名古屋公式に、2015年明治安田生命J1リーグ第5節名古屋グランパス対サンフレッチェ広島戦後の西野監督記者会見が掲載されています。
http://nagoya-grampus.jp/game/2015/041220155vs/report.html
今日のグランパスは昨日紹介した鹿島アントラーズやFC東京同様にミシャ式3-4-3に対する対策を練ってきました。竹内-闘莉王-本多勇喜の3バックに高めに矢野貴章と永井謙佑の2ウィングバックを配置し、中盤は矢田旭を低めの位置でフリーに動いてゲームメイクがしやすいように配置し、ダニルソンをその周囲でスイーパーのような役割に。その前にインサイドハーフとして小屋松、松田力を配置するという3-6-1の布陣を引いていました。図にすると以下のような形でしょうか。
FW 川又
MF永井 小屋松 松田 矢野
ダニルソン 矢田
DF 本多 闘莉王 竹内
GK 楢崎
驚くべきは、この布陣は15分ほどしか練習していないとのことです。しかしそれをしっかりとやり遂げた選手は褒められるべきでしょう。ある意味いつもより動きが整理され、狙いがはっきりしたことが功を奏したということなのかもしれません。
西野監督は永井謙佑と矢野貴章の力でミキッチと柏を押し込み、3-2-4-1のような布陣を希望していたようですが実際にはミキッチと柏にかなりサイドを押し込まれ、守備時は5-2-3のような展開になりました。それでも両ウィングバック(永井謙佑/矢野貴章)の驚異的な運動量で最後の一線を守り切れたことは特筆に値すると思います。
コーナーキックの守備の変化
話題にのぼることの多いコーナーキックの守備は、厳密なマンマークではなく、もっともマーカーとして優秀な闘莉王をフリーマンにしておくという、一風変わった対策を取りました。たしかに闘莉王は読みが素晴らしく、今日は多くのピンチを摘み取っていました。いきなり大きく方法を変えるよりも現実解なのかもしれません。
これからどうしていくのか
問題は次の試合です。もとの4-2-3-1に戻すのか、それとも3-6-1を続行するのか、です。おそらく永井謙佑と矢野貴章の2人の運動量に強く依存するこのフォーメーションは大きな問題点があるのではないかと思われます。
- 3-6-1のメリット
- 数少ないゲームメイク役である矢田旭が前を向いてプレーできる体制が整う+前に使えるメンツが揃った状態でプレーできる
- 自陣ゴール前で数的不利を起こす可能性が少なくなる
- 3-6-1のデメリット
- 両ウィングバックの運動量に強く依存するため、夏場などの連戦時に向かない
- WBが下がり過ぎると、前線の枚数が不足気味になる
- 川又選手がポストを頑張ってこなしていたが、インサイドハーフの小屋松、松田力との動きがまだ整理しきれていない
万能のフォーメーションはないので、メリットとデメリットはありますが、いまのところ週1ペースで試合ができるときには永井謙佑のスタミナを使いきれるこの布陣は悪くないと思います。特に格上でポゼッションを取られる相手には有効と思われます。逆に上位ではない相手には従来の4-2-3-1と使い分けるのはどうでしょうか。
イエローカードの累積が怖い
今日もイエローカードが闘莉王とダニルソンに出ています。今季のJリーグは3枚で出場停止になるため、ダニルソンは既にリーチになってしまっています。今日のような展開ですとイエローが出ることも致し方ない部分もあるのかもしれませんが、出場停止で替えがいない状況というのも考慮していかないといけないのでは、と心配しています。