最初に言っておきます。最後の『談合』風景は超面白かったから、見てない人はオンデマンドで見られる内に絶対見てくれよな!
(編注:試合を確認したい場合は、以下で観戦することができます。
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スカパー!オンデマンド:3035円
FOD(フジテレビオンデマンド):月額888円+税
DAZNが見れる環境(Amazon FireTVなど)がある場合は、テレビでも見ることができることがあります。)
さて、世の中には色んな作戦があり、戦術があり、選手起用があります。それらにはメリットとデメリットとがそれぞれ存在し、時と場合によってメリットとデメリットのどちらが顔を覗かせるのかは、やってみなきゃわかりません。
この試合、フィッカデンティ監督は怪我人等もありシャビエルを普段より1列低いCMFのポジションで起用し、その起用に連動して、守り方を変更していました。普段と違う守り方のメリットとデメリットとがそれぞれ見えた試合、振り返っていきましょう。
この試合の守備とカウンター
先に普段の守り方を簡単に復習しておきましょう。
細かく言うと量が多くなってしまうのでザックリですが、『基本的には4-4-2で待ち構え』『大外は両SHが下がって対応しがち』『稲垣とシミッチの走り次第』の3点がポイントと言えるでしょう。
では、この試合はどうだったでしょうか。
なんとビックリ、意外と前から川崎を捕まえに行っていました。特に序盤はマテウスによる相手SBへのプレスと田中碧封じが機能しており、川崎の前進を阻害することに成功。
前からプレスするということは、相手のミスを誘発し、ボールを奪いショートカウンターを仕掛けることが狙いになります。相馬のゴールはかなりのラッキーゴールで思わず全日本シュート打てば何かが起きる協会に入会したくなりましたけど、2点目も含め、フィッカデンティ監督の采配ズバリ、狙い通りの展開だったと言えるでしょう。
采配のデメリットが炸裂した2失点
1失点目に至るシーンで既にデメリットが炸裂していました。
引いて構えた時にマテウス(と相馬)が相手IHを見る構造上、IHについて行ったら外側が空きます。恐らくシャビエルの守備力を考慮してマテウスと相馬も動員して中央を固める意図だったのだと思われますが、空いた外側を素早く使われると厳しい。
1失点目はシュートのこぼれ球が2回連続で相手の前に転がった不運もありましたが、冷静に見ると「こりゃ決められるわ」という感じでした。
2失点目にしても、この試合のお約束的には大島をチェックしに行かないといけなかったはずの相馬が何故か中間ポジションにいたり、困った時の稲垣が外側へ釣り出されていたりと、「こりゃ決められるわ」再び。
SHの守り方を普段と変えてカウンターの攻撃力を上げたら、普段空かないはずのところが空いて失点。前方へのプレスとテクニックを優先してCMF起用したであろうシャビエルは狙い通りの強みを見せてくれたものの、受けに回るとなんかぁゃしぃ守備位置にいることが多かった。
まさに、采配のメリットとデメリットとを感じさせられる内容でした。
展開のアヤと王者の底力
2-1とグランパスが再リードした際、監督の指示なのか選手の判断なのか、試合のテンポを落としてローリスクな落ち着いた展開にしようとしていたように見えました。それは恐らく、速攻で1-1に追い付かれた反省を踏まえた選択だったのでしょうが、却って落ち着く時間・考えて修正する余裕を川崎へ与えてしまったような気がしてなりません。
2-1になるまでは川崎にとって恐らく完全に想定外の展開で、川崎の選手達もやや混乱していたと思うのですが、落ち着いてしまうと流石はルヴァン王者。ボールを持ち始めるとじっくりボールを動かしてグランパス守備陣を疲弊させていましたね。
特に可哀想だったのはマテウスと相馬の両SHで、普段とは違う守り方に奔走させられてどんどん消耗していたように見えました。(ゆってぃさんの記事もご参照のほど https://note.com/yutty2525/n/n4dc6848e61dd )
結果論としては、2-1になったところで、そのままのハイテンションで3点目を取りに行くべきだったのでしょうが、これは事後だから言えること。何とも惜しい展開でした。
あと三笘は速やかに海外へ行って欲しい。
大島の退場で事実上終了した試合
後半からは疲弊したマテウスに替えてシミッチを投入、シャビエルを一列上げ。シミッチは流石で中盤がまあ攻守に落ち着く落ち着く(シャビエルをそのポジションでシミッチと比べること自体可哀想ですが………)。
そして落ち着いた中盤と連動するように試合も落ち着いてきたと思ったら、71分に大島がうっかり2枚目のイエローで退場。その時点で、完全に推測ですが、フィッカデンティ監督的には「いちいち言わなくてもわかるやろ?」くらいの感覚だったんじゃないかと思うんですよ。このまま終わらせれば両チーム勝ち上がりでしたからね。
ところがどっこい、それは言われないとわからないのが日本人。両チームの選手達はものすごく真面目に勝とうとしていましたし、鬼木監督もレアンドロ・ダミアンとか投入してきて勝つ気マンマンの模様。フィッカデンティ監督は鬼木さんの正気を疑ったんじゃないでしょうか(^-^;。
そんな試合も後半40分頃からとうとう完全な『談合』モードに突入。丸中シミッチ稲垣の4人がピッチ中央付近で『パス練習』をする姿と、それをぼんやり眺めているダミアンは超笑える風景でした。一回ダミアンがボール取りに行こうとして鬼木さんにめちゃくちゃ怒られてましたけど、だったら鬼木さんもそもそもダミアン投入とか自重して欲しい笑
この試合の良かったところ
- 勝ち上がった結果
- 相馬のゴール
- シャビエル90分プレー&MP回復中
- 青木がようやくコンディション上がってきたか(まだまだこれから)
- 独力で剥がせる成瀬。SBが一枚で相手をはがせるとめちゃくちゃチームを助ける
ちょっとウーン
- ゴール以外の相馬
- マテウスの心身のコンディション
- 出ずっぱりのマル、豊、成瀬、稲垣のコンディションマジ心配
- (流石にそろそろターンオーバーを計画的にやるべきでは……?)
決着は8月23日に豊田スタジアムで
談合した結果、なんとも煮え切らない試合になってしまいました。しかしリーグでの川崎との試合はすぐやってきます。この試合をお互いに大いに分析することでしょう。次こそは爽快な勝利に期待しましょう。