3人目の加入選手!どんな選手なのか気になりますよね。その長澤和輝選手を特集します!
名古屋に現れた3人目の武闘派:長澤和輝(ながさわ・かずき)
長澤和輝選手のプロフィール
長澤和輝選手は1991年生まれの29歳。千葉県市原市(ジェフ千葉のホームタウン)出身で、八千代高校出身です。最近はあまり選手権にも出場していませんが、千葉県内では古豪とも言えるチームです。プロとしては鹿島アントラーズの永戸勝也選手やジェフ千葉の米倉恒貴選手、柏レイソルの山崎亮平選手などがOBにいます。あと関塚隆さんもOBですね。
大学は専修大学に進み、一年生からレギュラーとして活躍し、全日本大学選手権優勝、2年時から関東大学サッカーリーグ戦3連覇を達成しています。専修大学体育会サッカー部黄金時代を築き上げたメンバーと言えるでしょう。関東1部リーグ通算は、62試合38得点。4年時は主将を務めました。
このゴールの前にボールを受けて、ラストパスを入れているのが長澤和輝です。すごいボールキープですね!
卒業後は直接ドイツに渡り、2部ケルンで主力として活躍、2018年6月までの契約延長を勝ち取りました。
ただ、残念ながら2014年に左膝靱帯断裂の重傷を負ってしまい、その影響もあって2015年12月に浦和レッズに移籍、すぐにジェフ千葉にレンタル移籍して1シーズンを闘いました。2016年シーズンはジェフ千葉の中心選手として活躍しました。
2017シーズンからは浦和レッズに復帰。4シーズンを浦和レッズで過ごします。
https://www.youtube.com/watch?v=5ddIJ0e2WFA
ACL男として知られ、2017年のACL優勝、2019年のACL準優勝に大きく貢献しました。
長澤和輝選手の素顔
長澤和輝選手は、上でも書いたように大学から直接ドイツでプロになった選手で、ほかの人がいままでやらなかったことを実現した人です。
まず、「勝負に対するこだわり」がとても強い選手であることが挙げられます。
ドイツ時代を振り返って長澤和輝選手はこう語ります。
「全然違う環境で、育成カリキュラムだった。ドイツサッカーを1週間、2週間の単位でなくて、何年もかけて勉強する。ドイツは、長い年月をかけてサッカーが育まれている。僕は、2年間だったけど全然サッカーが違うと思った。プレッシャーの掛け方ひとつもそうだし、選手の能力などの違いも凄く感じた。勝負に対するメンタリティーは凄い。練習から絶対に負けないというところはある」
引用元: https://www.urawa-football.com/post/28420/
そこで磨かれた勝負へのこだわりは彼をプレーに駆り立てる原動力になっています。
また、知識欲とチャレンジ精神も旺盛で、2019年4月から早稲田大学大学院のスポーツ科学研究科でスポーツビジネスも学んでいます。
「勉強することってすごく大事だと思っていて。それこそ海外で文化に触れたり、言葉を勉強したり、人に会うことも勉強になる。それを少しずつでもアウトプットしていかないといけないなと感じています。(チーム内で)上の年齢になって、若い選手たちにどんなことが伝えられるかを考えるようにもなってきた。海外での経験、浦和での経験……。若い彼らがインスパイアされたり、『その言葉があったから頑張れた』というような何かを伝えられたら。それが論文のテーマでもあるんですけどね」
引用元: https://news.line.me/issue/oa-urawaredsnews/20931f6f1fc0 飯尾篤史さんの記事
インタビューにもあるようにアウトプットすることにもこだわっている。
noteというメディアをつかって、自分なりの発信を続けているのもその現れだと考えていいでしょう。noteは是非一度読んでいただくと良いでしょう。
https://note.com/nagasaman1216
長澤和輝選手のプレーの特徴
長澤和輝選手は今年7月から9月までは右サイドハーフとして出場、10月4日のグランパス戦以降はセントラルMFセンターバックで12試合、セントラルMFで9試合先発しています。
Football-labのデータから参照してみましょう。
それぞれの数値で、シミッチ、米本拓司、稲垣祥、木本恭生、長澤和輝の5人を比較し、指数でトップの値を持つ選手に色づけしています。
ぱっと見て、長澤和輝がトップなのはワンタッチシュートのみ。
米本拓司や稲垣祥とはタイプが違う?
今年使われていた米本拓司や稲垣祥はカバーエリアがめちゃめちゃ広く、ボール奪取力が高く、守備がちゃんとできて、ビルドアップもそこそこできる、というのが特徴です。逆を言うとそれ以外のスキルはあまり重視していなかったと考えられます。
一方で、トータルの実力で圧倒しているのがシミッチ。高さと守備で言うならば木本恭生、ということになります。
ではなんで長澤和輝を獲得したのか
今年のセントラルMFの使い方からすれば、長澤和輝はまったく必要がない、今年なら使われないだろうという選手であることがわかります。ではなぜ長澤和輝を獲得したのでしょうか。
長澤和輝の今年唯一のゴールを見て貰いましょう。
2020年10月18日のベガルタ仙台戦。興梠慎三のポストに汰木康也が飛び出してヒールで出したところを長澤和輝が決めます。
ここで気づくのは、セントラルMFである長澤和輝が、ペナルティエリアどころかゴールエリア内まで詰めているということです。
(引用元:サッカーのゴールが入ったかどうか判定のルール!ラインの太さは何センチ?【ロシアワールドカップ】 )
皆さんがそれぞれ思い出して欲しいのですが、似たようなシーンで、米本拓司・稲垣祥・シミッチがどこにいるでしょうか。
シミッチや稲垣祥は間違いなくペナルティエリア外にいます。稲垣祥は虎視眈々とこぼれてきたボールをミドルシュートすることを狙ってるでしょうし、シミッチはボールのこぼれてくるであろう位置に動き直しているはずです。米本拓司ならば奪われた場合のパスコースを消しに行き、パスが貰える位置を探しているはずです。
そう「ペナルティエリアの中に侵入して、ウィングプレーヤーをサポートしようとする人材がいない」のです。ここに不満を持っていた人、いませんか?少なくとも私は不満でした。そこを解消しなければなりません。
長澤和輝が今季課せられていたミッションはこうです。
「真ん中のポジションに関しては、守備のところでしっかりとボールを奪いにいく、攻撃のところでしっかりとボールを握って攻撃のスタートのパスを出していける。あとは、ドンドンと前に攻撃参加していけるところを見せていければ良い」
引用元:長澤和輝がチーム再開後に大槻監督から新たに任された2つポジションとは【こぼれ話】
そう、積極的な攻撃参加です。
数値では優れるシミッチが、どこかゲームメーカーとして自分で崩しにいかないところが残念なのに対して、自分で持ち上がっていくことができる。これが長澤和輝の強みです。
膝の重傷の影響で、以前よりもスピードはありません。しかしドリブルは健在ですし、ボールコントロールも巧みです。センターサークル付近でボールを受け、そこからプレーを開始する機会が多いタイプなので、パスを出してスルスルっとペナルティエリアのなかに侵入していく姿が今年も見れるはずです。
手詰まりになった後半、攻めの一手があれば変えられたゲーム展開があったはず。長澤和輝選手のプレーに期待しましょう。