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2018年明治安田生命J1リーグ第26節Vファーレン長崎戦レビュー 上手くやれなかったグランパスと、上手くやった長崎

負けました! どうしてこう長崎にやられてしまうのか。敵を飲んでやれと思ってたら逆に飲みこまれてしまった。その飲みこまれ方がいかにも高木・長崎の仕業でお前らいい加減にしろどんだけ対策してきたんだと文句の一つも言いたくなります。いや実際に主にツイッターで大いに文句を言いましたが。お目汚しですみませんすみません。

グランパスの負け方=長崎の勝ち方には両チーム・監督の志向が大いに表れていたと思います。ファンの皆様には耳タコかもしれませんけど、風間・グランパスは『選手を伸ばす』『伸ばした選手の共通理解』『個々の選手の得意なプレーの組み合わせで勝つ』ことを目指すチームですよね。一方、高木・長崎は『まずは走れるように選手の心身のコンディショニング管理』『相手チームの弱点を徹底的に突いて勝つ』ことを目指すチーム。どちらが優れているという話ではなくて、勝利に対するアプローチがまったく異なるチームどうしの戦いでした。前節の磐田戦とは真逆の、グランパスへの対策に徹した長崎に屈したグランパスの現在の実力は『徹底的に対策されたら負ける』だとハッキリしました。結果に大いに影響したと思われる要素を順番に振り返ってみましょう。

中断期間・約2週間の時間の使い方

グランパス

公式の選手コメント等から、守備のハイライン化に着手したと報じられていました。ハイライン化するならば、『相手をより押し込む』『ボールロスト時の即時奪回プレッシング(ゲーゲンプレッシング)の強化』あたりが狙いだと思われます。自分たちを改善し、実力をより高めることに重点を置き、2週間取り組んだんでしょうね。

長崎

試合内容・結果を見る限りにおいて、『連敗、最下位で自信を失っているであろう選手達のメンタルコンディション改善』『現在のグランパスへの対策の仕込み』を徹底的にやってきたと思われます。今節の試合に対する準備という点に限って言えば、2週間をより有効に使ったのは高木監督だったのでしょう。

長崎のグランパス対策

統率された守備

長崎は大きく分けて3段階の守備をしていました。

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長崎の攻撃時の、後ろ5人を残してグランパスのカウンターをケアする守備。

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グランパスのビルドアップを阻害できそうな場合の前3人の守備。

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ビルドアップを阻害できなかった場合には即PA付近まで撤退し5-4-1で中央突破を防ぐ守備。特に5-4-1ブロックは多くの時間で有効に機能していました。相手のブロック手前でボールを持ったグランパス選手がパスの出し所を探す姿も目に付きました。

デザインされたカウンター

ブロック守備から狙い済ましたロングカウンターでグランパスの左サイドを突く。それが長崎の狙いでした。最も完璧な、狙い通りの形だったと思われるのは、長崎の2点目でしょう。

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グランパスがピッチ中央~グランパスの右サイド入って来た所でプレスしボールを刈り取る。グランパスが右サイド寄りにいるということは、左サイドにはスペースがある。

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そこへ右シャドーと右WBが全力スプリント。カウンターで攻め上がるのは長崎の前3人+WBのどちらかだけの計4人に留め、ボールを失った場合のグランパスの速攻に対するケアを怠らない。

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グランパスの守備の準備が整う前にサイドに展開され、丸山、中谷がややサイドにつり出されたところで宮原vs鈴木武蔵のヘディング勝負。敵ながら完璧なカウンター、褒めるしかありません。細かい違いはありますが、1点目も3点目もグランパスの中央~右サイド寄りから左サイドに展開されての同様の失点でした。こう書いているとグランパスの完敗だったような気もしてきますが、最終スコアは3-4と1点差で、一時は2-1と逆転しリードしていました。グランパスも完全にやられたわけではなかったですよね。では、勝敗を分けた決定的な要素は何だったのでしょうか?

状況についての精神的な仕込み

ズバリこれだと思います。長崎・高木監督の仕込みは色々あったかと思いますが、その中に『残り時間と得点状況別のやるべきプレー』は絶対にあったはずです。例えば前半のうちにリードしたらどうするか、後半リードされていたらどうするか、等々。長崎は勝点的にこれだけ厳しい状況なのですから、逆転されたら選手の足が止まってしまっても不思議ではありません。ところが、グランパスの逆転後に長崎の選手達は下を向かずにカウンターを繰り出してきました。よっぽど事前に精神的な準備をしていなければ、そしてどういうプレーをすべきか仕込まれていなければ、絶対にできないことでしょう。対するグランパスは恐らく『リードされたなら取り返す』『多くのリードを奪って勝ちきる』を基本としていると思われますし、連勝中の慢心がやはりあったのかもしれません。逆転したところである程度ゲームをコントロールすべきだったのに、そのまま攻撃してカウンターを食らってしまった。もちろん、1点リードはセーフティスコアではありませんから、追加点を取りに行くこと自体は悪くない。問題は守備リスクを計算していたとは思えない攻撃をしてしまったこと。まだまだ『上手くやれない』グランパスです。

それでもジョーや前田が点を取ってしまう

長崎の仕込みにやられ、中断前までだったら1-4とか0-3等のスコアで負けたと思われるグランパス。長崎の5-4ブロック守備はカチコチでしたが、それでも前田の個人技であったり、丸山→ジョーのホットラインであったりで点を取れちゃうんだからすごい。全体としてはイマイチであっても、今のグランパスの攻撃陣にある程度良い形でボールが渡ってしまえば得点できるということです。『個に頼っている』と言えばそれまでかもしれませんけど、個だろうがなんだろうが大事なグランパスの戦力です。何も恥じることは無い。いざとなったらジョーが点取るということをグランパスの選手達には心の片隅において、慢心ではなく余裕を持ってゲームに臨んで欲しい。

次は長崎以上に厳しい戦いになると思われる川崎戦です。某川崎サポ様曰く「八宏スコアを卒業した」川崎さんに、たまには八宏スコアの危ない魅力を思い出してもらいたい。どちらのファンも笑って等々力を後にできるような、そんな馬鹿試合とグランパスの勝利に期待しましょう。

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