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[小ネタ] #マテウス・カストロ は大人になった? #grampus

勝利に終わったセレッソ大阪戦。

様々な賞賛が寄せられ、特に守り切った守備陣や得点を獲りきった木村勇大選手やセットプレーの巧みさに注目が集まったのですが、ここで注目したいのがマテウス・カストロ選手です。

かつての「主人公」マテウス

これまでのマテウス選手には、多くの人が共通のイメージを持っているのではないでしょうか。

<得意なプレー>

  • どこからでもゴールを狙う、積極的なシュート
  • 得点の匂いがする、鋭いフリーキックやコーナーキック

一方で、プレーには波があり、良くも悪くも「マテウスが主人公のサッカー」という印象がありました。彼がチームの中心として輝く一方、不調時にはチーム全体の攻撃が停滞してしまう傾向が見られたのも事実です。

  • やや強引なドリブルでボールを失うことがある
  • 難しいパスを選択し、成功率が低くなることがある

しかし、最近の彼は、こうしたイメージを覆すようなプレーを見せています。あまりシュート本数は多くありませんし、フリーキックやコーナーキックもほとんど森島司に任せています。

セレッソ戦で見せた「変化」のデータ

変化は、セレッソ大阪戦のデータに明確に表れています。

マテウス・カストロ選手のヒートマップとデータ
マテウス・カストロ選手のヒートマップとデータ(引用元:Sofascore)

マテウス・カストロの活かし方としては右シャドーが適切という考え方は変わりませんし、この試合もヒートマップを見るとほぼ右シャドーでの動きだったということがわかります。

シーズンヒートマップでもほぼペナルティエリアを囲むようにポジショニングしていることがわかりますが、注目したいのがパス成功率の低さです。平均パス成功率69%は、和泉竜司の80%、森島司の74%と比べても低めです。

ところがこの試合では、大きく変化しました。

  • シュート数:1本 あれだけシュート意識の高かった彼が、この試合ではシュートを1本に抑えています。
  • パス成功率:88% 今季の平均パス成功率が69%であるのに対し、この試合では驚異の88%を記録。敵陣でのパスも14本中9本を成功させており、セレッソ大阪の特殊な守備を考慮しても、非常に高い数値です。これは、自分勝手で無理なプレーを避け、チャンス創出に集中していた証拠と言えるでしょう。

チームのために使う「ドリブル」

名古屋グランパスの課題の一つに「ドリブルによるチャンス創出の少なさ」が挙げられます。ドリブルは、膠着した状況を打開する強力な武器ですが、ボールを失うリスクも伴う「諸刃の剣」です。

名古屋グランパスのチャンスビルディングポイント統計(引用元:Football-Lab)
名古屋グランパスのチャンスビルディングポイント統計(引用元:Football-Lab)

Football-Labのチャンスビルディングポイント統計を見ても、ドリブルについては20位です。最下位ですね。

この試合でマテウス選手は、今季平均の倍以上となる6回のドリブルを仕掛けました。たとえボールを奪われたとしても、敵陣深い位置で仕掛け続けるプレーは、相手守備陣にとって大きな脅威となります。

さらに注目すべきは、チームのために時間を作るドリブルです。 試合中、彼が長時間ボールをキープし、味方が陣形を整える時間を作った場面がありました。これは、かつて見られたような強引な突破を狙うドリブルではなく、チーム全体の状況を把握した、極めて利他的なプレーでした。

ちなみに:長谷川健太監督が中山克広をどうしても一本立ちさせたかった理由は、縦にドリブルでしかけることができるから。そしてそのドリブルが速いからだと想像できます。

「大人」になったマテウス

30歳を超えた今、彼のプレーから感じられるのは、単なる個人技の上手さだけではありません。それは「精神的な成熟」と呼べるものかもしれません。

もし「大人」であることを「他者への配慮」と「自らの責任感」を持つことと定義するならば、彼のプレーの変化はまさにそれを体現しています。

  • 自分のシュートに固執せず、より確率の高いパスを選択する(他者への配慮)
  • チームの状況を好転させるため、リスクを負ってドリブルを仕掛ける(責任感)

かつてのように自分が試合の「主人公」になるのではなく、チームを勝利へ導くための最善の選択をする。そんなベテランらしい姿が、今のマテウス選手にはあるように見えました。

この変化が一時的なものなのか、それともチームを牽引する「大人」へと完全に変貌を遂げたのか。今後のマテウス・カストロ選手のプレーから目が離せません。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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