仕置。法によって処刑することを江戸時代、こう呼んだ。
しかし、ここに言う仕置人とは、守備の網をくぐって得点する悪のオルンガからゴールを守る守護神のことである。
ただし、この存在を証明する記録・古文書の類は一切残っていない。
さて、結果としては柏さんの狙い通りにやられた試合でした。しかし試合の大半の時間において、主導権を握っていたのはグランパスでした。見所とともに振り返りましょう。
相手のショート・ミドルカウンターに付き合わないビルドアップ
柏の第一の狙いは、グランパスのビルドアップを阻害してのショート・ミドルカウンターだったと思われます。より具体的に言うと、前目でボールを奪う→江坂へボールを預ける→裏抜けパス&走り込むオルンガと仲間と瀬川って展開ですね。
極論すれば、そういう狙いの相手に対しては『ヤバい位置でボールを奪われなければ良い』わけです。
グランパスは後ろと前の連動で『ヤバい位置で奪われない』を実行していました。
例えばこんな状況でした。
後ろが柏のプレスにハマりそうになると、成瀬や前田(逆サイドでは相馬やムー)が相手SBの後ろを狙って走り、そこへロングパスを蹴り込む。通ればそのままチャンスだし、もし通らなくても相手陣地でのスローインとなるため、仕切り直し。カウンターはくらいません。
この作戦は有効に機能していたと思います。試合を通じてグランパスはショート・ミドルカウンターをほぼ喰らいませんでした。
守備のキーワードは挟み込み
基本ではありつつも、今日の守備はとにかく挟み込みが徹底されていました。
それを支えていなのは何よりもシミッチと稲垣の運動量。二人そろって11.7㎞以上の走行距離を記録しました。走って死ねとフィッカデンティ監督に言われていたかどうかは知りませんが、素晴らしいの一言でした。
攻撃は単発止まり
ビルドアップや守備は良いとして、では攻撃はと言うと、サイドに預けての勝負またはカウンター。はい、いつものやつですね。そして今日はマテウスがどうも当たってない日でしたし、相馬もどうも悩み気味の模様。
何回か「うわークロスが合っちゃったー!」とか「うわームーがー!」とかそういう場面はありましたし、決まってさえいればそれで良かったのですが、決まらなければ単発止まりの攻撃。まあ、今のサッカーで勝てない時ってこういう感じなんだと如実に晒された攻撃ではなかたったでしょうか。
失点:結果的につり出された吉田
得点こそなかったものの、総じてグランパスペースで進んでいた試合を一変させたのは、吉田のミスとも言えないミスでした。
奪えそうだったから行った吉田、奪い切れなかった吉田、そしてそこにいる江坂と『奪ったら江坂に出す』システムと『ボール貰ったらまずオルンガ見る江坂』、それこそ完璧に柏の狙いで、グランパス的に最も避けたかった状況。
そこまではほぼほぼ完璧に柏の江坂カウンターシステムを封じていたのに、吉田のミスとも言えないミスでやられてしまった。いやあ江坂えげつないわ………サッカーって本当に面白いですね。次は負けねーぞグヌヌ………。
リードされたフィッカデンティの選択
今シーズン初めて後半にリードを追いかける展開となったグランパスとフィッカデンティ監督。さあどうするんだマッシモ。攻撃するのか? そんな僕の心の中の疑問に対し、マッシモが出した答えは
- イマイチだった両サイドを若くてイキイキしてる選手に交代
- 飛び道具発射台太田投入
- シミッチを前線に上げてパワープレー
でした。まあ狙いはすごいよくわかったんですが、特にパワープレーについては、「うわ、この形、練習してないんだろうなあー!」て感じのアレで………(^-^;
でも、山﨑ムーシミッチそれが名古屋山脈2020夏なんだ。リードされたら多分またこの状況を見るんだ………。ただやっぱシミッチを前線に上げるためとはいえ練習してないだろう青木をいきなりCMFに置くのはやめてほしい! マジで!
この試合の良かったところ
まずシミッチ。シミッチは良かったですね。守備ではオルンガへの高さ対策として競り合い、挟み込みに奔走し、攻撃ではパスを散らしてゲームを落ち着ける。この試合のグランパスMVPは間違いなくシミッチだったでしょう。
マッシモの采配・準備も良かったと思うんですよ。結果的には負けちゃったけど、試合の大半の時間は間違いなくグランパスペースでした。まあリードされてからの采配ってそうなんや………というのはご愛敬的な………ゲフンゲフン。
石田も良かったですね。若くて前向きで。このまま大きくなって欲しい。
そして、青木の姿を見た僕は思わず涙した………。
最後に
さあ、次はまた水曜日にルヴァンカップがやってきます。基本的には自宅からの応援になるわけですが、精一杯の応援でクラブを後押ししたいし、試合は生で見たい(僕は定時ダッシュできるのか)。
応援しましょう。