「18日の試合には登録期間の関係で補強選手をまだ使えません! 現実です! これが現実!」
長い中断期間で限界まで高められたグランパスファンの希望は登録期間という現実に打ちのめされ、浦和に負けた事実に奈落に突き落とされました。しかもCKから3失点というけっこうなレア展開。公式の選手コメントによると、どうもマンマーク守備に切り替えたら練度がイマイチでやられた、との状況のようですが…。それでも内容にはポジティブな変化も見られました。ピックアップしてみましょう。
攻守のフォーメーションはこんな感じ。
ビルドアップの改善
1.下がりすぎない小林
前半戦のまとめ記事でも振り返ったように、グランパスの攻撃時には、小林がCBの間にポジションを落とすプレーが常態化していました。それは数的優位を得るためでしたけど、グランパスのDFラインにプレスに来る相手FWが1枚ならば、小林が落ちなくてもCB2人だけで数的優位を得られますよね。不必要な場面でも小林が落ちることで、本来もっと前目の中盤で得たい数的優位を得られない。そんか光景が中断前には目につきました。
それでは、この試合ではどうだったでしょうか?
浦和の選手でこちらのDFラインにプレスに来るのは原則として興梠1人でした。つまりCB2人で数的優位を得られる、小林が落ちる必要の無い状況です。それに対して、試合開始直後ではやっぱり落ちていた小林でしたが、立ち上がり5分を過ぎたあたりからDFラインまで落ちるプレーはほぼしなくなり、DFラインの一列前を維持していました。
結果として、中断前には攻撃が行き詰まりがちだった中盤のスペースでボールが回りやすくなっていたように思います。
2.下がってから前に出るアーリア
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DFラインの一列前を維持する小林に対して、その代わりに機を見ては下がってボールを受けていたのがアーリアでした。そんなアーリアの長所『ドリブルで前進できる』が発揮された場面が何度かありました。
目の前の相手をドリブルで剥がして前進すれば、そもそもパスを出す必要がなくなる。シンプルかつパスカットを狙う相手には有効な手段です。
燃え上がる『エドゥアルド・ネットの相方どっちだ問題』
この試合、小林もアーリアもかなり気の利いた良いプレーをしていたように思いました。例えばフットボールラボ(http://www.football-lab.jp/nago/report/?year=2018&month=07&date=18)においても攻撃貢献度では1位アーリア、2位シャビエル、3位小林との数値です。二人の能力の優劣を独断と偏見で評価すると、
- パス出し 小林 > アーリア
- 視野 小林 > アーリア
- ドリブル 小林 < アーリア
- 俊敏性 小林 < アーリア
- 受ける技術 小林 < アーリア
- スタミナ 小林 > アーリア
- 個人守備力 小林 = アーリア
という感じで、どちらもそれぞれ長所を持つけど攻守最強スーパーマンではない。とすると、その日の調子や、あるいはネットとのプレー&精神的な相性の良い方が当面の相方を勤めることになるでしょう。ネット・小林なのかネット・アーリアなのかドキドキしながら22日の試合を待ちましょう。
勝点を掴まなければならない試合がやってくる
22日の広島(首位)、28日の札幌(5位)、8月1日の仙台(8位)と、風間方式とは正直なところ相性の悪い相手が続きますが、この3試合でなんとか勝点4くらいを掴んで弾みをつけたい。近年の平均残留ラインは勝点35前後ですから、単純にすれば9勝分の勝点が必要です。とうとうグランパスでデビューするであろう、中谷、丸山、ネット、そして前田を絶賛するレビューを書かせてもらえるような試合に期待したいですね。