名古屋グランパスはアウェー松本の地へ乗り込み、松本山雅との試合を迎える。松本山雅と言えば、今年の13節・ホーム豊田スタジアムで、スタッツ上では圧倒していたのに0-1で負けた試合は悪い意味で印象深かった。
数字を見る限りでは、10試合やったらグランパスの7勝2分1敗くらいに落ち着きそうな感じなんだけど、それでも負けてしまったんだからサッカーは面白いクソックソッ………。
反町・山雅がやってきそうなこと
松本山雅の監督は、Jリーグファンの間でその手腕を褒められ、貶され、恐れられ、『陰険メガネ』と呼ばれる反町康治さんだ。対戦相手への対策を徹底し、相手の良いところを消して勝とうとするそのサッカーは『ソリサッカー』と呼ばれている。では、山雅はグランパス相手に何をやってくるだろうか?
その1.とにかくSB裏へロングボールで中央を手薄に
今節も基本的にはグランパスが押し込む展開になると予想される。
対する山雅はまずは5-4ブロックで中央を締め、グランパスに押し込まれた状態からボールを奪い、両SB裏へのロングボールを狙ってくるのではないか。
これをやられると、CBまたはSBがサイドに引っ張られるため、必然的に中央が薄くなってしまう。
完璧に遂行されてしまっては、そもそもスペースがある以上、防ぐのは難しい。今のグランパス的には『そもそも蹴らせない』か『蹴られても競り勝つ』に期待したいところだ。
その2.中央裏へのロングボールでライン間のスペースを広げる
SB裏だけでなく、中央への攻撃も予想してみよう。
これでDFラインが下げられると、後ろへの撤退スピードがそれほど早いわけではないシミッチとネットと、DFラインとの間にどうしてもスペースが発生してしまう。
これも、完璧にやられてしまっては防ぐのはなかなか難しい。最後はミッチに祈る展開が何回か発生してしまうかもしれない。
グランパスはどうすべきか?
構造上、相手を押し込むとは前がかりになるとイコールで、後ろが薄くなるのは本当に仕方ない。であれば、『つまらない(=相手にとってカウンターをしやすい)ボールロストをしない』『決めきる』が重要だ。
山雅は22試合終了時点で勝点19(4勝7分11敗)。得点はわずか12でぶっちぎりJ1最小。対して失点は27で、J1の7位。とにかく最少失点で耐え、ワンチャンスを仕留められれば引き分け・勝ちを拾える、そんなチームと言える。
グランパスとしては、2点取れれば勝利がグッと近づく(山雅は1試合平均0.56点しか得点できていないから)ので、
- 主導権を握る(できなきゃ話が始まらない)
- つまらないボールロストをしない(大事)
- 決めきる(最重要)
を完遂できれば自ずと勝利は近付いてくるだろう。
鍵は太田と中谷が握っている、かも
そうは言っても5-4ブロックで中央を固められると、ゴールを奪うのはなかなか難しい。山雅はグランパスと違って引きこもって耐える展開にも慣れている。
期待したいのは太田と中谷。太田はスタメンなのかサブなのかわからないが、相手のブロックの外から高精度のクロスをジョーに合わせてしまえば、どれだけブロックが硬くても得点できる。ブロックが硬いならその外側から殴れば良い。
中谷については、相手が前から奪いに来ないならという前提で、CBの持ち上がりは攻撃をとても助ける。あわよくば前節・川崎戦の2点目のように、中谷の持ち上がりで相手のプレスを剥がし、ズレを生めたらそのまま決定機なんてこともあるかもしれない。
熱い勝利に、期待したい。