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[小ネタ] ドーピングによる出場停止の話 #grampus #Kuba40

[小ネタ] ドーピングによる出場停止の話 #grampus #Kuba40
意図せず薬物を摂取してしまったドーピングの図
意図せず薬物を摂取してしまったドーピングの図

ウッヒョー! 監督交代に続き、そんなにシーズンオフの注目を独り占めにしたいのかグランパスよ。誰もこんなニュースで注目されたいとは思ってないんですよ? いい加減にしてください。まあ中の人がいちばんそう言いたいだろうけどさ!(苦笑

そういうわけで、ドーピング疑惑が唐突に発生してしまったわけですが、じゃあどうなんの、ということでルール( https://assets.the-afc.com/migration/a/f/afc-anti-doping-regulations-2021-edition )を読み解いていきましょう。よくわからんまま放置がいちばん恐ろしいですからね。

検体

とりあえず、特に知識のない方だと「A検体」と「B検体」ってナニよ、となると思います。それは「検査のために提出した尿を二つに取り分けた同じもの」です。便宜上、片方をA、もう片方をBとして、最初の検査にA検体を使う。もしA検体で引っかかっちゃったら、追試にBを使う。「AとB両方で引っかからない限りはドーピングしてない(してると証明できない)=無罪」というのが世界標準のルールなんですね。

今回のシュヴィルツォク、A検体で引っかかっちゃったもんだからB検体の追試中、というのがグランパスの発表から読み取れます。

もし万が一B検体でも陽性だったら

「競技者の検体に、 禁止物質又はその代謝物若しくはマーカー が存在すること」という条件に該当するため出場停止処分となりますが、条件ごとに期間が変動します。

  • 薬物が「特定物質(=いくつかの例外を除いて全てがこれ)」に該当し、AFC側が「意図的な使用であった」と証明できた場合・・・4年
  • 同、意図的な使用であったと証明できなかった場合(選手が、意図的ではなかったと証明した場合も同じ)・・・2年
  • 選手が、陽性となった薬物が「濫用物質(例えば、医療用として使われるコカインやモルヒネ等)」で、摂取が競技会外かつ競技能力に影響しない、と証明できた場合・・・3か月

次に、過失があったか無かったか、あったとしてどの程度のものだったかで、上記期間が軽減されます。

  • 選手が、過誤または過失がないと証明できた場合・・・出場停止無し
  • 選手が、重大な過誤または過失がないと証明できた場合・・・最短で出場停止無し、最長で2年間の出場停止

グランパスにも在籍していた千葉ちゃんの事例が、例として非常にわかりやすいので、こちらも読んでみてください→ http://jsl-src.org/?p=1013

千葉ちゃんの場合では、「重大な過誤または過失がなかった」と認定されたため、出場停止は即解除されました。

シュヴィルツォクがどうなのかはこれからの続報を待つとして、「B検体で陽性にならなかった」または「B検体でも陽性だったけどウッカリちょろっとやらかしちゃったぜー☆」くらいで済むことを願うばかりです。

最後に

それにしても、例えば市販の風邪薬にもドーピング対象となる成分が含まれているため、スポーツ選手は風邪薬飲めないって有名な話がありますよね。加えて、基本的に体脂肪率が激低いため、うっかり風邪ひいちゃったら重症化しやすいなんて話もあります。

編注:今回の検査対象になった試合では、長澤和輝も風邪を引き、試合に出場できなかったばかりか帰国後も何試合か体調不良により出場時間を減らしていた。

僕たちが楽しませてもらっている彼ら彼女らが、日常的にどれだけ犠牲を払っているのか。ドーピング関係のことを調べたりすると、そういうことにも思いをはせずにはいられないですね。

どうか、シュヴィルツォクがマジヤバな事例ではありませんように……。

付録:危ない薬の例

  • 市販のかぜ薬やせき止め、鼻炎用内服薬、花粉症の薬 の中には禁止物質(エフェドリン、メチルエフェドリン、 プソイドエフェドリン、 麻黄、メトキシフェナミン、トリメトキノールなど)を含んでいるものが非常に多く、注意が必要
  • 漢方薬は、名前が同じでも製造会社や原料の産地、収穫の時期などで成分が違うことがあり、その成分はたいへん複雑で、「絶対大丈夫」という確証を得ることはむしろ難しいため摂取は避けた方が良い
  • 喘息の薬には禁止物質が満載なので注意が必要
  • 皮膚外用薬(発毛剤やニキビ薬・痔の薬など)も禁止物質が満載なので注意が必要
  • 点眼薬、点鼻薬 、口内炎の薬も禁止物質が満載なので注意が必要
  • 糖尿病治療薬も禁止物質が満載なので注意が必要(セルジ・サンペール(神戸)は糖尿病なので、後で紹介するTUE申請を行っているものと思われます)
  • サプリメント(プロテインやアミノ酸、ビタミン類など)はアスリートでは摂取している人も結構多いと
  • 思います。サプリメントなどのいわゆる健康食品は、 すべての成分を表示する義務がないので、表示されている成分 に禁止物質が含まれていなくても安心できません。 中には評判を上げるために意図的に、実際には表示されていない禁止物質(ステロイドなど)を添加した商品もあります。
  • 薬膳料理は漢方の様々な原料をそのまま使っているため、同様に危険です。

引用元:知っておきたい アンチ・ドーピングの知識 2021 年版 (PDF)

付録:いつまでに薬物の摂取をやめれば良いか

薬物はその種類によって体から排泄されるま での時間が異なります。エフェドリン やプソイドエフェドリンなどは代謝、排泄されるのが比較的早いため、試合の3~4日前までに使用を中止すれば一般的には大丈夫なはず です。しかし、市販の胃腸薬によく含まれているホミカ(ストリキニーネ)は比較的遅く、少なくとも試合の1週間前までには服用を中止したほうがよいと考えられます。
ただ、個人差がかなりあり、薬物の代謝、排泄に時間のかかる人もいます。 8 日前に摂取したかぜ薬に含まれていたエフェドリン類が検出されてドーピング違反に問われた事例が報告されましたので、 試合の 14日前には使用を中止しておいたほうが無難です。

付録:治療使用特例 (Therapeutic Use Exemptions=TUE )について

TUEは、ドーピング禁止物質・禁止方法を治療目的で使用したい競技者が申請して、認められれば、その禁止物質・禁止方法が使用できる手続きです。 TUE は、世界アンチ・ドーピング規程と 治療使用特例 に 関 する国際基準で手続きが定められています。
TUEを提出すれば承認されるとは限らず、代替可能な治療薬があると判断されれば承認されずに、ドーピング違反とされる可能性があります。

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