スポニチアネックス(Yahoo!ニュース配信)によると、名古屋グランパスの久米一正社長の辞任が受理されたことが明らかになりました。
J2降格の名古屋、久米社長辞任へ「きのうの時点で決めていた」
クラブ初のJ2降格決定から一夜明けたこの日午前中に愛知県豊田市にあるトヨタ自動車本社を訪れ、同社の佐々木副会長と会談。辞任を申し入れ、その場で受理されたことを久米社長が明かした。今後開かれる取締役会を経て正式に退任が決定する。
正直不安なのが、現在の取締役の構成を見ると、代表取締役会長に豊田章男氏、代表取締役副会長に佐々木真一氏、代表取締役社長に久米一正氏、代表取締役専務に中林尚夫氏と4人の代表権を持つメンバーが居ますが、サッカーについて詳しいのは久米一正氏だけというところです。
代表、という言葉はなれないかもしれませんが、株主総会や取締役会の決議にもとづき、単独で会社を代表して契約などの行為を行うことができる取締役のことです。
代表取締役は、日常業務については取締役会からその決定権限が委譲されていると考えてよいでしょう。会社の施策を自ら決定・執行をおこなうことができます。
通常はグランパス規模の会社であれば代表取締役は1名です。今回特殊なのは、代表権を持つメンバーが4人も居て、グランパスの指揮命令系統がシンプルではないということです。
取締役会では、社長かどうかで議決権に優劣はありません。ですから、取締役会の中ではあくまでも1票を持つだけなのです。
久米氏の施策に言いたいことは数々あれど、簡単な組織ではなかったことだけは同情に値します。
タイミングとしては今ではない
辞意を表明することは致し方ないことかもしれません。ですが今辞めてしまうと、来シーズンの体制がまったく決まらないうちに、ということになってしまいます。せめて後任に対して適切な引き継ぎ、そして、体制の確定ができてからにするべきです。
このままであれば、おそらく後任はトヨタ自動車からの出向が可能性は高いと思われます。難しいかもしれませんし、そこまでする義理が久米社長にあるかというと厳しいですが、他のチームで実績を残した社長経験者が望ましいと考えます。そういった後任を推薦できるところまで責任を果たして欲しいと思います。
それこそが、挨拶で「今シーズンを謙虚に反省し、今日のこの悔しさを胸に、1年でJ1に戻ってこれるようにクラブ一丸となって来年を戦っていきたいと思います」と言っていた責任を果たすことになると思います。