをかみ合わせるのか?
- それとも相手の3列目の選手(センター、ボランチ)を基準にスペースを制御しながらスタートするのか?
の2択になる。
机上では同数のマッチアップとなった。
しかし、実際は町田のビルドアップ部隊の最終ライン4枚+CMF(おおよそ下田)を作る事で名古屋の前線3枚がプレスに行き辛い形を作った。
ビルドアップ4枚+下田になった時点で名古屋は下田対CMFの設定を続ける訳だが(11:26~)、この設定に対して前線の守備の設定がズレていた感が否めない。
町田の最終ラインが4枚振る舞いをされるから「構えよう」となった状況にも拘らず、町田のやり直しに出て行ってしまうと構えた所から遅れてスペースを作る事になる。
CMF対下田の軸がある限り、名古屋のCMFは底(下田)に出ていくのでCMF裏は空く。そのスペースに前と相馬が顔を出す。すると稲垣と椎橋の周りに下田、前、相馬がアプローチしてくる形になる。
その上で、稲垣と椎橋は自チームのIHとのマークの受け渡し(IHがいつ守備に出ていくのか?)にも注視しなければいけない。これはかなり負荷が高かっただろう。
その負荷がしっかり出てしまったのが12分の失点。
下田をサイドに追い出した事で、この試合始めてプレスのかけ所となり、永井と森島がプレスをかけた。
森島が剥がされたのがすべてではあったが、下田がサイドに捌けた事で対下田を担当していた選手が瞬間的に緩くなった。(ポジションに戻るまではマークがいない)
ビルドアップの設計として「名古屋のCMFを一人引っ張り続ける」という部分を理解して椎橋を引っ張って来た 前 とそこに顔を出した下田で決着だった。
この後も中央から逃げて受ける下田が見られる。
同数なら腹括ってプレスに行かんかい。という気持ちも分からなくは無いが、徳元のサイドは西村が宮と徳元の間から大外へアプローチする形を見せていて、それが林に当たりづらくさせた。(状況によってはドレシェビッチがそとに張り出して林を押し込む方法も)
右サイドでは相馬の受け渡しが曖昧であるがゆえに、野上対中山もチェックが遅れるので腹括ってプレスは難しかった。
ただ、佐藤が試合後インタビューで途中から顔出す相馬にもしっかり付くように言われて修正した。とあった通り、失点後から守備の軸をどこに置くのか?が多少明確になった。
手詰まりの解決
何かと話題になる「持ちながら相手のゴールに迫るには」という話。一歩ずつ形は見えるようにはなって来ている。この試合であれば森島と椎橋が前節までの課題を解決するために奔走した。
分かりやすいのは27分からの流れ、
手詰まりでやり直した時の森島と椎橋の動きに注目して欲しい。
稲垣がセンターに戻る前に椎橋と森島が中央に侵入する。
町田の先制点と形は似ていて、椎橋が下田を引っ張って森島は居ない所から顔を出す。
サイドからのやり直しで、スライドしてプレスしてくる町田の裏側を取る形。
後半から目立ったのは、稲垣が中央にいれば最終ラインに吸収されて町田にやられたような4枚を作ってプレスしづらい形を作る部分。
27分のような展開とも相まって稲垣の動きを軸に無理やり形を決める荒業感は否めないが、ビルドアップが安定する最適解の雰囲気はあった。ただ、あまりにも2人の負担が大きそうなのが今後どうなるか?
(約束ではなくて人のアドリブに対応して動きを変え続ける事は、疲労とともに遅れが大きくなる。)
つぶやき
- ハーフタイム映像を使って修正した。というインタビューの通り後半椎橋の立ち方とかに変化がついたので相手を返す手段は分かってるはずなので、神戸戦や今回のように変に出鼻をくじかれない事が大事。これは昨シーズンから言ってる。
- 毎節、一つ二つ「決めたことと違う!」みたいなポイントでミスが出たり失点につながってるように見えるのが何とも勝てない焦りみたいなのは選手からも感じる。