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[コラム] 菅原由勢をプロ契約すべき理由

菅原由勢選手は、日本の宝になる(かもしれない)

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第4節のハイライト動画です。

わたしはこの試合を見て、課題もたくさん見つかりましたが(そこはきっとラグさんがまとめてくれるはずです)、なによりもこれだけチームとしての統制の取れた守備をできたチームに感動しました。その最終ラインを支えていたのが去年からいた宮原和也選手であり、櫛引一紀選手であり、そしてそのなかで一際安定感を誇っていたのが菅原由勢選手でした。大島僚太選手や小林悠選手、中村憲剛選手、家長昭博選手らの日本代表クラスの選手と正対して、一歩も引かない素晴らしい守備を見せてくれました。彼は将来日本代表にも選ばれるのでは、どころか、日本代表を支える選手になるのでは?とさえ思わされました。彼は大切に育成すべきでは、と感じました。

アマチュア契約ではお金は貰えない

菅原由勢選手は、第4節で4試合のフル出場を果たし、360分の出場時間を得ました。
まだ俗称2種登録選手(正式には 「第2種トップ可」選手としてJリーグ登録されている選手)ですので、実は報酬は得ていません。

これがアマチュア選手の誓約書です。第4条に挙げられているように、基本的に費用以外は支給義務はありません。(項番6の、その他クラブの認めた手当として勝利給を払ってくれるチームもあるようですが、グランパスがどうかはわかりません)いずれにしても正当な報酬を得ていないと思います。タダでもいいからプレーしたい、と思うのは最初のうちだけです。それが長期間にわたってくれば、正当な評価を得ていないことはモヤモヤになってモチベーションを落とすことになるかもしれません。適切な評価と、適切な負荷が成長の重要要素です。それを彼に用意することは義務なのではないでしょうか。

現在Jリーグには選手登録はしていますがアマチュアではあるので、他のチームがプロとして来年度の獲得をすることも可能なのです。考えたくはないですが、適切な評価をできなければ、そういうチームに奪われて仕舞う可能性もゼロではありません。

これから誘惑は増えてくる

J1リーグで活躍をすると、J1のチームだけではなく、様々な誘惑が増えてくる可能性が高くなります。特にサッカー選手ならば海外主要リーグで活躍することを夢見ていることがほとんどではないでしょうか。君ならすぐに主力として活躍できるよ、そんな甘い言葉で誘ってくる代理人は10人、20人と出てくることでしょう。

まずは、フットボリスタの以下の記事をお読み下さい。

■「0円の選手」=「0円の価値」
浅野「ただ、これはあらためて強調しておきたいのだけれど、安いお金で獲ってきた安い選手は安い扱いを受けますよ、ということ。これは欧州が今ビジネスの論理で動いているから」
川端「大事にされない。千尋の谷底スタート」
浅野「しかも、コロンビアとかカメルーンとかいろいろな国のハングリーな選手たちとの競争だからね。日本人がそこで成功するのは本当に容易じゃないと思う」
川端「言葉の壁もデカいしね。まあ、現状としては日本人の10代は狙われている実態の数ほどには出て行っていないと思う。先日もあるJユースの選手が欧州の有名クラブのオファーを蹴ったという話を聞いたばかりだけれど、やっぱりそこに簡単じゃない壁があって、リスキーな挑戦だという認識自体はあると思いますよ」
浅野「Jリーグに入ってプロとしての自分を確立するところまではやった方がいいと思うよ。それは日本に限らず、オランダだろうとフランスだろうと言えることだと思うけれど」
川端「そうなると、ちゃんとした移籍金を払った投資対象として欧州の舞台へ行くことになるしね」
浅野「それはもう、扱いがまるで違う」
川端「さっきの『選手=株式』の論理で言えば、5億円で取得した株(選手)をまったく起用しないで、シーズン終わった時に2億円になっていましたというのはビジネス的には大失敗だからね」
浅野「そう、絶対に許されない行為」
川端「絶対に経営からプレッシャーがかかる。でも0円で獲得した選手がシーズン終わっても0円でしたというのは、ビジネス的には何でもない。だから現場にプレッシャーもかからない。だから岡崎慎司はシーズンの最初の方は使われない(笑)。あれは監督が岡崎の良さをわかってないということではなくて、高い金を払って獲ってきた選手を使わないという選択肢が現場にないからでしょう」
浅野「だから安い移籍をしたらダメなんだよ。移籍金って、選手の『株価』だから」

バルフットボリスタ:「0円移籍」はなぜ危険なのか。欧州サッカー移籍ビジネスの論理より引用

思い起こされるのが、昨年J1昇格プレーオフ決勝で闘った相手であるアビスパ福岡に在籍していた、冨安健洋選手です。彼はベルギー・シントトロイデンに移籍しました。彼も守備的中盤もしくはセンターバックをこなす選手でした。

――冨安選手のことはいつからチェックしていたのでしょうか?
「彼のプレーをちゃんと見たのは、シントトロイデンの経営権取得に関して交渉してる合間にU–20ワールドカップを韓国に観に行った時でした。各国のスター候補に対峙しても物怖じしない性格とプレーにスケール感、凄いものを感じて、そこからずっとチェックしていました」
――彼に期待することは?
「アビスパ福岡の選手として戦った昨年のJ1昇格プレーオフ決勝で、名古屋グランパスのシモビッチ選手とやりあった激しさを求めています。シントトロイデンは守備が要のチームなので、守備面での貢献に期待しています」

あのDMMがなぜ!?日本企業がベルギーのクラブを買収したワケ より引用

ある程度の期待をこめて獲得がされたようですが、今現在、チームの記録を見ている限りでは残念ながらベンチ入りもできていないようです。https://www.stvv.com/nl/wedstrijden/2017-2018/jupiler-pro-league。まだ結論を出すのは早いですが、出場ができるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。将来を嘱望された選手が、重要な20歳前後を控えで時間をすごしてしまう可能性はあります。

※補足:富安選手は怪我での出遅れで、現在まだリハビリ中だそうです。情報いただいた皆様ありがとうございます。

https://twitter.com/del_sole06/status/975929830993612800

スポンサーやオーナーの求めに応じて移籍することも良いのですが、基本的に求められて移籍していかなければ出場枠を得ることは難しいようです。Jリーグできちんと実績を残し、語学をしっかりと学び、そして求められて、きちんと移籍金を払って貰って移籍するのが一番です。アマチュア契約では移籍金は得られません移籍金は残り契約年数と契約年俸によってだいたい決定されます。菅原由勢選手が適切なキャリアを得るためにはできるだけ長いプロ契約(最大5年)を結び、きちんとA契約としての適切な報酬を得られるようにするべきです。彼が自分を安売りをせずに済むようにしなければなりません。

グランパスは幸いにして、移籍金を収益の根幹に据える必要はないチームですが、優秀な選手がいれば欧州への移籍を完全に妨げることはできません。妨げられないならば、安売りによって成功できないキャリアを歩んでしまうことがないようにするべきでしょう。それがチームと選手の両方のためです。

間接的には、チームにも影響がさらに出るでしょう。移籍した選手が適切なキャリアパスを歩めなければ、「あそこに行ってもいいキャリアを歩めない」と判断がされ、有力な新人が得られなくなるでしょう。鹿島アントラーズが有力な新人を獲得できる理由の一つには、鹿島アントラーズから海外にいった小笠原満男や内田篤人のキャリアパスが影響を与えているのではないでしょうか。グランパスも菅原由勢選手に対して、適切な評価と、プロ契約での適切な報酬を与えるべきです。あそこのU-18チームにいけば、菅原由勢選手のようになれるかもしれない、そういう評判がユースチームを強化し、ひいてはトップチームを強化することになるはずです。

ですから、グランパスは450分のA契約の枠を満たしたら、すぐにでもプロ契約選手として遇するべきです。そして来たるべき日に備えるべきです。今後20年のグランパスを支えてくれるという道も心の底では期待しているのですが。

でもU-18とはきちんと話し合って欲しい

忘れてはいけないのが、現在の菅原由勢選手の本籍は名古屋グランパスU-18であるということです。成瀬竣平選手や藤井陽也選手、萩野滉大選手もトップチームで出場機会を得ていますが、本来の所属チームを差し置いてトップチームのことだけを考えるわけにはいかないでしょう。U-18チームとの関係は友好的であるべきです。

今後のことも考えて、U-18チーム、古賀監督とのきちんとした合意が得られることを願っています。

 

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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