グラぽの感想
こちらのビデオを見ていても、DAZN放送でのスタッツを見ても、名古屋の数字はそれほど悪いわけではありません。しかし、鈴木優磨と金崎夢生らの個の力に敗れたイメージをグラぽは持ちました。得点はいずれも縦に早いショートカウンター。1点目は鈴木優磨にグリグリとこじ開けられ、2点目も山口一真のプレスに小林裕紀が敗れた形になりました。
しかしシャビエルがいなくても、それなりにボールを握ることもできました。プレビューで課題に挙げた攻撃の組み立てについても小林裕紀の助けを借りながらある程度達成できていたと思います。その小林裕紀の助けを借りて、というところが2失点目に繋がってしまったのは皮肉にも思えますが。
鹿島アントラーズの狙い
鹿島アントラーズは名古屋グランパス同様、勝ち星に恵まれずにこの試合に対して相当大きなプレッシャーがあったかと思われます。
いろんなことがある中で、今日の試合の重要性というものをいろいろ選手に話をしました。それで選手が気持ちの面も含めて、ピッチで表したプレーがすべてを物語っているんじゃないかと感じています。サポーターの方もあれだけの後押しをしてくれて、サポーターの皆さんに勝利を届けられて良かったと思います。
この試合の鹿島は鈴木優磨と金崎夢生を活かして、前線からのプレスを中心としたショートカウンターを最初から意図を込めて実行してきました。何回もそれを防いでいきましたが、得点の欲しいグランパスの重心はどうしても前目、それに対するカウンターは有効でした。
守備陣の頑張りによって、何度もピンチを凌ぎましたが決壊してしまいました。
そもそも名古屋グランパスの戦術の核は、相手陣内に「押し込む」ことです。押し込めば選手の大多数は敵陣に入ってしまいます。必然的に守備陣は高い位置にいかないと中盤が大きく空いてしまいます。なので今年のグランパスの守備陣はかなり高い位置=ゴールから遠い位置にあります。
ということはグランパスの守備陣に1対1で勝ち、1枚剥がせば、広大なスペースが広がっています。1点目も2点目もまったく同じスペースを使われました。
田中マルクス闘莉王や大武峻が風間グランパスに迎えられなかった理由は
2018年の名古屋グランパスの戦略的にはハイラインの裏を破られるリスクは避けようがありません。そうなると名古屋グランパスのDFに求められるスキルとしては、ある程度の脚の速さがあるのではないでしょうか。名古屋グランパスを2016年支えてくれた大武峻と田中マルクス闘莉王は脚が決して速いほうではありません。彼らが去ることになったのも実は戦術的な理由があったのかもしれません。
対策はなにかあるのか?
風間八宏監督は以下のように試合後語っています。
ベースの部分で言えば、選手たちは素晴らしいパフォーマンスを見せたと思います。というのは、これだけゲームを支配できるのは、ハーフコートがだんだん自分たちのモノになってきたな、というところはあります。ですけども、試合を勝ち切るためには最後のところのゴール前。特に今日はかなりチャンスを作りましたけども、判断の部分でシュートを打たない場面があったり、ペナルティーの中に入ったときの落ち着きをもう一つ作っていかないといけない、あるいは養ってもらわないといけない、というゲームでした。
--内容は改善が見られたと思いますが、それを勝点につなげるためには何が必要か、ということと、後半、ジョー選手に指を指して指示を出されていましたが、どのように点を取らせるのが一番良い形だと感じていますでしょうか?
一つは後半、ジョーに指さしてないと思うんですけど、ジョーの使い方はみんな分かってきたということと、押し込むことはできているので彼のポジションを見ながら、もちろん高さもありますけど、周りの選手がそこにどう入っていくかということ。そこのところを作っているところだと思います。あそこのところで点を取るには、そういう細かさも必要だと思います。やっぱりゴール前の“止める”と“運ぶ”がブレてしまったりだとか、完全にシュートコースはあってもシュートを打たなかったりという判断ミスがあるので、そこをやっていかないと迫力は出てこないかと思います。
まずは先制点を取ることです。風間八宏監督の考えでは、点を取って、ハーフコートでボールを握り続ける。守備が難しくなっても、守備の機会を少なくすればいい、そう考えているのがよくわかるコメントです。
どうやらシャビエルやホーシャなどの名古屋グランパスの強い個が戻るのも近そうです。そうなればまたハーフコートでボールを握り続ける理想に近づくことができるのではないでしょうか?
次の試合に期待が持てるようになってきました。