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2020年2月版グランパス選手名鑑 MF編

今季の名古屋は圧倒的にサイドMFのポジションにつける選手が豊富だ。2つのポジションに対して、マルチロールの選手も含めれば7人:マテウス・前田直輝・相馬勇紀・青木亮太・秋山陽介・シャビエル・石田凌太郎がいる。

それに対して、中央のポジション3つをやれる選手で7人(阿部浩之・シャビエル・稲垣祥・米本拓司・シミッチ、渡邉柊斗・長谷川アーリアジャスール)。一応倍以上はいるが、長谷川アーリアジャスールは怪我で今年後半まで難しく、渡邉柊斗もはじめてフルでキャンプをこなせた状態。実質5人で3つのポジションを回すことになる。ルヴァンカップでは怪我明けの渡邉柊斗を起用するしかないと思われ、シミッチ負担が大きくなりそうだ。(誤解なきように書きますが、フィジカルがあがってくれば、阿部浩之のポジションをこなせると思っているくらい渡邉柊斗に期待している)

またDF陣同様、中央のレギュラーメンバーの身長は、阿部浩之:172cm、米本拓司:177cm、稲垣祥175cmと、身長180cm越えがいない。2月16日に行われたルヴァンカップでも中盤でロングボールを収めきれないシーンが何度も見られた。素早い縦への攻撃、という中には浮き球のパスも含まれる。そうなると、中盤でボールを収められる選手も実は必要になってくる。

上記のように、今年のグランパスの中盤は編成的ちょっと歪である。

それでは、MF陣を紹介していきましょう。

MF

2 米本拓司

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  • 生年月日 1990/12/3
  • シーズン中の年齢 30歳
  • 出身 兵庫県
  • 身長 / 体重 177/71
  • 紹介

まだ加入2年目ながら、千葉和彦プロデュースのヨネディ・マーキュリーによって、あっという間にファミリーの支持を得られた。プレーでも彼がいるといないとでは試合がまったく変わってきてしまうくらいの存在感。彼が中盤にいるだけで守備は安心してしまう。名古屋で稼いで、名古屋にも家買っちゃえ!

  • 課題

心配なのは、毎年なんらかの怪我を負っていること。昨年も米本拓司離脱後の戦績は本当にひどいものだった。かといって怪我を怖がっていては彼のプレーはできないのだろう。

プレーで言うなら、どうしても守備では相手ボール保持者に食いついてしまうことが多い。相方との間でカバーリングできると良いのですけど。

  • 期待

前監督の風間八宏さんが一番伸びた選手は?の問いに答えたのがわずか半年指導しただけの米本拓司でした。それだけ、東京時代の米本拓司とはもう違う。

今年は米本拓司が1年フルにプレーしてくれれば残留争いを抜けることができるのではないか、と思っている。怪我せず、いつも通りのプレーをしてくれればそれでいいです。

8 ジョアン・シミッチ

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  • 生年月日 1993/5/19
  • シーズン中の年齢 27歳
  • 出身 ブラジル
  • 身長 / 体重 183/79
  • 紹介

名古屋グランパスに舞い降りたマエストロ(指揮者)。実はマエストロといいながらもチームで1,2を争う汗かき選手であり、ハードワークをすることができる。司令塔タイプの選手というのは、パスを出したあとにもう一度パスを貰う動き直しに難がある選手が多いが、シミッチはそうではない。献身的にどんどんと動き直しをして、パスを貰える位置にポジションを取る。そんな選手はなかなかいない。

  • 課題

物理的なスピードが不足している、と言われる。実はそれほどトップスピードが遅いわけではないのだが、初速があんまり早くないだけなのだ。それがどんな結果を産むかというと、彼が1人でグイグイ抜いていくようなプレーはできないというだけなのだ。

スピード不足を指摘している識者は多いが、グラぽが思うのは、彼はボールを長い時間持つことが多いことが遅さを感じさせるのではないかと思う。フィッカデンティ監督が彼を使わない最大の理由は、彼を経由することで時間が掛かってしまうことなんだと思う。彼がいると周りの選手もボールが収まるので彼に預けてしまう。そのボールのやりとりの間に相手の選手は自陣に戻ってしまう。

フィッカデンティ監督は、自分で勝負できるスピードのある選手を好む。時間を掛けずに前線にボールを送りたい。そういう求められるプレーにアジャストできるかどうかだ。

  • 期待

ルヴァンカップグループステージ第1節の試合を見る限り、もしマテウスの一発で先制できていなかったらどういうカードを切るかを考えてみると、中盤のメンバーを入れ替えて、効果的なパスが出せるようにするしかないと思われる。そのときに必要なのはやっぱり僕たちのマエストロなのだ。

9 長谷川アーリアジャスール

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  • 生年月日 1988/10/29
  • シーズン中の年齢 32歳
  • 出身 埼玉県
  • 身長 / 体重 186/74
  • 紹介

彼もまた、千葉和彦プロデュースでサポーターの支持を得られた選手。既にジョコビッチと呼ぶファミリーも多いくらいだ。

プレーでも彼の果たす働きは大きかった。昨年のルヴァンカップでFWで起用するとカチっとハマった。長谷川アーリアジャスールは、ハードワークができ、恵まれた体躯を活かしてプレスも効果的にかけられる。ボールの扱いも上手く、ある程度収めることもできる。中盤中央の選手としては少々アジリティに欠けるところもあったが、FWとしては十分すぎるくらいだ。登録はMFだが、今年も復帰できたらFWでの活躍が期待される。

  • 課題

185cmオーバーでアジリティを求めるのはさすがに酷だと思うので、そこは問わない。それよりも重要なことは、今負っている全治六ヶ月の怪我をなんとか治しきること。

プレーの面では、ややダイレクトプレーに頼りがちなところが気になる。彼の恵まれた身体は、ちょっとやそっとのプレスには負けないはずなのだ。「そこは無理に出さずに、収めてくれてもいいよ」というシーンと、ダイレクトプレーをいいバランスで使い分けてくれるようになれば・・・。

  • 期待

実は今、ジョーが怪我をしていて、山﨑凌吾しかセンターフォワードがいない状況だ。いなくなってわかる大切さというのはこれか、と思わされる。彼が戻ってきてくれれば、ジョーや山﨑凌吾の負担も大幅に減ることになるだろう。

11 阿部浩之

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  • 生年月日 1989/7/5
  • シーズン中の年齢 31歳
  • 出身 奈良県
  • 身長 / 体重 170/68
  • 紹介

川崎フロンターレから移籍してきた、仕事人。動ける、守備ができる、パスができる、シュートも上手い。身長も小さくて体重も軽いが、地上戦では抜群の強さを持つこともルヴァンカップで証明して見せた。行く先々のチームで必ずタイトルを獲得してきているが、それはこれだけ上手い選手が加入していれば上位にいくのは当たり前、ということなのだろう。所属していたチームのサポーターからは、「オマモリサマ」と呼ばれることもあるらしい。

  • 課題

現状、中盤の守備から周囲への指示、スペース作りからフィニッシュまで、ほとんどすべての仕事が阿部浩之1人にかかってしまっている。ある意味、自分でチームを造りたいという気持ちはあるのかもしれないが、彼の強みでもあるフィニッシュに関わるところにもう少し重心を置いてもよいのではないか。

  • 期待

まだフィットするまでに時間がかかる可能性がかかるかもしれないが、まずは周囲をどう使えばいいのか、しっかりと把握をしてくれればいい。そうすれば彼の実力なら何も問題はないだろう。

14 秋山陽介

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  • 生年月日 1995/4/13
  • シーズン中の年齢 25歳
  • 出身 千葉県
  • 身長 / 体重 172/70
  • 紹介

写真を見ると、招き猫のように手首をクイっと曲げたポーズで撮られていることが多いことから、一部のサポーターからはニャーンと呼ばれる。本来は中盤の真ん中の選手だが、名古屋グランパスでは一貫してサイドの選手としてプレーをしてきている。本来のポジションではないはずなのに、彼の力強いドリブルはなかなかの見物。プレーを見る機会があったら、そのドリブルに注目して欲しい。

  • 課題

低めのポジションを務めることが多く、そうなるとどうしても守備が必要になる。高さがないのは仕方がないが、ライバルでもある吉田豊もたいして差のない身長であれだけ守ることができているのだから、不可能ではないはずだ。守備については成瀬竣平と共に丸山祐市に毎回お叱りを受けているそうだが、そこを身につけられれば強みを持っているだけに一気にレギュラーを掴むことも夢ではないはずだ。

  • 期待

今年もキャンプ中はレギュラー組で過ごすことも多かった。またサイドバックに怪我人が多いことから、今年がチャンスと考えてもいいだろう。

15 稲垣祥

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  • 生年月日 1991/12/25
  • シーズン中の年齢 28歳
  • 出身 東京都
  • 身長 / 体重 175/70
  • 紹介

広島からやってきたスーパーハードワーカー。footballistaの記事でもこのように紹介されている。

「ボール奪取(守)がそのままパトリックへの縦パスに結びつき(守→攻)、さらに足を止めずペナルティエリア内に侵入、最終的には柏のクロスに反応した(攻)。一息もつくことなく、200mを潜水で泳ぎ切るような連続性。こうした強みは、稲垣自身も自覚している。」

彼もまた、守備という単純なタスクだけでなく、連続的にプレーに絡める選手。まさにフィッカデンティ監督が求める選手像を体現している。フィッカデンティ監督が間違いなく欲しかった人材だ。

  • 課題

ルヴァンカップを見る限りでは、ハードワークができることは証明できたが、米本拓司がたまに見せる効果的なパス出しなどはまだあまり見えていない。シミッチや米本拓司のようなパス出しができるようになってくると名古屋グランパスの攻撃がもう一段階上にいくのではないだろうか。

また米本拓司と2人の負担を、序盤の連戦の際にどうやって担保するか。さすがにリーグ戦でもないのに週2試合は厳しいプレースタイルだ。

  • 期待

三竿健斗・レオ・シルバのJリーグ屈指の中盤を自由にさせなかった米本拓司とのコンビは素晴らしかった。怪我に気をつけて、ガンガンボールを奪いまくって欲しい。あわよくば、年数回見せる、あのミドルも発揮して欲しい。

19 青木亮太

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  • 生年月日 1996/3/6
  • シーズン中の年齢 24歳
  • 出身 東京都
  • 身長 / 体重 174/68
  • 紹介

宇宙人、そう名付けられたのは新人だった西野監督時代のこと。少し日本人離れしたボールタッチ、テクニカルな選手にありがちな繊細さよりも、力強さもあるプレー。誰もが夢を見てしまうのが青木亮太のプレーだ。

  • 課題

とにかく怪我をしないこと。膝の怪我を既にもう3回やっている。医療が20年前のレベルだったらもうとっくに引退を迫られるレベルだ。まずは怪我をしないこと。そこに尽きる。

  • 期待

今年のキャンプではずっと好調を維持してきており、ルヴァンカップでもベンチ入りした。焦らず練習でいいプレーを続けていれば、かならずチャンスは来るはず。信じて、自分の武器を磨き続けていて欲しい。でじっちでも中央で登場するなど、現役最古参の選手としても存在感が出てきているようだ。

20 渡邉柊斗

  • 生年月日 1997/1/28
  • シーズン中の年齢 23歳
  • 出身 名古屋市瑞穂区
  • 身長 / 体重 168/60
  • 紹介

ナイキ most wanted という、20歳以下の才能ある選手を選抜する企画の日本代表に選ばれたこともある、才能ある選手。童顔・小柄でありながらすさまじくテクニカルなプレーを見せてくれるという。フリーキックも蹴ることができ、そのキックフォームが中村俊輔にそっくりだということも話題になった。

  • 課題

彼もまた怪我に泣かされた選手。2018年、まだ大学4年生の時点で、もしも怪我がなければ2018年の開幕スタメンを奪っていただろうと言われている。まるまる2年、怪我で棒に振ってしまったので試合勘も、筋力も相当衰えていることだろう。まずはそこをカバーするところからだ。

  • 期待

なによりも走れる選手であるということ。上手くて、走れて、セットプレーも、フィニッシュも、ということになると、ちょうど体格も近い大先輩がいる。そう阿部浩之という良いモデルが今年はやってきてくれた。是非阿部浩之から盗みまくって欲しい。

24 石田凌太郎

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  • 生年月日 2001/12/13
  • シーズン中の年齢 18歳
  • 出身 名古屋市
  • 身長 / 体重 175/72
  • 紹介

2冠を達成した名古屋グランパスU-18から昇格した期待の若手。名古屋グランパスU-18は不思議なチームで、新玉との両サイドバックがゴールに直接的にからむことが多いというチームだった。しかし本来の石田はフォワード。代表歴もある。鋭い振りのシュートとクロスが持ち味ということで、それを活かすためにどうやらサイドハーフとして育てていくらしい。

  • 課題

タフネスがウリと言われているが、現在は怪我をしてしまっている。体力作りのキャンプをまるまる休んでしまった形なので、まずはリハビリと身体作りからだろうか。名古屋グランパスU-18とは思想がまるで逆のトップチームなので、その考え方にも適応できるようにならなければならない。

  • 期待

才能がある選手なのは間違いないので、自分の強みをどうやってこのトップチームで出していくのか、自分のスキルを棚卸ししながら、どう活かしていくのかを考えていくことが必要だ。

特に守備の仕方というのはおそらくイタリア人監督に学ぶことというのは大きなチャンスでもある。前目で使われる可能性が高いが、守備をしっかりと学んだ上で攻撃的サイドバックとしての使われかたも、もう一度見てみたい。

次回は2月21日金曜日:FW編です。

About The Author

グラぽ編集長
大手コンピューターメーカーの人事部で人財育成に携わり、スピンアウト後は動態解析などの測定技術系やWebサイト構築などを主として担当する。またかつての縁で通信会社やWebメディアなどで講師として登壇することもあり。
名古屋グランパスとはJリーグ開幕前のナビスコカップからの縁。サッカーは地元市民リーグ、フットサルは地元チームで25年ほどプレーをしている。

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