出オチです!
今オフのグランパス、所謂「大物選手」を獲得しておらず、なーんとなく「お金厳しいんじゃない?」という肌感覚を皆さんお持ちじゃないでしょうか。
そういうときに感覚でテキトーなことを言いまくってるとだいたい後で恥ずかしい思いをすることになるし(実体験)、他人との揉め事に発展したりもするのです(実体験)。
というわけで制度と数字から考えてみよう! ちなみに考えるのは僕なので皆さんは何も考えずに読めばわかります! なお、最初に断っておきますが、一部情報のソースが「見ればわかるテキトーな推定年俸サイト」のため、推測過程および結論が実態とかけ離れてる可能性ありです! すまん!
この記事の要点
- グランパス、多分、人件費を計画的に削減しようとしている
- 降格に至った2016ルートとは選手補強状況が異なる
- 本当にうまくいくかどうかなんて誰にもわかりゃしない
- いちファミリーがやれることは応援だけ!
グランパスの財務状況
細かい話ができるほど会計に関する知識が無いし、お読みの皆さんもほとんどの方が興味ないだろうから、超ザックリこんな感じです! https://aboutj.jleague.jp/corporate/management/club/
- 2019シーズンも2020シーズンも赤字
- 仮に、2021シーズンも前年と同じくらいの赤字だとすると「3年連続赤字」かつ「債務超過」に陥る見込み
- それなのに2021シーズンの選手年俸総額は2020シーズンより上がっていると推測される
- 2022シーズンからは財務状況を立て直さないとヤバい
クラブライセンスと特例措置
仮定の話として、2021シーズンも赤字だと「3年連続赤字」となり、「債務超過」となる可能性があります。これらは、本来ではJクラブライセンスの剥奪対象ですが、2021シーズン現在では新型コロナウイルスに関する特例措置により剥奪対象となりません。
※グランパスの2021シーズンは2022年1月31日締
https://aboutj.jleague.jp/corporate/release/24748/
この特例措置を逆手に取れば、「2022シーズン以降に財務体質を改善できる見込みならば、2021シーズンまでは連続赤字と債務超過を気にせず『攻めた投資』をできる」ということでもあります。
グランパス、タイトルを取るためにぶっちゃけそうしていたんじゃないかと思われます。
年俸総額推測的に2021シーズンも赤字では疑惑
こちらのサイト( https://www.soccer-money.net/ )を参考に見てみましょう。
(基本的に推定年俸なので、正確とは限らない点に要注意)
グランパスの選手年俸総額は、2020シーズンで約14.6億→2021シーズンで約12.6億とされています。パっと見で「減ってるじゃん!」ですが、実はそう減ってるわけでもなく、むしろ増えてると推測されるんですね。理由は次のとおりです。
- 2020シーズン、ジョーは3ヶ月で帰国してしまったので契約解除まで年俸4億円中1億円しか支払ってない。夏に加入したオ・ジェソクの年俸が入ってない
- 2021シーズンの数字にはシュヴィルツォクの年俸が含まれていない。シュヴィルツォクの年俸は不明だが、欧州の2020ー2021シーズンにおいて約4000万円とされており、日本に来てもらうためにどんなに最低でも1億以上払っていると思われる。その半年分で5000万程度が足される
なんと4億円弱のアップ・・・しかもシュヴィルツォクの年俸がもっと高かった場合、人件費は5億円以上のアップという疑惑なんじゃないかと。
コロナ禍ですからね、入場収入やスポンサー料等が前年と比べ爆上げ(回復)しているとは考え辛い。それなのに年俸総額は減っていない(むしろ増えてる)。
どうしてそうなのか?
シュヴィルツォクの他にも、高給と噂される柿谷とか斎藤とか長澤とか取ったからですね。どう考えてもタイトルを獲るための投資ですね。
実際にルヴァン優勝できましたが、その賞金(1億5千万)などあれども、恐らく、グランパスは2021シーズンも(計画的に)赤字だし、債務超過となっている可能性も大いにあると思われるのです。
2022シーズンの予算
前述のサイトを参考に、出入りした選手の年俸を足し引きすると、2022の年俸総額は2021と比べ1.5億以上の減少と思われます。以下は完全に根拠なしの妄想推測になりますが、これ、計画的な削減、つまり「いくら以内に抑えるよ」っていう目標があったんじゃないでしょうか。
何故か?
株式会社名古屋グランパスエイトはトヨタの関連子会社だからです。
一般論として、子会社である以上「グランパスは、予算案を親会社のトヨタに承認してもらわければならない」はずです。
ここでさっきのライセンスの話を思い出してほしいのですが、仮にグランパスが2021シーズン末で債務超過になっているとして、2022シーズン以降は債務超過額を絶対に減少させなければなりません。
あのトヨタが、クラブライセンス剥奪されるかもなんて予算案を認めるわけがないので、実現可能性の高い財務状況改善案が必要でしょうし、このコロナ禍において楽観的な予想は許されないでしょうし、経費削減として選手年俸総額(≒チーム人件費)を減らすことは、いかにもありそうな話だと思いませんか?
ところで、10年以上前くらいからグランパスを応援している方ならば、「財務状況改善のために年俸総額を減らす」というあたりで増川や阿部翔平、田中隼磨らをゴッソリ切って大コケし、最終的に降格した流れをやっぱり思い出しちゃいますよね。
予算削減で降格に至った2016年までと同じなのか
あの当時を振り返ると、グランパスが獲得できた選手は次のどれかに分類できます。
- 久米さんと付き合いがあった特定の代理人の選手
- 久米さんが剛腕で釣り上げた有力新人+ユース昇格組
- 他所で揉めて構想外になった選手
- 外国籍選手
結果として、まともな補強がほぼできない状態で実績あるベテランを切ったため、戦力の弱体化を引き起こしました。有力新人(小屋松、青木、牟田、大武、森勇人etc.)が揃って怪我等もあり戦力にならなかったことも誤算だったでしょう(書いてて心が痛い)。
対して、阿部や柿谷、森下、仙頭等、国内他チームの主力級を獲得できていることが、少なくとも今は違いますよね(正直、今オフは鳥栖さんのアレな財務体質のおかげ感半端ないですが……)。これって、表に出てこない選手間の横のつながり情報で、「グランパスはやめとけ」って言われてないってことなんですよ。とても大事なことです。
※余談:かつて安田理大が言った「名古屋に来るのはアホなやつだけ」とは、当時「グランパスはやめとけ」って評判が選手間で流れていたことを暗に示していましたよね。
あとは、外から獲ってくるだけではどうしてもコストがかさんでしまうので、ユース卒を戦力化するよう育てること、高卒大卒の有力新人を獲得すること等が現時点の課題なんでしょう。山口GMが取り組んでいるのはまさにそこなんでしょう。
本当に育つかどうかなんて「やってみなくちゃわからない」が、そもそも育つ可能性の高いと思われる新人選手(つまりそれが有力新人ですが……)を獲得するとか、ユース卒が適応し育ちやすいトップチーム体制になっている(未だかつてグランパスがそうなっているのを見たことないけど……)とか、育つ可能性を高める方法はきっとあるはずです。
最後に
推測に推測を重ねるレベルの内容なので、「お前の言うことなんて信じられねーよ」と思う方もいらっしゃるかもしれません、すみません。個人的にはまあまあ筋の通った推測ができたんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
ま、未来がどうなるかなんてわかりゃしませんからね。いきなりトヨタ様がご乱心なされて100億くらいくれたりするかもしれないじゃん(絶対ない)。我々いちファミリーは見守って応援していきましょう。
だいたいそんなかんじ
おまけ:読みたい人向け参考資料
- グランパスの、2020シーズンの「チーム人件費」は35.25億とされており、前述の推定年俸と大きな相違がある。サイト上の推定年俸は選手の「基本給」にあたる部分であり、それに含まれない成果給や監督・コーチ陣の給料、移籍金等が相違額の理由と思われる。
- 収入に対するチーム人件費の割合は67.3%に達しており、Jリーグの平均(年によって変動するがだいたい45~50%程度)と比べて非常に高い。
- 2014~2017シーズンは人件費を約20億・人件費/売上を50%以内に抑えていたが、2018シーズンからは人件費/売上が増加し続けている。
- 一般的に、「若くて年俸の低い選手を育てる(そして売る)」クラブの人件費・売上比は低くなる傾向あり。
- 逆に、「他所からの選手補強でチームを作る」クラブの人件費・売上比は高くなりがち。
- 人件費/売上の高さは一概に悪いこととは言えない(例えば欧州主要リーグでは平均50~70%程度で、「良い選手に相応の給料を払っている」とも言える)が、売上が減少してしまうと一気に財務状況の悪化を招く。他所の例では、鳥栖の人件費/売上は、2018シーズンでは63%、2019シーズンでは99%と極端に高く、多いわけでもない売上に対し人件費が高過ぎる状態だったため大幅な赤字決算となった。
- グランパスは、2022シーズン以降、財務状況の健全化が必達目標となると推測される。コロナ禍による観客数制限が続く限り売上の大幅増は期待できず、人件費の削減(例えば30億以下にするなど)は避けて通れないのでは。
- そのためにはユース卒と高卒大卒の戦力化が重要になる。