記事のポイント
- グランパスはこんな結果でした
- 目標に対して結果は達成していたでしょうか?
- なんとか残留できたポイントは?
- 2019シーズンはどうなるでしょうか?
はじめに
皆さん知ってのとおり、名古屋グランパスの2018年の戦いが終わりました。なんとか残留できました。選手・スタッフの皆様、本当にお疲れさまでした。そしてファン・サポーターの皆様もお疲れさまでした。選手個人に対するレビューは前にお届けしましたが、今回はクラブ全体としてのレビューをお届けします。2019年シーズン新体制発表会までに、どうぞ気軽にお読みください。
グランパスのJ1の結果(カップ戦を除く)
- 勝点41(15位)
- 12勝(13位)
- 5分(17位)
- 17敗(16位)
- 52得点(4位)
- 59失点(17位)
- 得失点差-7(14位)
かろうじて15位で残留フィニッシュしたグランパス。単純に結果を見てみれば、いかにも下位だよな〜って成績でした。負けまくっていたのはまあ前半戦のアレな時期があったからとしても、J1で4位の総得点52点に対して最下位タイの59失点は酷い。他にも、リーグ16位の5引分も酷かった。引分って、すごく強い・勝ってるチームにおいては、概ね『勝ちきれなかった』結果で、勝ち点2を損したと言えるわけです。対して、弱い・勝てないチームにおいての引分は概ね『なんとか勝点1を得た』結果。勝てないながらもなんとか引分で勝ち点を稼いでいくような戦い方がまったくできず、負けまくってる上に引分数の少なかったグランパスは、数字を素直に読むと、『J1トップクラスの攻撃力を有し、実際に点を取れるけど、それ以上に酷い失点をして負ける弱いチーム』でした。
目標に対して結果はどうか
情報元を忘れてしまったんですけど、2017年からの3年間で2017はJ1昇格、2018はJ1優勝、2019はACL優勝を目指すとのクラブ関係者からの発言を見た覚えがあります(中日新聞の記事だったかな? 思い出せないすみません)。2017年の目標がJ1優勝だったとするならば、ギリギリ残留した結果は、目標をちっとも達成できておらず、全然ダメダメでした。しかし、昇格チームの立場として、一般的に順位としては『残留できたら成功』『降格したら失敗』なのは間違いないところ。であるならばグランパスは『最低限ながらも成功した2018年だった』と言ってもいいのではないでしょうか。理想は優勝争いに加わるくらいの躍進でしたが、現実としては最低限の成功を掴み取ったシーズンでした。
クラブ『経営』の結果はどうか
クラブは企業です。利益と売上を追求する存在です。プロスポーツクラブに対して通常の企業の常識が通用するかわかりませんけど、売上が低く利益も赤字になり、債務超過になれば(そしてその債務への補填が無ければ)破産し解散するしかないのは普通の会社と同じです。まだグランパスの2018年の決算が出ていないので利益がどうなってるのかは不明ですけど、今シーズン、皆さんご存じのとおり、クラブは一つの偉大な記録を達成しました。リーグ戦一試合あたりの平均入場者数でクラブ最多の「24,660人」です(公式ページのニュース→ http://nagoya-grampus.jp/news/pressrelease/2018/120120182340.php )。値引き企画や無料券もあるので入場者数=チケット代金が多かったとは一概に言えませんが、それでも売店の売上等々も含め、単純な試合での売上としては恐らく過去最高に近い数字が出ているはずです。ジョーの移籍金や年俸、その他、夏の選手獲得に費やした費用等も決して安くはないはずですけど、けっこういい感じの決算が出てくるんじゃないかと思います。クラブの経営としては成功したシーズンだったのではないでしょうか。
2019シーズンに向けて
より上の順位を狙うために、残留争いしてたら話になりません。反省点は色々ありますが、その前に、2018シーズンになんとか残留できた要因を振り返ってみましょう。
なんとか残留できた要因とは?
補強です(断言)。シーズン開始前に獲得できたジョーとミッチ・ランゲラックは最高級の働きをしてくれましまし、レンタル延長できた宮原とシャビエルもまた、いなかったら困る戦力でしたし、中断期間中に獲得できた丸山、中谷、ネット、前田、金井もいなかったら降格一直線でした。残念ながら、シーズン開始当初の選手達の質が『J2では強い』が『J1残留には不足していた』と言わざるを得ないのでしょう。『昇格チームはとにかく大型補強しないと残留に届かない』という先人の教訓を身を持って体現したグランパスでした。
今のままでも2019シーズンはイケるんじゃない?
イケません(断言)。2018シーズンの後半戦だけ見れば勝点で3位で、今のままでも何とかなりそうではあるんですが、シャビエルや宮原等、主力選手が欠けた瞬間に勝てなくなったことは記憶に新しいですよね。代えられない主力中の主力が欠場したら戦力低下は当然としても、グランパスの落ち込みっぷりはかなりヤバかった。幸いなことにシャビエルも宮原も完全移籍が決まりましたが(2019/01/01現在)、2018年のように、彼らや、あるいは彼ら以外の主力(例えばジョーや丸山、ミッチ等)がどこかで怪我やカード累積で出場できない可能性は大いにあります。レギュラーが一人二人欠けるとどうにもならないようでは、残留はともかく上位争い、ましてや優勝争いは絶対にできません。広島さんから千葉を獲得したりもしましたが、今以上の戦力の底上げ・上積み無くして上位進出は不可能でしょう。
2019シーズンはどうなるか?
これからの選手獲得次第ではあるものの、現状ではかなり厳しい戦い、良くて中位グループで場合によっては残留争いもあり得ると思います。しかし、それでもなんとかJ1に残留できたこともあって、2018シーズン開始前と比べて選手も獲得しやすいはず。新たな戦力や、あるいは若手達(青木、杉森、深堀、大垣や新卒加入の榎本、相馬等)の成長によって、とにかくチーム全体で最低値の引き上げおよび最大値の向上をしていきたい。個人的には2019年は一桁順位で終われれば成功と言っていいかなと思っているのですけど、そんな僕の考えを良い意味で裏切ってくれることに期待しています。ACL圏内、できれば優勝して欲しいですね。応援しましょう。
新しい誰かや台頭するであろう誰かの為に今通用してる選手を外に出して場所を作るというやり方を続ける限りチーム内競争力は上がらないと思います。
またこのやり方を今の強化部は去年から続けていますが(シモヴィッチ→ジョー等)毎回上手くいくとはいえない非常にリスクの高いやり方だと思います。
今年は今のところ新井→千葉、玉田→誰かですがこういうやり方は止めて欲しいです。
まだこのチームは若く、骨格も定まっていません一人欠けると全体のバランスが揺らぐという事をシーズン中に何度も目にしました。
もう少し安定性のある編成をして欲しいというのが私の切なる願いです。
コメントへの返信遅くなりました。
「一人欠けると全体のバランスが揺らぐ」は、物理的な数量で対策をしようとしているようにも見えます。
ただ年齢層が近いところで競争をさせているので、弾かれてしまうケースが多いようにも思いますね。
編成部も若く、まだPDCAサイクルを回しながら継続的改善をしなければならないようにも思います。