始めに:1~2節と、今節との違い
1節および2節では小林裕紀、和泉竜司、長谷川アーリアジャスールによって構成された中盤がピッチ上の広い範囲に顔を出し。中盤でボールを保持しつつ前進していました。相手の攻撃にさらされようとも、主に中盤+サイドバックでボールにアタックし、好きなプレーをさせなかった。その上で菅原ホーシャがボールを奪っていた。そんな1~2節でしたよね。しかしながら、今節ではアーリアが体調不良で欠場、八反田康平が代わりに出場しました。まず、アーリアではなく八反田。これが違い。
一方、湘南の守備も、ガンバやジュビロとは違い、かなり前から激しく当たってきつつも引くところはちゃんと引いてスペースを消していました。現時点ではガンバやジュビロと比べて、湘南の守備はグランパスにとってかなりプレーし辛かったでしょう。これも違い。
焦点:前半27分ごろの攻防
例によってCBの中央まで落ちてボールを貰った小林から和泉へパス。相手FWの目の前でボールを持つ和泉ですが、そこにはプレスはかかりません。そして和泉から八反田へボールが渡った瞬間に湘南のイ、松田、秋野が3人で囲い込みます。八反田はボールを失いかけますがかろうじて小林がリカバリしました。この状況から、湘南は中央ではFWとボランチの間にボールが入ったところでプレスをかけていたとわかります。八反田も、そして和泉も中央ではそのプレスの網にかけられていました。
その後、小林がボールを持ってパスの出しどころを探すも、和泉と八反田が縦方向に被ってしまい、そして青木、宮原、秋山へのパスコースはケアされている。そうすると小林にとってセーフティな選択肢は菅原かホーシャへのパス。これでは、今年のグランパスの売りの一つ『縦への速さ』はなかなか発揮できません。
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その後、小林→ホーシャ→青木と繋ぎ、青木がドリブルで相手の石川を剥がして前進&和泉へパス。和泉が持ち出した状況です。ここからわかるのは次のとおり。
- 八反田と青木が同じスペースを使おうとしていること。
- 秋山は高山、宮原は杉岡にそれぞれ前のスペースを切られていること。
- 中央を固める。中央突破させない。
- グランパスに両サイドの低めにボールを出させる。高めにはボールを出させない。
- サイドの低めにボールが出たら、寄せて行ってできればボールを奪いきる。
- カウンター。
との流れです。試合後の和泉のコメント
全体の距離感が大事だと感じました。全員がいい距離感でやっている時は攻撃も守備もうまくいっている
はまさに湘南に『してやられた』実感のこもったものではなかったでしょうか。
相手の守備を上回ろう
湘南を参考に、同じように守ってくる相手がきっと今後も出てくるでしょう。それでは、どうしたらいいでしょうか? この試合のグランパス最大の決定機、77分の青木のシュートシーンにその回答があると思います。シャビエル、ジョー、青木という、グランパスが誇る『個』の3人。その3人が湘南に固められた中央を突破してシュートまで行った。1試合に1度成功すれば良いようなとんでもないコンビネーションでしたが、これをどんどんやれるようにしようというのが風間監督の指導ですよね。中央を固められても、狭くても、相手の逆を取ってしまえば『固くない』『狭くもない』。そういう攻撃が今後見られるように、応援したいですね!
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最後に言いたい
相手に上手く守られた結果なのでしょうけど、八反田といい和泉といい青木といい、お互いのスペースに干渉し過ぎではなかったでしょうか。良い距離感とは、遠すぎても近すぎてもいけないですよね。敢えて遠ざかることも時には必要でしょう。
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最後にもう一つ言いたい
ジョーを使おう
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