松田力選手の奥さんについて、中日スポーツ/グランパスウォッチャーにて取り上げられていました。
奥様は、貞松・浜田バレエ団という神戸で50年の歴史を誇るバレエ団に所属するプロだそうです。
バレエダンサーのことを知っていますか?
バレエとは
バレエは歌詞・台詞を伴わない舞台舞踊です。有名なものでは白鳥の湖のような演題があって、驚異的な身体能力を駆使した踊りでわたしたちを魅了してくれます。女性のバレエダンサーのことを、俗にバレリーナと呼びます。松田力選手の奥様が所属するバレエ団の公演の様子が動画でYoutubeにアップされています。
明らかなのは、とんでもない運動量が必要なものであるということです。身体の重要性、そして思ったように身体を操る能力(コーディネーション)が必要ことが動画からお分かりいただけると思います。
日本は実はバレエ大国?
日本には、1万を超えるバレエ教室、著名なバレエ団だけでも数十もあり、バレエ人口は40万人と言われています。
バレエダンサーのうち、バレエ団で主役級を張るダンサーのことをプリンシパル、またはプリマなどとと呼びます。また準主役級のことをソリストと呼びます。
世界でも有名なバレエ団のことを15大バレエ団などと呼びます。サッカー界でいえばUEFAチャンピオンズリーグの常連チームみたいな感じですね。並びは主観的な格付けだと思って下さい。
- 【フランス】パリ・オペラ座
- 【イギリス】英国ロイヤル・バレエ
- 【ロシア:1】ボリショイ・バレエ団
- 【アメリカ:1】アメリカン・バレエ・シアター(ABT)
- 【ロシア:2】マリンスキー・バレエ(旧キーロフ・バレエ)
- 【イタリア】ミラノ・スカラ座
- 【ドイツ:1】ベルリン国立
- 【ロシア:3】ミハイロフスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立)
- 【アメリカ:2】ニューヨーク・シティ・バレエ
- 【カナダ】トロント国際 国立
- 【ドイツ:2】ハンブルク・バレエ
- 【オランダ】ネザーランド・ダンス・シアター
- 【ノルウェイ】国立バレエ
- 【オーストラリア】オーストラリアバレエ
- 【ドイツ:3】シュトゥットガルト・バレエ
そのサッカー界で言えばユベントスやバイエルン・ミュンヘンに相当するような有名なバレエ団に続々とプリンシパルやソリストを送り込んでいるのが日本なのです。
- 吉田都(1965年:英国ロイヤル)
- 竹島由美子(1970年:オランダ国立/ドレスデンゼンパーオーパー)
- 佐久間奈緒(1976年:英国バーミンガム・ロイヤル)
- 中村祥子(1980年:ベルリン国立/ハンガリー国立)
- 木田真理子(1984年:スウェーデン王立)
- 加治屋 百合子(1984年:ABTソリスト→ヒューストン)
- 倉永美沙(1987年:北米・ボストン・バレエ団)
- 落合リザ(1988年:モスクワ・シティバレエ)
- 日高世菜 (1991年:ルーマニア・ブカレスト国立歌劇場)
- 近藤亜香(1991年:オーストラリアン)
サッカー界で言えばワールドユースに相当するようなローザンヌ国際バレエコンクールにも、日本のダンサーがほとんど毎年のように入賞しているという層の厚さがあります。
日本のバレエ界の問題点
日本のバレエ界が抱える問題点は、日本サッカー界が抱える問題と、ちょっと似ています。
これだけのスーパーなダンサーを世界に送り出すことができているのは、40万人といわれるバレエ人口の裾野の広さがあると言われています。
しかし、40万人のバレエ人口の7割から8割はジュニア層が占めています。ほとんどのダンサーは中学受験の際、もしくは中学進学の際にやめていってしまいます。日本のサッカーの場合は高校サッカーを限りにやめてしまったり、大学でも体育会サッカー部にいても、Jリーグチームのオファーを蹴って一般企業への就職を選択してしまうようなケースもあります。
そして、トッププロになれる素材は海外に行ってしまいます。上記のプリンシパルになったダンサーもそうですし、サッカーでも本田や長友も香川もみんな海外に行ってしまいました。
なぜそんなことが起きるかというと、サッカーでもバレエでも、国内でゴハンが食べられるのはごく一部のトッププロだけだからです。バレエでは全国1万のバレエ教室の講師をする以外にバレエでの収入を得られず、なんらかの副業が必要です。サッカーもJリーグに入ってもごく少数を除けば短い年数で引退を余儀なくされ、苦しい生活を送ることになります。サッカーの場合はコーチで食べていけることも珍しいかもしれません。
「プロになれるといいことがある」、とならないとサッカー/バレエが大好きで、どうなってもいいからプロになりたい、という人しかプロになってくれる人が増えないと思います。
バレエダンサーと結婚するといいことがあるか?
食事のコントロールは目を見張る
バレエダンサーの食事は、実はアスリートなみのメニューです。
バレエダンサーというとほっそりして首も手足も長い、いわゆる「バレリーナ体型」を想像して、すごく小食なのではないかと思われますが、そんなことはありません。
サッカー選手の多くは1日90分程度の公式の練習と、あとは個人的なトレーニングだけです。人によってはその部分もあまりやらない方もいます。
一方で、プロのバレエダンサーのメニューはこんな感じです。英国ロイヤルバレエ団の小林さんの記事です。
http://www.news-digest.co.uk/news/columns/ballet/hikaru-kobayashi/6540-2.html
私たちの1日は、朝10時半から1時間15分かけて行われるバレエ・クラス(体を温めるための基礎練習)から始まります。 そして12時にはリハーサル(上演される演目の練習)がスタート。 公演がない日は夜の6時半まで、公演がある日は5時半まで行われます。
公演は通常、夜の7時半から、演目によって異なりますが、終演は10時ごろまで。こうした日程が週5日、昼夜公演のある土曜日はリハーサルが2時まで、日曜日は休日となります。
ウォーミングアップだけで75分、連続的に動くわけではなくてもリハーサルが6時間前後、公演は2時間半程度。週5日という過酷なものです。残念ながら日本のダンサーはここまでハードなスケジュールはないかもしれませんがこれだけの運動量を支えるには、それなりのカロリー摂取が必要なのです。
http://allabout.co.jp/gm/gc/452969/
ダンサーの食事は意外に普通です。
国内外のプロダンサーと一緒に食事をすると、意外なほど食事制限やこだわりというものがないことに気付かされます。パスタもお米も、肉も普通に食べています。特にカロリーを気にしている様子もありません。
唯一あるとすれば、直近直後のスケジュールを見て、エネルギーの消費量に合わせて食べる量を調整しているようです。沢山動いた後は、自然にお腹が空くのでしょうから、沢山食べます。動いていないときは少しで良いみたいです。満腹にしようと欲張ることはなく、自分の体のコンディションに合わせて食事をしているようです。
常に動き続けることが求められる、そしてやたらめったら筋肉を着けることは求められないバレエダンサーとサッカー選手には、食事の面で共通性がありそうです。
身体を動かす、ということへのこだわりは刺激し合える。
バレエダンサーを見ていて、とんでもないボディバランスをしていると思ったことがありませんか?バレエダンサーがウォーミングアップの際によくやるのがI字バランスです。フィギュアスケートの選手のリプニツカヤ選手のやっているキャンドルスピンなんかはその応用編ですね。
同様なものでY字バランスなどいろいろな型はありますが、関節の可動域の制御と、体幹の強さ、身体を支える筋力が必要です。
バレエダンサーは、バランス感覚以外にも呼吸法(腹筋の使い方)、体幹の強化、骨盤のコントロール、腰椎の使い方、ハムストリングやお尻の強化などを学んでいきます。身体を使うプロフェッショナルなのです。
(興味のある方は、是非このサイトを御覧ください。http://ballet-japon.com/online )
サッカーの選手も、どれだけチカラがあってもそれをコントロールができなければ意味がありません。身体のコントロール、コーディネートが重要になってくるわけです。そういう意味では、いろいろな身体の部分を使い込むことについてはサッカーよりも古い歴史があり、トレーニング体系が整備されているバレーから学ぶところが大きいかもしれません。そんな経験と能力を持つ奥様を選んだ松田力選手は慧眼と言えるかもしれませんね。
もともと身長がそれほど大きいわけではない松田力選手がフォワードとしてあれだけの成果を残せていたのも、身体のコーディネーションに優れていたからというのもあるかもしれません。
奥様からの刺激を受けて、今後も成長をしてくれることを祈っています。
ちなみにバレリーナ体型については以下のサイト参照。
http://strawberry-parfait.hatenadiary.jp/entry/2013/07/28/171016
まず筋肉の質はムキムキではないです。体積は少ない筋肉。
陸上部なら短距離の人じゃなくて長距離の人っぽい感じ?
これは呼吸をしながら運動することでつく筋肉です。息を止めて運動したらダメ。
筋肉に力をいれて動かしてはダメ。
手足を動かす運動をする際は、体の中心(丹田)の位置を意識しつつ、手・足・頭の先は丹田から遠くへひっぱった意識で動かす。
そうすると、ムキっとした筋肉じゃなくて、細くて長い筋肉とかインナーマッスルとかついてきます。
で、筋肉がついている場所なんですが…
正しく動くバレリーナの筋肉は、主に見えないところについていきます。
(男性ダンサーは一部例外。女性をリフトをしてあげる筋肉が必要なので、そこだけはムキムキ筋肉をつけます。)
脚なら体の前側の膝の上の方とかにはつかない。そこの筋肉は使いません。そこの力は抜く。
脚を動かす時は、脚の内側(脚と脚がくっつくところの面ですね)とか、脚の後ろ側(オシリの下側ですね)とかの筋肉を使います。
これは最初は難しいと思うけど、意識して繰り返してるとできるようになるんではないかと思います。
腕もね、力こぶをつくるところの筋肉は力をいれません。
腕の内側と後ろ側、そこを意識して腕を動かすと、いわゆる「振袖」と呼ばれる、腕のたぷたぷな贅肉がなくなっていきます。
で、おなかはね、丹田には力を入れててもいいです。
他は先生によって考え方がイロイロなんですが(バレエも教授法とか体の使い方とか国によって違うとか時代で変化してたり個人の考えもあったり、まあ細かく言い出すとイロイロあるわけです)…
とりあえず、おなかは体の内側にしまって引き上げておくイメージです。
おへその下の腹筋も、おへその上の腹筋も、体の内側へしまっておく感じです。
肋骨も横へは開かないで、どっちかというと閉じている感じ。
おしりは力を入れすぎない程度に閉めておく感じ。
背中の肩甲骨は下(床の方)へ下げているイメージ。
肩は体の前側にも後ろ側にもおきません。真横。で、下へ下げてます。
この、肩を下げておいて、頭はてっぺんを上にひっぱり上げてるのが基本姿勢だから首が長くなっていくんだと思います。
うつむく時も頭のてっぺんと肩は遠いのです。
耳の下のアゴの骨と、鎖骨ができるだけ遠い距離にいつもあるようにします。首をひねる時も。そうする首がほっそり長くなっていきます。
ついでに、目玉でモノを見ない。
目玉の奥の方の頭の後頭部の下の辺りの凹んだところ、そこに目玉がついているつもりで視線を送るのです。そうすると首が伸びた状態で頭を動かせます。
で、骨盤は閉じて、上へ持ち上げてるイメージ。
子どもが履いてるパンツを、大人に「えいっ!」って持ち上げられて体が浮いちゃいそう、みたいな。
そのついでに脚と脚も上に引っ張られて脚の内側同士がくっついちゃう、そんな感じで立っています。両脚同士をムリヤリくっつけるのではなくて、上に引っ張れてるから寄ってきちゃう、ってイメージ。そうすると脚が細く長くなる感じ。
足の裏側はリラックスして指も5本バラバラに伸ばしてる感じ。
足は床を押して頭は真上に引っ張られてて…いつも背が高いイメージです。
重心は指よりも土踏まず寄りの、肉球的なところとカカトに均等にのせます。
親指側や小指側に偏ったりしないし、カカト寄りになるのもダメです。どっかに寄っちゃうと、寄ってる側の脚の筋肉が無意味について脚のラインが汚くなります。
(ちなみにモダンでは、床に転がったり、そこから立ち上がったりが多くて、いろんな重心になるので、脚にはいろんな筋肉がつきます。
つまり脚にムキムキした筋肉もついちゃう動きをします。