デスク:今回はラグさんの記事が試合の振り返りではなかったので、デスクからもいくぞ
編集者:yuttyさんのは、明日以降になります
なぜあのスタメンだったの?
名古屋グランパスは第1戦と同じスタメン、プランA:対ボール保持チーム決戦仕様で来ました
※プランA・B・Cについては以下の記事をどうぞ
第1戦でうまくいっていたものを変える必要はないな。
横浜F・マリノス側は後半名古屋を押し込んできていたパターンそのままでやってきた。
守備的ではない天野純を真ん中に入れて、セットプレー含めて攻撃の枚数を増やす感じだ
センターバックに畠中槙之輔を起用してきました。
畠中槙之輔は怪我に苦しんだが、元日本代表の実力者。負担の大きかった上島拓巳の負荷を下げたいという意図での起用だろう。怪我の影響でまだ連戦は厳しいだろうが。
前半はどうでしたか?
序盤は名古屋が、第1戦同様にサイドを崩しながら、右・左と使い分けていました
名古屋のキモは、野上・徳元悠平が高い位置(相手ゴールのほうに近い位置)を取って、相手サイドバック(永戸・松原)を名古屋陣内で自由にプレーできないようにすることだ
序盤は決定機こそ少なかったものの、おおむねうまくいっていたといっていいだろう。
やはりマリノスの戦いかたはサイドにカギがある感じでしょうか
右サイドはヤン・マテウスと松原、左サイドはエウベルと永戸、どちらも一級品の2枚を重ねて攻め込む感じだな。名古屋はWB1枚なので、1人で2枚を見るのは正直しんどい。だから左右CB(内田・河面)か、CMF2枚のいずれか(稲垣祥・椎橋)が、数合わせをすることになる
しかし河面旺成選手にアクシデント、26分に交代です
実際には10分くらい前から交代したい、ということがあったみたいだが
交代で入ったのは中山克広選手でした。どうしてでしょうか?ハ・チャンレ選手を入れて三國ケネディエブス選手を左に出す、というのもアリだと思ったのですが
さっきも書いたように、名古屋グランパスのWBは高い位置を取って、相手サイドバックを上がれないようにしなければならない。そうなると攻撃的な振る舞いができることが求められる
だからこその中山克広だったと考えられる
それはうまく行っていたのでしょうか
対面の永戸をまずは抑えられないといけない。が、入ってすぐにイエローカードを貰ってしまった。それで強くいけなくなってしまった。
イエローカードが分かれ目ですか・・・
そして33分に失点です。天野純がポケットに侵入、クロスに西村が飛び込んでゴールです
用語解説:ポケットとは:現代サッカーでは組織的な守備により、簡単にシュートを撃たせてもらえません。 そこでより侵入しやすいエリアから攻めることが重要となってきます。 ポケットとは、ゴールエリア脇のエリアのことです。ゴール前に直接侵入することに比べれば侵入しやすくなります。
そこに侵入されるとキーパーは直接シュートも警戒せざるをえず、ゴールの遠い側を空ける必要があります。その状態でクロスを出されるとゴールの空いた側にシュートを決められる可能性が高くなります
これも上で書いた通り、マリノスは2枚で攻めてくるので、中山は永戸を見る、そうなるとエウベルは内田が見るというのが原則だ
ところが失点シーンでは中山が下がりすぎてエウベルに対面した。内田もエウベルに近づいていたのでエウベルへの守備がどちらが見るのか曖昧になってしまった。当然ポケットの守備が空いてしまう。そこに天野純が侵入した。
空くはずのないスペースに侵入してきたので慌てて三國も野上もバランスを崩す。第1戦の山岸のゴールと同じ現象が逆にグランパス側で起きていた感じだ
ということは中山克広選手の責任が大きいということですか?
いや、中山克広に試合前に出ていた指示は、試合終盤に野上結貴と交代するパターンだけだろうから、試合の一番ヒートアップしたときに投入されることは想定していないだろう。
こなせたらよかったが、交代時おそらくフィジカルコンディションを上げるだけで精一杯で、指示が十分にできていない状態では責めることはできないと思う
個人を責め立てることは避けたいですね
後半グランパスはどうでしたか?
中山克広選手に代えて山岸祐也選手を投入です
戦術理解の高い和泉竜司を右サイドに持っていった。それで空いたポジションに山岸祐也という選択だな
徳元悠平選手のスローインから森島司選手の落としをさらに永井謙佑選手がつなぎ、山岸祐也選手のゴールです
このゴールは、固い守備を崩すお手本のようなゴールだったな。
どんなすごいDFでも瞬間的にポンポンと2回もボールをズラされたら対応はできない
そこにきちんと入り込んでいるところが山岸祐也の良いところだった
その後はグランパスはのらりくらりとマリノスの攻撃を受けて、時折カウンター、という感じに移行しました
長谷川健太が一番おそれていた「受けてしまう状態」になってしまっていた。
ただ、時間帯も残り10分ということになればそれも致し方なし、なんだろう
ただマリノスの攻撃を単純に受けてしまうとタイミングによっては危険なことになってしまう
まさに危惧通り、ミッチのクリアを拾われて速攻をくらい、ラインを上げていたDFの裏を取られて失点しました
スーパーグレートゴールキーパー(SGGK)であるミッチの唯一の弱点がキック精度だが、それが悪い方向に出てしまった。ヤン・マテウスにフリーでクロスを出された時点でグランパスのDFも戻るのが精一杯。ああいうシーンでは落ち着いて外に蹴り出したかったな
プランAはこれでいいのか
しかしその後は大きな隙を見せることもなく、のらりくらりと攻撃をかわして試合終了です
さて、プランAがいいところなく、この試合だけで見たら敗戦に終わってしまった。
この試合うまく行かなかった原因はどこにあるのでしょうか?
まず第1に、野上結貴をWBから外さなければならなかったことだ。これが一番痛かった。
野上結貴選手はある程度高さもあり、前線でボールを受けて「収める」プレーができる選手です
そう、そして守備力もあり、なおかつ相手ゴール前にもどんどん入り込んでいくことができるという希有な存在だ
横浜F・マリノスはこの試合も、サイドの守備はそこまで追いかけない形でした。それだけにサイドの高い位置で起点になれるプレーヤーは重要でしたね
中山克広にプランA:対保持チーム特化決戦仕様のWBのプレーは現時点では難しいのは間違いない。正直野上結貴の代わりは現時点ではいない。強いて言うならばできるのは内田宅哉だろうか
すると内田のやっていた右CBどうするの問題が
一つの手段としては右CBに三國ケネディエブス、中央にハ・チャンレとなるが、そうなるとうまくいっていたフォーメーションから3箇所動かすことになる。動かす場所を減らしたかったというのがあるかもしれないな
後半は和泉竜司選手を右WBに据えましたが、そこは無難にこなせた印象です
山岸祐也はもちろん攻撃面ではマルチに活躍してくれていたが、相手の攻撃を阻害する、という点では和泉竜司に比べるとそこまでうまくはいっていないな。やはりプランC:対地上戦特化フォーメーションで活きる選手なんだと思う
プランAはなかなか危ういバランスの上でなりたっているプランなんだ、ということがわかりました。
今後のグランパスの課題は?
河面旺成選手は筋肉系の怪我ということで、少なくとも北海道コンサドーレ札幌戦、ガンバ大阪戦では出場が難しそうです
北海道コンサドーレ札幌戦にしても、ガンバ大阪戦にしても、連戦になるのでこの1週間で守備陣の再構築が必要になるな
どちらのチームもサイドに強烈なプレーヤーがいます。そうなると、横浜F・マリノス戦同様、サイドの攻防が鍵になってくる、と考えていいでしょうか
そうだな。左CBが難しい。現状左利きCBはグランパスには河面旺成しかいない。
現状の候補はこの3つだろうか
1)内田・三國・野上
2)三國・チャンレ・野上
3)内田・チャンレ・三國
一度だけ試した吉田温紀左CBはどうでしょうか?
コンサドーレ戦では対面が強烈な近藤になる。なかなか厳しいだろうな。
結論としては、1(内田・三國・野上)が本命、対抗2(三國・チャンレ・野上)だろうか
本当に河面旺成選手1人抜けただけで、バランスが崩れまくってしまいました。
来季に向けて、左CBの見直し、あるいはバックアップは考えないといけないな。
なんで今年できてないんだよ、という声もあるだろうが、今年は藤井陽也・中谷進之介が抜けた穴を埋めることが最優先で、そこまで手が回っていなかった、というのが本当のところだろう
期待する選手はいますか?
ここまであまり絡むことができていない井上詩音だろう。
ここで頭角を現すことができたら、カッコいい
この15日から18日までの4日間は、人生を変えることができる4日間だと思う。死ぬ気でアピールして欲しい
河面旺成選手がはやく戻ってくることができたら一番ですが、怪我人が出たことで空いたポジションは、いまのレギュラー以外にとってはチャンスですものね
いま出場機会が限られているハ・チャンレ、井上詩音、吉田温紀の3人にとってはチャンスだ
その他の候補を含めて選手の成長に期待ですね!
次は良い試合になりますように