グラぽ

2015年12月4日付け日経新聞で、「新設スタジアム、白川公園が有力候補地　グランパス検討」と報じられています。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD02H5N_T01C15A2CN8000/（有料記事）

関係者によると、白川公園は名古屋市が土地を所有。栄や名古屋駅エリアに近い立地面から、グランパス内では建設候補地として浮上した。
その上で、最大収容人数などの試算を建築の専門家に依頼。「客席が３万人程度であれば、建設が可能」との回答を得た。
グランパスやトヨタなどの関係者は、新スタジアムを建設する場合、建設費は250億円を超え、300億円規模になる可能性もあるとみているようだ。
建設費はトヨタなど中部財界や市民の寄付で賄い、建設後は名古屋市に新スタジアムを寄贈する方式を検討中。グランパスが指定管理者となり、運営を市から受託する方式が有力だ。
今後、グランパスは新スタジアム建設に関する規制面などクリアすべき点などを名古屋市など行政機関と協議。実現可能性の是非を含めた本格的な検討に入るとみられる。

白川公園スタジアムの問題点

白川公園の大きさは、89,300m²となっています。しかし、そのなかには現在、公園内には、名古屋市科学館や名古屋市美術館などがあります。名古屋市科学館は2010年にリニューアルしたばかり。名古屋市美術館も1988年に開館したばかりで建築家黒川紀章の代表作として名高い建築物です。これらの建物を移転などすることはちょっとむずかしそうです。

この2件の建物で面積の2/3が占められており、残る面積はわずか3万平米足らずとなります。かなりコンパクトなスタジアムにせざるを得ないということです。

よって、面積は、180m☓150m＝27000平米となります。とにかく、面積が足りません。これはどうにもならないです。

吹田スタジアムはどのくらいの大きさか？

現在、影響を間違いなく受けているはずである吹田スタジアムはどれくらいの大きさでしょうか？

建築面積に対して敷地面積は約9万平米、建築面積が2万5千平米です。
建ぺい率の制限などもありますので、実際の敷地の長さを少し余裕をもって見てみると205m☓190m＝38950平米くらい。

面積の差は大きい

サッカースタジアムで、ピッチの大きさは変更することはできません。（厳密に言えば数メートルの範囲は認められていますが）
長辺：205m対180m
短辺：190m対150m
と、大幅に小さくなります。単純に面積で言うと、69%減。その減のほとんどを観客席の面積で賄わなければなりません。
白川公園は商業区域なので、建ぺい率の制限が低いこともありますから、単純に面積比でスタジアムの建物が変わるわけではありませんが、それでも3万人となると、かなり高さの高い多層型スタジアムになるかもしれません。

構造的には市原臨海球場のバックスタンドみたいな小さな多層型になるかもしれませんね。おそらくアウェーゴール裏がかなり狭い変則型になると思われます。

【追記】フクアリなら入るらしいです。

白川公園にフクアリ（キャパ19700）を重ねてみた（やっつけ）
フクアリなら全然問題なさそうだし構造次第ではキャパ3万はいけそう　@grapodotnet pic.twitter.com/woLVAM8TCo

— みにもみ (@minimomi2020) December 4, 2015

ただ、フクアリはラグビー兼用なので、実はサッカー専用といいながらスタンドとピッチの距離がけっこうあります。なので、そこを詰めていって、多層構造をもっと進めていけば3万くらいは確保できるかもしれませんね。みにもみさん、ありがとうございます。

プレミアリーグではどうなのか？

25000から30000人収容のスタジアムをいくつか見てみました。

ウィガン・アスレティックのDWスタジアムが以下のような感じです。

1層でこれくらいなら、多層構造ならもうちょっと長辺を詰めればなんとかなるかもしれませんね。

今回の記事のもうひとつの意味

今回、中日スポーツのような地元紙だけではなく、全国紙に報道されたことが一番大きな効果でしょう。より実現に近づいたと見て良いと思います。ただ、完成は10年先でしょうかね？