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2018年明治安田生命J1リーグ第21節鹿島アントラーズ戦レビュー トヨスタ43579人の夏、何故かそこにいた金井の夏

説明しよう! 豊田スタジアムでのグランパス公式戦において過去の最多入場数は38966人! 入場数4万人は去年のあのプレーオフ決勝ですら達成できていない夢の数字で、クラブの重要な達成目標なのだ! この鹿島戦は事前に『全席チケット完売』の公式リリースが出るほどで、夢の4万人達成かとクラブもファンもドキドキしていた試合なのだ!

真夏の夜に鹿島アントラーズを豊田スタジアムに迎えた一戦、遂に達成した夢の4万人超の入場者数。非公式戦を含めても最多入場者数を更新する大入りで、トヨスタ4階席の上の方まで埋まっていたのはエモい光景でした。特に後半では、皆さんの手拍子一つとっても、ものすごい地響きで、ファンの数の力というものをこれほどまで具体的に感じられる機会もなかなか無く、本当に素晴らしい場でした。

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(画像は名古屋グランパス公式ツイッターより引用)

さて、試合は『グランパスのロングボールを交えた押し込み攻撃&カウンター』vs『鹿島のショート・ミドルカウンター』の構図で進みました。メンバーでは、和泉が急遽欠場し、まだ万全ではないエドゥアルド・ネットがスタメンのグランパス。一方、鹿島も小笠原が出場停止、昌子が怪我で欠場。特にディフェンスリーダー昌子の欠場は鹿島にとって痛かったでしょう。結果的に、得点は双方のカウンターの刺し合いから生まれ、チャンスをものにしたかどうかの差が勝敗に直結した形となりました。印象に残った場面を参考に見ていきましょう。

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見えてきたグランパス攻守の共通理解

グランパスは守備時4-4-2で試合スタート。

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攻撃ビルドアップ時には3-4-3的な何かに可変します。

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これらの基本形を前提に、ピッチでは何が起きていたでしょうか?

ビルドアップのお約束:絶対に最終ライン3人を維持

最終ラインからのビルドアップ時のお約束として、小林が2CBの間に落ち3バック化し、相手の2FWに対し数的優位を得ようとしていた過去のグランパス。ではエドゥアルド・ネットが出場してどうなったでしょうか。

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ネットが2CBの間にやはり落ちて、小林がその斜め前方に位置する。これが基本形でした。今年の中断前までの小林+誰かの時には、その誰かが小林のフォローに来ることこそあれども、2CBの間に落ちる役目は必ず小林が行っていました。しかし、ネットが出場するとその役割はまずネットが担当。それだけではなく、この試合中、ビルドアップの選手配置も前線がそうであるように流動的に変化していました。

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ネットが前目に入って小林が落ちたり

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丸山、中谷、宮原の3枚+その前方に小林、ネットの2枚だったり

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金井、丸山、中谷の3枚+ネット、小林だったりしました。

共通しているのは、構成メンバーが変化しても、原則として最終ライン3枚を維持すること。中断前までの勝てなかった理由の一つは『ビルドアップできないビルドアップ』でしたけど、この試合の選手達からは絶対に後ろで致命的なロストをしないという意思が伝わってきたように感じました。

守備時のお約束:前プレは3人で

グランパスに一応守備の約束事っぽい現象が観測されました! それが監督の指示なのか選手どうしで話し合った結果なのかは不明ですが!

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相手最終ラインにジョー、シャビエル+前田or玉田の3人でプレスに行き、玉田or前田のプレスに行かない方は下がるという守備の約束事。まさかそんな日が来るなんて。前は適当に寄せるも後ろは連動せずむしろ間延びするグランパスの守備はもう昔のものとなりました。その前プレは激しいものではなく、相手陣地でボールを奪い取るというよりは相手のビルドアップやロングカウンターの妨害狙いだったと思われます。それでも、対グランパスの鉄板カウンター『逆サイド前方へのロングキックからカウンター』を食らわされた場面はそんなに無かったので、それなりに機能していたのでしょう。丸山も中谷も競り合いにはけっこう強さを見せていますし、彼らが相手のロングキックに準備する時間さえ稼げれば十分という割り切りもあったはずです。最低限の守備をやるようになった結果がグランパスの1点目だったのかもしれません。

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前プレ=相手陣地でボールを奪ったわけではありませんでしたが、鹿島の鈴木がボールを受けたところをネットが潰し、縦に早い展開からジョー。

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こんな早いカウンターでの得点なんていったいいつ以来でしょうか。得点パターンの増加は今後に向けて非常に好材料です。

一方、それだけ前プレするということは、特に守備時に両サイドのプレーヤーの走行距離が必然的に増加します。すっかりチームで1番走る姿の定着した前田はともかく、玉田の足が後半から明らかに重たくなっていました。やや強行出場だったネットもピッチ中央でやはり動きが鈍くなり、後半ではグランパスの左サイドを中心に鹿島に押し込まれる時間が長くなりました。そんな中、数的優位を確保していたはずの自陣でのビルドアップ中にネットが不用意なボールロストし失点。

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後半立ち上がり(後半5分)での失点で、ガクッといきそうな試合展開です。

 

しかし、グランパスには刺客がいました………そんな試合を左サイドからじっくり観察していた必殺の刺客が!

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何故そこに金井

皆さんご存知のとおり、後半に金井がまさかの2得点。しかも2点ともセットプレー等ではなく、流れの中で『何故かそこ(相手ゴール前)に金井』がいて、シュートを決めていました。リアルタイムでは本当に

「なぜそこに!?」

でしたけども、金井本人がかなり詳細にコメントしてくれています。

(公式→https://inside.nagoya-grampus.jp/inside/detail/?sid=347&cid=99

無料部分からでもわかる本人のコメントも参考にしつつ、状況を読み解いてみましょう。

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前2試合ではビルドアップ時に中に入って組立に参加していた金井。今節では玉田が内に位置しがちで、金井は左サイドの大外に多く位置していました。大外からじっくりと中の様子を観察していたであろう金井は、具体的には『自分が上がっても大丈夫なのか、大丈夫じゃないのか』についての情報を集めていたのだと思われます。

グランパスの2点目

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宮原の突破からシャビエルにパス。ここで金井は恐らく『ボールロストしない』or『もしロスとしても致命的なカウンターはくらわない』との判断で前に走ります。

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そしてシャビ→前田→金井ときたボールを相手の位置を確認した上でループ気味のシュート! ビューティフルゴールでした。

その後の3点目も、右起点での攻撃が多くなったグランパスの状況を前田が見た結果なのでしょう、丸山のロングパスからのこぼれ球を『カウンターにならない』と判断したのであろう金井のゴール前への詰めから生まれたものでした。冷徹な視野を持つ金井の状況判断力は、特に攻撃面でグランパスのこれからを支えてくれそうです。

最後に

ここにきて攻守のお約束が姿を見せ始めたグランパス。それでも根本的には『選手の最高のプレー』の相乗効果として最高の結果を求める姿には変わりありません。今年の夏に限っても、選手の入れ替え等々、色々ありましたが、僕たちのグランパスの基礎はようやくできてきたのかなと思います。選手それぞれの思い描く最高のプレーが、僕たちファンの最高の感動を想起してくれることを祈って、次の横浜Fマリノス戦、応援しましょう!

namzai

Comments & Trackbacks

  • Comments ( 2 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. ロングボールの話がツイッターで話題になってますが風間さんのサッカーって点から点ならいいんですよ。
    点から面ではない。これが分かってればパスの長い短いは気にならないかなと個人的には思います。
    ただ点から面でも相馬みたいに100%勝てるならそれも有りなのも風間さんらしいと思います。

    • 大変興味深いご意見ありがとうございます。
      察するに川崎サポの方でしょうか?
      点と点がグランパスでもようやく繋がりつつあるように思える昨今ですね。

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