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できてきた攻撃の設計の意思共有 2022年J1リーグ第20節 柏レイソル戦マッチレビュー #grampus #reysol

前半後半で色の違う試合となりました。ビハインドの時の名古屋の修正力を敵側の視点で見たらこんな感じなんだろうなと。

数字上は辛勝となったこの試合。流れを振り返って行きましょう。

試合情報

柏レイソル・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ
柏レイソル・名古屋グランパスのスターティングメンバー・ベンチ

(解説図を書く時に椎橋とドッジの位置が入れ替わっていました。これ以降の図で椎橋が左。ドッジが右となってしまいましたが逆で想像していただけると幸いです。)

レオ・シルバを空ける

柏は試合開始直後から前線3枚が最終ライン3枚に噛み合わせてプレスに行き、センター2枚がレオ・シルバを挟む形を取ろうとしたが、柿谷によりその思惑を外されることになる。彼がドッジ、椎橋の間に降りてくることで、レオ・シルバが空く瞬間を作り出した。

柿谷が降りる事でドッジ、椎橋は名古屋のインサイドハーフ(仙頭、稲垣)との守備の2択を迫られる事になった。

レオ・シルバを空けるために降りた柿谷と、それにより2択を迫られる柏のセンター
レオ・シルバを空けるために降りた柿谷と、それにより2択を迫られる柏のセンター

開始直後にこの形を見せられた柏は前線のプレススタートを絞って対応する。こうすることでインサイドハーフ(仙頭・稲垣)を挟む形を取りながら中央のレオ・シルバを囲みたい意図を見せる。

しかし前半31分には柿谷が降りてきて、仙頭・柿谷でレオ・シルバの前進をサポートして柿谷のシュートに持ち込む展開も。

レオ・シルバを見張りながら中央を閉じる柏
レオ・シルバを見張りながら中央を閉じる柏

柏は中央を囲む事で名古屋に対して外回しを選択させて、ライン際の1対1で刈り取る選択を取った。この形に対して刺さったのは稲垣と森下の関係性だった。

稲垣が大外の森下よりも奥を取って、古賀にハーフスペースへのチャレンジをさせないようにした上で森下がボールを受けた時の逃げ道を作る。最終ラインでボールを動かして小屋松が引っ張る事が出来れば、レオ・シルバが空き、彼が楽にボール配球が出来るような形となった。

レオ・シルバが空く形を作る
レオ・シルバが空く形を作る

左でも基本的には似たことが起きており、最終ラインの丸山に対してプレスを誘いこんで相馬、仙頭でサイドに人を引き込んで空いたレオ・シルバに配球してもらう時間が前半は多かった。

名古屋の守備設定

相手の楔を引っかけてカウンター!の形が前半から見られた名古屋だが、通常の名古屋の守備設定は「相手アンカーを挟むところから」というのが通例だが、今回はどうだったのか?

今回はアンカーを挟むというよりは椎橋、ドッジの縦並びのセンターを中盤3枚と前線2枚の5角形で囲む事を意識していたように見えた。

ドッジが左右に逃げて中央の囲いをずらすようなことはせず(前半30分に初めてドッジが左右に流れ、解説の佐藤さんが言及)に柏は両HV(古賀、高橋)が上がって配球役になっていた。しかし、中が締まっている事でVからのパスは減退されており、武藤が一生懸命中谷や丸山の脇に逃げてなんとかパスを受けようと奮闘している姿が見られた。

名古屋の守り方の設定
名古屋の守り方の設定

柏の修正

前半35分から鹿島の時のように3センターの裏にロングボールを露骨に増やした柏。それに加えて名古屋のブロックの外で「幅から幅」を使って名古屋の人を引っ張って拡げる事を始める。ブロック外でサイドに振ることでインサイドハーフを引っ張り出してサイドを攻略、中にボールをいれるスペースを作る。

柏の修正
柏の修正

後半に入り柏は名古屋の3センター裏に武藤・小屋松をおいてマテウス・サヴィオが3センターの外側へ逃げた状態から内側へ侵入する形を多用し始める。スクランブルで投入された事もあり、マテウス・サヴィオの対応に苦労した内田。内田の前に立ち外のユニット侵入と中への個人侵入の2択を迫ったマテウス・サヴィオが上手かった。内田としては中の方が味方がスライドすれば対応出来る為、外切りを選択する姿が多かったが中の2人はフル出勤組だった為に侵入を潰せない場面が出てしまった。

後半のマテウス・サヴィオの配置
後半のマテウス・サヴィオの配置

設計とプレー選択

後半、柏のプレスにさらされた最終ラインだったが、62分のシーン。レオ・シルバを介さずに稲垣、柿谷、センターバックを使いプレスを剥がし前進したシーンがあった。その後映像には映らなかったが内田がハーフスペースを超えていくところまでの一連の流れは設計された崩しに見えた。

この設計された形が後半に出ているという事はチームとしてロングボールに逃げる設計はしていないという事。ロングボールを使う際の、ボールを手放すかどうかのプレー選択の基準をチーム内で統一していくところが次の段階になってくる。ビルドアップの設計に対して、個人の選手が採るプレー選択の精度を上げていけば、死にそうな無限ロングボール編は無くなると思う。

試合毎に「幅を取る」「配置的優位を取る」などチームとしての設計がある事を教えてくれる今のチーム。

この出来事を肯定する事自体に慣れない人もいるが、この種まきは認めて見守っていきたい。

試合後感想

自分たちのスタイル!で挑んでくる相手に対して、優位に試合を進める事は出来た。

謎の阿部のベンチ外と早めの仙頭の交代の事実で阿部が次もキツイという事がなんとなくよぎってしまった中でタスクが違う場所での内田の奮闘は助かった。

ロングボール放棄現象は、苦しいのは分かるが中3日100%の出力でやってる選手が多い中で明らかに頭の疲れが出てたので多少は目をつむってもいいのでは?と

柿谷のファーストプレーで柏の中央は終始難しそうにプレーしていた。人が来る柏のスタイルの中でプレーする前に人に選択肢を突きつけられる柿谷は貴重だった。

そして2度の披決定機を防ぐことができた。ありがとうミッチ

かなり攻撃の設計の意思共有はできてきた。これからが耐え時。失敗の繰り返しをどこまで暖かく見守れるか。

最後に

時間は止まってくれない。難しい試合が続くがチームを信じて。

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