前節の敗戦で大荒れに荒れたグランパス界隈。4万人近くを集めると予想されるこの試合は天王山となりそうだ。その試合をプレビューする。
天王山:京都府南部、乙訓郡大山崎町にある小丘。淀川の分岐点にあり、古来水陸交通の要地。天正10年(1582)山崎の戦いで、名古屋の英雄・羽柴秀吉が明智光秀を破った。
スターティングメンバー予想
名古屋グランパスの予想スターティングメンバー
- 長澤和輝が今シーズン絶望。明らかに交代要員が足りなくなったセントラルMF陣で、交代要員に仙頭啓矢を回さざるを得ない状況だというところが苦しい。
- 宮原和也・酒井宣福がともに原因不明の離脱中。
- 中4日なので比較的コンディションは悪くないと思われる。
- 3バックと前節結果を出したマテウス・カストロを中心に組み立てを再構築してくる予想。
- 出場停止はなし
京都サンガの予想スターティングメンバー
- 出場停止はなし
- 左SB三沢直人・FWマルティノスが負傷離脱中
- 前節欠場していた左SB荻原拓也とMF川崎颯太は欠場の見込み
- 4-1-2-3で組み立ててくると思われる
京都サンガの戦績
昇格チームながら4勝3分3敗と、7位に躍進しているのが京都サンガ。平均得点:.1.3(名古屋グランパス:0.8)は、リーグでも上位の値。攻撃力の高さには定評がある。一方で平均失点:1.1(名古屋グランパス:1.1)は名古屋グランパスと並ぶ。得点が上回っているところが現在の順位を表している。
京都サンガの戦い方
京都サンガの戦い方は、グランパスが苦手にしてきた湘南スタイルに近いものがある。湘南ベルマーレ相手では勝ち星を拾えることもあったが、強烈な個であるピーター・ウタカを擁する京都サンガはそれを活かした戦い方をしてきている。勝ち星を得るのは簡単ではない。
それぞれの戦い方の特徴を見るには以下の表を見て欲しい。
サンガの 試合平均 | サンガの リーグ順位 | リーグ平均 | グランパスの 試合平均 | グランパスの リーグ順位 | ||
ゴール | 1.3 | 4 位 | 1 | 0.5 | 15 位 | ゴール |
シュート | 10.6 | 15 位 | 12.4 | 13.2 | 7 位 | シュート |
枠内シュート | 3.2 | 15 位 | 3.9 | 4.4 | 5 位 | 枠内シュート |
パス | 361.6 | 17 位 | 472.6 | 436.7 | 11 位 | パス |
クロス | 13.3 | 12 位 | 14.7 | 14.6 | 9 位 | クロス |
直接フリーキック | 10.4 | 16 位 | 11.7 | 12.7 | 4 位 | 直接フリーキック |
間接フリーキック | 3 | 2 位 | 1.7 | 2.3 | 3 位 | 間接フリーキック |
コーナーキック | 3.6 | 15 位 | 4.7 | 5.9 | 2 位 | コーナーキック |
スローイン | 22.4 | 14 位 | 24.8 | 24.7 | 11 位 | スローイン |
ドリブル | 11.9 | 5 位 | 10.8 | 11.4 | 8 位 | ドリブル |
タックル | 21.8 | 8 位 | 21.1 | 22.8 | 2 位 | タックル |
クリア | 26.9 | 1 位 | 21.5 | 20.9 | 10 位 | クリア |
インターセプト | 1.9 | 13 位 | 2.3 | 2.8 | 4 位 | インターセプト |
オフサイド | 1.6 | 11 位 | 1.7 | 1.2 | 16 位 | オフサイド |
30mライン進入回数 | 31.9 | 18 位 | 38 | 35.7 | 10 位 | 30mライン進入回数 |
ペナルティエリア 進入回数 | 10.5 | 11 位 | 11.7 | 9.8 | 18 位 | ペナルティエリア 進入回数 |
攻撃回数 | 120.1 | 17 位 | 126.1 | 125.6 | 11 位 | 攻撃回数 |
ボール支配率 | 45.10% | 16 位 | 50.00% | 47.40% | 12 位 | ボール支配率 |
京都サンガFC 2022 シーズンサマリー | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB と 名古屋グランパス 2022 シーズンサマリー | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB から合成して作成
まず、シュート数・枠内シュート数が15位なのに対してゴール数が5位というのは異常な決定力を持っていることがわかる。グランパスがシュート20本以上に1点の割合なのに対して、京都サンガは10本で1点は取ってきている。グランパスの値も悪いのだが、サンガの決定力の高さは間違いない。
また攻撃回数は17位(グランパスは11位)、30mライン侵入回数は18位(グランパスは10位)なのに対して、ペナルティエリア侵入回数は11位(グランパスは18位)となっている。これも一度攻撃に転じたら、ペナルティエリアまでたどり着く可能性がグランパスよりも高いことを示している。(グランパスはどちらかというとサイドを崩していて、クロスを入れることが多いので数値は上がらない)
京都サンガのチームスタイル
湘南ベルマーレ時代とは異なり、4バックのスタイルも採用しているのが特徴だが、守備から攻撃への切り替え、コンパクトネス・フィジカルコンタクトという湘南スタイルの特徴はそのまま受け継いでいる。
京都サンガのチャンスビルディングポイント
高いドリブルの値が目を引くところだ。この高いドリブルの値を牽引するのはピーター・ウタカ(5.98)。この数値はリーグでも屈指の値となる。
京都サンガ対策
ピーター・ウタカをスピードに乗せるな
ショートカウンターでピーター・ウタカの決定力でどうにかしてしまう、というのが京都の恐ろしいところだ。総得点13点の半分以上をピーター・ウタカがたたき出している。しかも裏に飛び出しての得点というのが多い。
このトップスピードに対抗できる選手が名古屋グランパスには1人いる。幅広い守備範囲から3バックの中央を任せられている藤井陽也だ。彼がピーター・ウタカがスピードに乗せる前に止めることができれば、無失点も夢ではない。
高い守備ラインの裏を突け
京都サンガの守備ラインは決して低くはない。そのため速攻で崩すことができれば、クロスの先にいる選手は多くない。本来は酒井宣福が居ればクロスからの得点も期待できるところだがまだ完調ではないようだ。速度のはやいクロスで、高さ不足を補いながらカウンターで得点をゲットしたい。
満員のスタンドにゴールセレブレーションを!
京都サンガ-ジュビロ磐田戦では、決して高さに優れているわけではないジュビロ磐田右ウィングバック鈴木雄斗が中央に入り込んで2得点を挙げている。ジュビロ磐田戦のプレビューでも指摘したが、クロスを入れるのは良いのだがクロスに飛び込む選手が少ないのがグランパスの課題。是非相馬勇紀や森下龍矢が3枚目の飛び込みを見せてゴールをゲット、そんなシーンを見たい!
良い試合になりますように