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[検証]ボスコの2016年最終戦セレモニーでの挨拶の原文と訳文の違い

残念ながら、名古屋グランパスはJ1残留を果たすことはできませんでした。とても残念に思います。正直、一度は小倉前監督の最後の指揮となった柏戦の段階で、降格を覚悟していました。ですから、辛いという気持ちはありますが、受け入れることはできました。

しかし最後の8戦は3勝2分3敗と五分の成績を残しており、その立て直しをしたボスコ・ジュロヴスキー監督の手腕には疑いはありません。個人的にはボスコ・ジュロヴスキー監督のもとに速やかに体制を整えて始動するべき、と考えているので、そのあたりについては別途エントリーにまとめます。

そのボスコ・ジュロヴスキー監督の最終戦セレモニーの挨拶について、村上通訳の訳とヒアリングした内容を聴き比べて違和感を感じました。あれ?言ってることと違うぞ?ボスコが、涙声で訴えていた、まとまろうという言葉は?

それを相談したところ、Twitterで @heavy_stereo_  (かざね)さんが、聞き取りと翻訳をしてくださいました。

以下が比較です。

【原文】 【村上氏訳】
ミナサン、コンニチハ。 (日本語)
It’s hard today in the history of Grampus. まあほんとに、グランパスの歴史にとって今日は残念な日です。
Maybe the hardest day. (訳なし)
ホントニゴメンナサイ。 (日本語)
We tried until the end, took the risk, also today, but 残念デシタ。 最後まで頑張りました。リスクを冒して。
Last two games, nothing goes…(通訳が入って文章が途切れる) 最後の数試合はあまりあまり良くなかったですし良くなかったです。
I want to go congratulations: Players, they did last eight games big effort to stay in J1. この、この選手には最後に私と一緒にやってくれた8試合、本当に、あの、皆J1に残る気持ちを持ってプレーしてくれた、本当にありがとうと言いたい。
For the front of the Grampus to give me the confidence to lead the last eight games, thank you very much. それからフロントの皆様、8試合、私に、このような、あの監督の職、信頼して頂いて、本当にありがとう、感謝しております、ありがとうございます。
It’s really hard, it’s very hard, but listen to me, please. 本当に、あの、厳しかったです。
Supporters, you did the great things last two months. でもサポーターの皆さん、ありがとうございます。
Supporters, we’ll never forget your support.  本当に応援ありがとうございます。
But, now next year, you have to be solidarity (with) this team. I don’t know if I stay or not stay, (but) I want to stay to lead this team next year to J1. 私がこの、来年このチームに居るかわかりませんけども、本当にJ1に帰って来たい。このチームでやりたいです。
Stay solidarity (with) this team, with this club, and keep possible (possibility to) get back to the J1 most stronger than ever! できるだけ早く、そして強く、J1にもう一回戻って来たいと思ってます。
アリガトウゴザイマス。 (日本語)
Good luck for the future. 将来に向かって行きたいと思います。

かざねさんの翻訳を掲載します。

@heavy_stereo_訳】
今日はグランパスの歴史の中でとても厳しい日です。おそらく最も厳しい日でしょう。 本当にごめんなさい。
私達は最後まで挑戦しましたし、今日もまたリスクを冒し(て挑戦をし)ました。
しかし、残念でした。
最後の2試合は、何も(通訳が入って文章が途切れる)※おそらく、不穏な言葉になることを察して、村上通訳が制した(グラぽ編集部追記)
選手たちを讃えたいです。
彼らはこの8試合、J1に残るために大きな努力をしてくれました。
フロントは、最後の8試合、私がチームを率いるための自信を与えてくれました。
本当にありがとうございます。
本当に辛いです、本当に辛いですが、聞いてください。
サポーターの皆さん、あなた達はこの2ヶ月、偉大なことをしました。
サポーターの皆さん、私達はあなた達の応援を忘れることはないでしょう。
そして来年は、皆がこのチームと一体となる必要があります。
私が(ここに)残れるかどうか分かりませんが、来年残ってこのチームをJ1復帰へと導きたい。
このチーム・クラブとともに結束しましょう。
そうすることで、今だかつてない強さでJ1へと戻ってくる可能性を手繰り寄せましょう。
ありがとうございます。
(名古屋グランパスの)未来に幸あれ。※カッコ内グラぽ編集部追記

だいぶ内容が違いますよね。

一番大事な、サポーターへの感謝がおざなりな言葉に、そして大事な「来年は、皆がこのチームと一体となる必要があります。」ということを訳していないのは致命的です。

同時通訳は專門ではないながらにやってみたことがありますが、本当に大変です。だいたい何をしゃべるのかが想像がついてわかっていたからその時は乗り切ることができましたが、事前資料なしのインタビューの同時通訳はキツイことはわかります。ですが、大事なところについては確認をしてでもきちんと訳をしてくれると助かりますよね。

思えば、イビチャ・オシム氏には間瀬秀一氏(J3秋田監督)、ジーコ氏には鈴木國弘氏、ザッケローニ氏には矢野大輔氏と、成功した監督には優秀な通訳が居ます。いつもお世話になっている千田さん(オシム氏の代表での通訳)も頭脳明晰な方です。彼らに共通して言えることは、文化の違う言い回しを、要点を外さずに、きっちりと日本人にわかるように通訳できることです。

重要なことを逃さない訳というのも、外国人監督の起用では、大事なのではないでしょうか。

もし興味のある方は、加部究さんの「サッカー通訳戦記」をお読みいただくと、今回の件について、より理解が深まるかもしれません。

 

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About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

Comments & Trackbacks

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  1. あんじょはんじょ

    当日、テレビで見ましたが、ボスコ氏の言葉の意味と、通訳さんの言葉が全く違うなと思っていました。
    「I want to stay…」の部分は、ボスコ氏が語気を強めていましたので、英語ができない私でもそこは聴き取れましたし、心に響くものがありました。
    しかし、その直後の通訳さんの日本語は全然違っていました。憶測にすぎませんが、意図的に「フロントの事情」でまずい箇所を省略したのではないかと、ずっと疑問に思っていました。

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