はじめに
昨日5/10に名古屋U-18OBで現在立正大学に所属している榊原杏太の2024シーズンの加入内定(現在大学3年)が発表されました。
https://nagoya-grampus.jp/news/pressrelease/2022/0510-2024.php
このタイミングでの加入内定は特別指定の登録もあるのではないかと期待しています。
今シーズンから名古屋のユニフォームに再び袖を通す榊原杏太を観られる可能性も大いにあるでしょう。
黄金時代を築いた選手の一人であり、加入内定のアナウンスに多くのサポーターが喜びの声を寄せていました。
U-18時代から有名な選手でしたので、ご存知の方も多いかとは思いますが、彼の特徴やプレースタイル、ここまでの道のりについて簡単に紹介させていただきます。
プロフィール
- 出身地:静岡県静岡市
- 所属:静岡中田SSS → 清水JY → 名古屋U-18 → 立正大
- ポジション:FW
- 生年月日:2001年10月20日
- 身長:167㎝
- 体重:57㎏
- 学年:大学3年
特徴とプレースタイル
榊原杏太を一言で表現するなら、「玉田圭司2世」です。
クラブが紹介する通り、「創造性に溢れ、パス・ドリブルともに違いをみせることができるレフティー」というのは玉田圭司を彷彿させるのではないでしょうか。
サイドハーフを主戦場としており、常にゴールに直結するプレーを選択し、自身で得点を奪うこともアシストをすることもできる、チームを勝たせる選手です。
プロフィールの通り体は大きくありませんが、正確な左足のキックと小気味よいドリブルが榊原の特徴で、常にゴールに向かっていく姿勢は観ている人を魅了します。
どんな相手でも物怖じせずに果敢に仕掛けていきます。でも体が小さいからといって、当たり負けしないのが榊原の強さです。
相馬やマテウス、甲田とはまた違ったタイプのドリブラーです。
テクニックに加えて緩急や間の使い方が上手で、相手を外してかわすタイプのドリブルを何度も見せてくれました。
パスやシュートを打つタイミングも、えっ?と驚くようなタイミングで出てきます。
「みんなをあっと驚かせるようなプレーをしたい」とインタビューで語っていましたが、まさにそれを体現しているプレイヤーです。
また、大舞台にも強い選手でクラブユース選手権決勝、Jユースカップ決勝とタイトルのかかった大一番でどちらもゴールを決めました。Jユースカップ準決勝の試合終了間際の劇的同点弾をお膳立てしたのも榊原のコーナーキックでした。
怪我が多いのが玉に瑕でしょうか。
ピッチから一歩外に出ると愛嬌があってみんなに愛される好青年です。
ちょっと抜けているところがあるけれど、そこがまた榊原の魅力を引き立てています。
ユーモアに溢れたご両親の愛情をいっぱいに受けて育ったのがよくわかる人柄です。
プロになるまでの道のり
清水エスパルスのジュニアユースではほとんど試合に出ることができず、清水ユースへの昇格は叶いませんでした。
怪我人などチーム事情が重なって出場した、東海リーグの名古屋U-15戦が転機になりました。
その試合でのプレーが当時の名古屋U-18のスカウトの目に留まり、名古屋U-18への加入が決まりました。
名古屋U-18では最強世代の主力としてプレー。
クラブユース選手権、Jユースカップ、プレミアリーグWESTと3つのタイトルを獲得しました。
Jユースカップでは大会のMVPにも選出されています。
トップチームへの昇格も期待されましたが、卒業後は関東大学1部に所属する立正大学へ進学しました。
1年から怪我と復帰を繰り返しながら、試合に出場。試合に出ればピッチ上で違いを生み出していました。
残念ながらチームは2部に降格してしまい、現在は1部復帰を目指してリーグ戦を戦っています。
先日の東京都サッカートーナメントでは学生・社会人含めたトーナメント大会で準決勝の劇的勝利の勢いそのままに大会優勝。東京都代表として天皇杯の出場権を獲得しました。
なお、榊原は出場していません。
高校3年間のプレーと大学での成長が認められ、今回の加入内定発表となりました。
早期の加入内定の意義
近年、有望選手に対して早々に内定を出すケースが増えています。
他クラブに獲られる前に獲得するという意図はもちろんですが、もっと大きな効果があると思います。
榊原は名古屋U-18出身とはいえ、現在のリーグ戦は関東大学2部です。
クラブが「たとえ2部リーグであろうと、しっかりと成長を見ているよ」というメッセージを発しているように感じました。
榊原と同様にキャンプ参加した倍井(関学大・関西1部)、牛澤と田邊(中央大・関東2部)はもちろん、名古屋U-18OBの大学進学組は全員、「次は俺だ」と燃えていることでしょう。
実際にSNSでも発信していて、頼もしい限りです。
2人目、3人目と続々と発表されることを楽しみにしています。
榊原杏太へ
ユースでの活動最終日に榊原が語ってくれた内容です。
「大学に進学するんですが、そこでも絶対にグランパスに戻ってこれるように、日々努力を惜しまず頑張るので、応援よろしくお願いします。」
一言ひとこと、言葉を丁寧に話す姿がとても印象的で、今でもよく覚えています。
丁寧に紡いでくれた言葉を有限実行してくれました。
加入内定に至るまで多くの困難があったと思いますが、有言実行でプロの切符を掴んだ彼を私は尊敬しています。
清水でユースに昇格していれば
名古屋U-15との試合に出場していなければ
古賀監督と出会わなければ
世代にあのメンバーが集まらなければ
立正大学に進学していなければ
何か一つでも欠けていれば、榊原杏太の名古屋グランパス加入はなかったでしょう。
すべての積み重なりで名古屋への加入内定が決まり、本当に幸せです。
ユース時代のチャントは
「赤く黄色く魂燃やせ 名古屋で羽ばたけ GO!榊原杏太」
です。
オレンジの街で生まれ育ったサッカー小僧が、赤黄のクラブで羽ばたくことを期待しています。