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誰でもわかる!サッカー競技規則改定2021/22 ~ハンドはこう変わった~

はじめに

みなさんこんにちは。グラサポの審判・ルール担当OTC公式(@Gram_Leorep)です。

グラサポの皆様はACL楽しみましたか?予想通り過酷でしたね。

ACL初戦のジョホール戦で日本の審判とアジアの審判のレフェリングの違いに面食らった人も多いかと思います。今回は、「日本とアジアのレフェリングの違い」を記事に・・・

嘘です。かなりマニアック&大変な記事になりそうなので、需要があればおいおい。

今回のテーマは、毎年夏の恒例行事!「サッカー競技規則改定」を取り上げます。ACLもJリーグも改定された『サッカー競技規則2020/21』が適用されています。このことはご存知な人も多いのではないでしょうか。

「初めて知った」「改正されたことは知ってるけど、内容は知らん!」

という、そこのあなた!!!大丈夫です。

グラぽのルール解説は、「ルールに詳しくない人にも分かりやすく」を心がけています。

今回も、名古屋の過去試合映像を使いながら、かみ砕いて説明しますので、少々長いですが是非ご一読ください。

1.競技規則改定の全体像

2~3年に1度、「ざわっ」とする改正があるサッカーの競技規則改定ですが、今年は一言でいうと、「マイナーチェンジ」です。そしてその内容は比較的シンプルなので、覚えてしまいましょう。(来年はすごいですよー)

マイナーチェンジの内容、それは近年、毎度おなじみのように毎年変更されている「ハンド」。IFAB(ルールを決める団体)も試行錯誤を繰り返しています。

今回は、昨年度の2020/19競技規則でハンドの反則を厳密に文言で定義して判定基準の統一を狙ったものの、逆に分かりにくく、審判員によって「解釈の差」が生まれてしまったことが背景となります。

そこで、今回の変更は分かりやすくいうと、こんな感覚。

「大前提と基本原則を決めるから、あとは現場の審判に任せるよ!」

「審判もずっとサッカーに携わっていて選手と同じピッチに立ってるんだし、そんなに変な判定にはならないはず。判断する時のポイントも示すから、後はよろしくね!」

つまり、審判の判定に委ねる部分が広がったということです。

ということで、皆様は最低限何を抑えていればいいのか。そう!大前提および基本原則2つ。あと例外1つで十分です。

余力がある人には、審判がハンドか否かを判断する時のポイント「大きなバリア」について後ほど触れますが、大原則が分かっていれば自然とわかるものかと思います。それでは早速見ていきましょう!

2.ハンドの反則~大前提~

まずは大前提です。実際の競技規則の文言を記載します。

「ハンドの反則を判定するにあたり、腕の上限は、脇の下の最も奥の位置までのところと する。競技者の手や腕にボールが触れることのすべてが、反則にはならない。

下線部分が今回の改正ポイント。ハンドの位置については引き続き同じですね!十分理解できるものですが、もっとかみ砕いていうと、

「手や腕に当たったから、ハンド」ではないですよ!!!!

と言っているのです。これが大前提です。簡単ですね。参考までに、ハンドの位置について競技規則で説明されている画像を載せておきます。

ハンドの範囲
ハンドの範囲

さて、次の基本原則に行きましょう。

3.ハンドの反則~基本原則~

まずは、競技規則から抜粋。(後ほど解説するので、競技規則は流し読みでOKです)

  • 例えば手や腕をボールの方向に動かし、手や腕で意図的にボールに触れる。
  • 手や腕で体を不自然に大きくして、手や腕でボールに触れる。手や腕の位置が、その状況における競技者の体の動きによるものではなく、また、競技者の体の動きから正当ではないと判断された場合、競技者は、不自然に体を大きくしたとみなされる。競技者の手や腕がそのような位置にあったならば、手や腕にボールが当たりハンドの反則で罰せられるリスクがある。

この2つが基本原則です。

① については、以前から引き続き皆さんにとても分かりやすいハンド。例えばこのシーン。(動画上は4:10~)

札幌VS名古屋 2020年明治安田生命J1リーグ 第13節

一方、今回の変更最大のポイントであり、覚えてほしい基本原則が②です。え?長い?全文読まなくていいです。簡単に言うと、「そこに、愛はあるんか?」ならぬ、

「ボールに当たったその手・腕の位置、妥当なんか?自然なんか?」です。

この妥当性を審判が判断して、反則にするか否かを決めるわけです。審判の判断によっては、妥当か否か判断が分かれる可能性がある。ですので、競技規則には「ハンドの反則で罰せられるリスクがある」と謳っているのですね。

ご丁寧に暗に「審判によって判断が違う可能性がある」と言ってくれているんですね。

では、どうやって判断するのか?それは第5章で具体例を見せながらご説明します!その前に、例外だけ抑えてしまいましょう。余力がない人はもうひと頑張り。

4.ハンドの反則~例外~

どんな原則にも例外はつきものですね。簡単な例外なので覚えてしまいましょう。まずは競技規則から。

相手チームのゴールに次のように得点する。

  • 偶発的であっても、ゴールキーパーを含め、自分の手や腕から直接。
  • 偶発的であっても、ボールが自分の手や腕に触れた直後に。

「あっ!覚えてる!これ、去年のルールと同じじゃん!!」という方!惜しい!今回は味方競技者の手や腕に偶然当たったとしても、得点者が別だったらOKという点が変更点です。

ですので、競技規則を分かりやすく換言すると、

  • 「得点者は偶然でも、手や腕に当たった直後に得点したらハンド」
  • 「味方の手や腕に偶然当たった直後でも、得点者が別の人ならセーフ(得点)」

基本原則では、不自然に体を大きくしたり、意図的にハンドしたら反則でしたが、この例外では、「偶然だろうが何だろうが、得点者の手や腕に当たった直後にゴールしたらダメ!」というルールです。

従って、この痺れる得点も、今のルールだと昨年と引き続き、ノーゴールになってしまいます。。

名古屋vs千葉 2017年J1昇格プレーオフ準決勝

(0:19~ 、当時の競技規則では、ノーハンドで妥当!競技規則通りの正しい得点)

どうですか?あまり難しくないでしょ?絶対覚えてほしいルール改正は、ここまで。

余力のある方は次の章へ!

5.ハンドを判断する基準「大きなバリア」

ここまで読み進めていただいた方には、ハンドか否かは、審判員が判断する「妥当性」が肝ということは理解いただけたのではないでしょうか。

一言で「妥当性」と言って丸投げされても困りますよね。

この妥当性を判断する、ものさしが「大きなバリア」です。

尚、ここから先、この章では「大きなバリア」に関して進めますが、競技規則では明記されていないのでご注意ください。審判界での共通指針のようなものと考えておいてください。

この「大きなバリア」を簡単に説明すると

不自然に体を大きくすることで、腕や手にボールが当たり、次のような重要な状況に影響があったとき

  • 相手選手のシュート・クロスをブロックする
  • 守備側競技者がボールまたは相手競技者にチャレンジする、立ちはだかる

つまり、体を不自然に大きくして、大きなチャンスをつぶした時、「大きなバリア」と見なされるのですね。

例えば、このシーンが分かりやすいはず! 動画上は5:04~

名古屋×FC東京 2020年明治安田生命J1リーグ 第27節

この試合覚えている方も多いのでは・・・?魂のPK獲得のような感じで個人的には痺れました。感想はおいておいて、体を大きくすることで、シュートをブロックする、バリアになってますよね?これが典型的なものです。

逆に、「不自然ではないときはハンドではないの?」と思ったそこのあなた!いい着眼点ですね!その通り!

例えば、

  • 手や腕が体に近い位置にある。
  • 支え手
  • 手や腕が体から離れているものの、自然な動きの範囲内
  • 自分が意図的にプレーしたボールが手や腕に当たる
  • 手や腕がボールに当たるのを避けようとしている
  • もともと手や腕が広がっているときに、味方選手から予期せぬボールが当たる

等はハンドにはなりません。「これは仕方ない!」「手に当たるの不可避!」というものですね。

一方、競技者は、最大限手や腕に当たらないように「配慮」することが求められます。

配慮したうえで、不可抗力的に手や腕に当たってしまうもの、これが「不自然でないとき」です。

「大きなバリア」分かりましたか?妥当性の判断のポイントでした。しかし、判断のポイントと言っては、少し違和感ありませんか?

そう、結局のところ、

「妥当性」を判断することは「自然か否か」を判断することになり、そこは審判の裁量の範疇ということになります。

もう少し映像をみましょう。このシーン。これも記憶に新しい方が多いのでは?このシーンはまさに審判によって見解が分かれるシーンです。

名古屋vs湘南 2018年明治安田生命J1リーグ 第34節 動画上では2:15~

実際の試合ではハンドになりましたが、プレーに関連した動きの一環(つまり、自然な動き)で、偶然手に当たったので、ノーハンドという判定となっても、当時の判定通りハンドでもおかしくない場面です。

難しいですね・・・。ハンドについては本当に難しい。でも、何となく分かっていただけたのではないでしょうか?

さいごに

以上から分かるように、審判によっても差が出てくるシーンは確実にでてきます。でも、それでもいいんです。何故ならば今回の競技規則改正の趣旨は、「審判の裁量を広げることによって、ハンドの解釈の差を是正する」でした。

同じようなチャージでも、ファールにする審判と流す審判いますよね?ハンドも反則の一部なので、そこも審判にお任せしよう!こういう改定でした。もともと、文言でハンドのすべてを定義することに無理があったんですね。

ハンドかどうかの判定は、個人的には一番難しい。審判クラスター仲間の間でも一番見解が分かれるのがハンドだし、ジャッジリプレイの解説員・廣嶋さんの解説に、えー!?と異議を唱えたくなるのも大抵、ハンドです。

今回の競技規則改定で審判に裁量が持たされたことで、審判の色が出てくることになります。では、どの審判はハンドをとりやすくなるか。これについては、超絶マニアックな話なので、ここでは割愛します。(笑)

最後に今回の改定をまとめると、「そのハンド、妥当?自然?」この一言に尽きます。妥当か自然かは当然、人それぞれ。その観点からも、審判の判定に笑ったり泣くこともあるでしょう。

しかし、グラサポの皆さんはACLで学んだはず!強ければ、審判のジャッジや環境、人、モノのせいにせずに勝てるんです。本コラムを読んで、少しでも競技規則理解の足しになったのであれば嬉しいです。

以上、競技規則改正コラムでした!長文、お付き合いいただき、ありがとうございました。

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About The Author

OTC公式
東京在住のグラサポ。平日はコンサルタント、休日はグランパスのゴール裏サポ。審判マニアも兼務。⚽️🏆🇧🇷主にグランパス関連のブラジルでの報道・レフェリー関連のツイートをします。グラサポさん、他サポの方、仲良くして下さい!😄#1 #関東グラサポ U can talk to me in 🇬🇧🇵🇹🇯🇵.
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