名古屋グランパスから2016年3月18日、名古屋グランパスU18の4名が二種登録されることを発表しました。
http://nagoya-grampus.jp/information/pressrelease/2016/0318u18-6.php
この4名の人となりについて調べてみました。本来でしたら、名古屋U18をずっとおいかけていらっしゃる方々に聴いたほうが適切だとは思いますが、自分なりにわかったことをまとめます。
梶山幹太
4月から3年生になる梶山幹太選手は、中盤の司令塔の選手です。U18サッカー日本代表など、各年代別代表にもたびたび選出されており、実際に見たことがある試合では2年生ながらに中盤で君臨し、よくボールを収めながら小気味よくボールを捌くことができる選手でした。ちょうどプレー的には田口泰士選手を彷彿とさせる選手です。時折みせる鼻っ柱の強さもイメージが重なります。
かつての吉田麻也がそうだったように、新潟からサッカー留学で名古屋U18に来ている選手のうちの一人です。
(動画撮影・公開 Tomoya Otsukaさん https://www.youtube.com/channel/UCGLKmMzi3r3UhBH5eq2zbLg )
上の動画のように捌いて、前に上がっていくことができてフィニッシュにも絡めるというのは希有な選手です。そこだけを取れば、ある意味田口泰士選手よりも現代的なセンターハーフらしい選手と言えるのかもしれません。
実はセンターハーフをはじめたのは2年の途中からで、それまでは1年の頃にトップ下、2年のはじめはサイドなどと高校時代に様々なポジションをこなした経験があるのも田口泰士選手と被るところです。そしてなによりテクニシャンです。
今年のJユース選抜の試合で、変態的なテクニック(褒め言葉)と賞されたそのテクニックは、実はフットサルで培われたものでした。彼が所属したFC五十嵐ジュニアユースは新潟のチームです。平成13年にできたばかりのチームで、週4回の練習のうち、2回は体育館で行わなければならないことがありました。体育館で行っていたのが基礎トレーニングのほかにフットサルと思われ、その結果中3のときには全日本ユース(U-15)フットサル選手権で全国一になったこともあります。複数ポジションをこなせるマルチロールさも、フットサルの多様性の影響かもしれませんね。
※動画はフルマッチで55分ありますのでWifi環境でご視聴ください
身長がちょっと低く、線が細いことが気になりますが、サテライトリーグでもほかの若手Jリーガーと遜色ないプレーをでき、ゴールも挙げています。年齢的にも大学を出るころにはベテランになった田口泰士選手とポジション争いするのにちょうどいい年齢差で、将来の名古屋を支えてくれる存在として期待できます。
※やくとしゃちさんから補足いただきました。
@grampus_kun ありがとうございます。梶山幹太についてひとつ。彼は昨年名古屋U18が参加したシュチェチン国際ユースで大会MVPに選ばれており、同じく得点王を獲得した北野晴矢と同じく現地の評価が非常に高かった選手です。
— やくと しゃち (@JagdOrkus) March 18, 2016
@grampus_kun 北野が彼らから直接オファーを受け入団した経緯と、彼らが「このパートナーシップは我々にとって未来あるもの」(本当に言ってる)を考えると、梶山も含めた彼らがトップに昇格しなかった場合、名古屋の育成はまた優秀な選手を海外に流出させることにもなりかねません。
— やくと しゃち (@JagdOrkus) 2016年3月18日
田中彰馬
田中彰馬選手は今年のシーズン前の春季キャンプに参加して、大きく評価をあげた選手でした。名古屋グランパスU12に途中から入り、U15を経由して長らくグランパスに所属してくれているのは嬉しいですね。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/grampus/news/201601/CK2016012402000081.html
この記事のころから2種登録が取りざたされていました。主に右サイドの攻撃的ポジションをこなす選手です。
(動画撮影・公開 JagdOrkusさん https://www.youtube.com/user/JagdOrkus )
ここでは森選手のコーナーキックに合わせて逆転ゴールを決めています。
複数のビデオを見させていただいたのですが、本当にいろいろな得点パターンを持っている選手ですね。裏抜けでゴールをとったり、詰めたり、クロスに合わせたり、様々な得点パターンを持っています。そういった引き出しの多い選手のほうが上にいったときに得点をたくさん挙げられそうな気がします。おそらくおおまかな進路が決定するのは7月くらいだと思いますが、大学を経由するにしても、昇格するにしても、他の選択肢を選ぶにしてもさらに成長して、グランパスで活躍をして欲しいですね。サイズ的にはちょっと小さめですが、自分のイメージでは今のグランパスで近い選手というと松田力選手が近いかもしれません。(個人の主観です)
深堀隼平
深堀選手も攻撃的ポジションです。昨年の試合では右に田中彰馬選手、左に深堀隼平選手が入ることがありましたが、田中彰馬選手がMF登録なのに対して、深堀選手はFW登録です。
(動画撮影・公開 Tomoya Otsukaさん https://www.youtube.com/channel/UCGLKmMzi3r3UhBH5eq2zbLg )
このビデオが、深堀隼平選手の特徴をよく表していると思います。背番号12で前半は左サイドで、後半は途中から右サイドにまわっています。左サイドで幾度となく勝負しており、得点のシーンではよく詰めています。名古屋は裏抜けの得意な選手は多いのですが、サイドで勝負できるタイプの選手は多くはありません。そういう意味ではちょっと面白いバリエーションをトップチームに与えてくれる選手かもしれません。
彼についても複数のビデオを見た感想は、今のグランパスで近いタイプはあまりいない、貴重なウィンガータイプなのかなと思いました。将来が楽しみな選手です。
青山夕祐
青山選手は昨年度1年生ながらもセンターバックのレギュラーとして定着した選手です。1年生時点で、すでに身長は179cmと、最終的には180cm代に到達することが確実です。
背番号26をつけた選手が青山選手です。この試合では、FC東京U-18の上手い攻めに相当苦労をしていましたが、十分にファイトできる選手だということはわかります。また今年から2年間ステンリー・ブラードコーチの指導を受けることができることも幸運です。素材として楽しみな選手です。
名古屋は現在、センターバックが3名という編成ミスとなっており、最低でも夏まではサテライトリーグでプロと対戦し続けることができるというところも幸運です。いろいろ吸収してくれることを楽しみにしています。
名古屋の将来を支える存在として期待
4人の二種登録というのは過去あまり例を見ない施策です。
二種登録が行われたからといって、そのまますぐにトップ昇格はされるわけではありません。おそらく大学を経由して結果を残してきてくれ、といって送り出すことになると思います。しかしこの4人であれば現在1年生の高尾、2年生の小島のように結果を残し、将来はグランパスに帰ってきてくれることを信じています。
たとえ4人がグランパスに帰ってこなくても、今年の奥山のように良いキャリアを積めるきっかけになるかもしれません。彼ら4人の成長に役に立つ二種登録になることを祈っています。