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ゼロトップの罠 2020年J1リーグ第30節大分トリニータ戦ゆってぃのレビュー #grampus #trinita

名古屋式ゼロトップ。3試合目にしてきちんと宿題を出してくれる相手との対戦となり、その宿題は試合中にに解くことはできなかった。また一つ名古屋が強くなる為に乗り越えなければいけない壁が見え隠れした大分戦。整理していく。

配置

名古屋は前節と同じ442。大分は基本的には3421で、撤退して構えるときは532のような形も取った。両チームのスターティングメンバー

大分のプレスと名古屋のゼロトップ

大分は名古屋の後ろ向きでボールを受ける選手に徹底してプレッシャーをかける。最終ラインからのビルド時でも、ボールを引き出そうとするシャビエルや阿部に対しても。大分のファウルの数も名古屋の倍以上だった。

(参照元:https://www.sofascore.com/team/football/nagoya-grampus-eight/3136)

選手が前を向いて前進する準備の段階で芽を摘むプレスに名古屋は苦労した。

名古屋の苦しんだ大分のプレッシング

ただし、大分の選手のボールの予測が名古屋の後ろ向きで受ける選手から自分の背後にボールが行くという発想は無かった為、シャビエルが密集の中を相手を背負いながら鋭角に出したり、マテウスが受ける瞬間にターンして前を向く行動に耐性はなかったように見えた。

名古屋グランパスの崩しのシーン

耐性がないといっても「個人の能力のみ」で打開される限りなく可能性が最初から低い状況に対してであり、大分としては相手のチームとして作り上げたモノを機能させなくして、無理矢理リスクを負わせようという理想の展開に持ち込めた。

名古屋は最終ラインからロングボールを蹴るしかなかったが、ロングボールを蹴る前にボランチを餌に相手をスライドさせれるシーンはあったので、最終ラインがロングボールではなくボランチを飛ばしてパスが地上で届けられればと悔やむばかり。もう少しチャレンジしても良かったかもしれない(シミッチを居れば解決したやん。という声は押し殺して…)

勝つ為に‥

後半から前半よりも稲垣をプレスに参加させる回数が明らかに増えた。が、その分稲垣の裏にスペースが出来始め、中盤中央からボールを運ばれる展開になってしまった。名古屋の悪い癖「プレス部隊と構える部隊の距離が空く」が顕著に出てしまった。
グランパスの陥った罠

ゼロトップの罠

前線の4人が常に残りの3人の動きを想定し、利他的に動くことで相手の裏をかくことができるが、点を取らなければいけない状況の時にそれが出来るかが最大のポイントである。

82分のシーン。吉田から中央でボールを受けに降りたマテウスにボランチを飛ばしてパスが出る。大分が構える時間がなかった為に、最終ラインは整理されておらずマテウスから相馬にボールが渡り吉田のオーバーラップに引っ張られた大分の最終ラインに大きな隙間が空く。前田は相馬のワンタッチ目でボールを欲しかったのか、展開したマテウスにサイド走りこんできて欲しかったのか、隙間で受けたかったのかわからないが、スペースから遠ざかっていく。

前田直輝の受けたい場所

しかし、マテウスは展開した後スプリントせずランニングに切り替えて侵入経路も変えており、次にDAZNの画面に映った時は相馬のフォローに回っている。(ほぼセンターサークルで展開した為、マテウスに最速スプリントで入ってこい。という想定は酷。)

そして相馬のパスを出す準備に対して前田が要求したのはディフェンダーが構えている自分の背後。相馬はスペースで受けてほしい動きをする。なぜ最後まで動き直さなかったのかは分からないが、恐らく点で合わせる怖さ(合わないと取られやすい)と得点を取らないといけない状況で自分の良さが活きる状況を作り出したかったのだろう。

前田直輝と相馬勇紀の意図のミスマッチ

例に挙げやすい為、今回は前田のシーンを取り上げたが、他のシーンでも「自分の良さをいかに活かすか。」を考えすぎる結果、他の選手も攻撃の歯車合わない場面があった。ゼロトップというシステムは自分の歯車を周りと合わせながら自分の良さを出す。とてつもなく難しい事なのだ。

自分の歯車を回してほしかったら、味方の歯車を回すのを率先してやるのが一番手っ取り早いのだ。

まとめ

失点数はガンバと同じリーグ6位、得点数は下から3番目という、リスクを負わずに相手が勝ちに来たところに一撃くらわすという名古屋が今一番当たりたくないチームと当たってしまった。それに加えて相手のいいところを消す研究をしてきた大分が一枚上手だったかもしれない。守護神と今までの根性守備が効いた試合だっだ。

来季どうなるかわからないが今ピッチにいる選手のレベルアップには最適な宿題を大分が出してくれた。

寝ても覚めてもシミッチの起用法は右ストレートをぶっ放したくなるような使い方だが、サポーターにはどうしようもない。歯がゆい事である。

良かった所

  • 負けなかった
  • 相手に厳しいチェックをされても怪我人が出なかった。

心配な所

  • 阿部、シャビエルが抜けると「利他的に率先して動くことが得意」な選手が減ってしまう事

最後に

我慢比べのような試合。さよならが近づくパロマ瑞穂スタジアムが「昔、僕のピッチでこんな試合もあったよね」とアルバムから写真を引っ張り出して来たように見えた。

瑞穂でもらった宿題を柏戦で返して、最後の瑞穂の試合で最高の一枚を飾ってあげよう。

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