10月になったのに30℃を超えた名古屋・瑞穂。暑い、暑いピッチでの2019シーズン、マッシモ開幕2戦目は1-1の引き分けで終わりました。
この試合のポイント
ポイントは大きく分けて二つありました。
- 前節(マッシモ1試合目)と比べて守備と攻撃の積み上げ・改善はあるのか
- ホームで『勝ちを狙う』采配は見られるのか
順番に見ていきましょう。
守備と攻撃の積み上げ・改善
ところで皆さん、勉強は好きでしょうか? たぶん、好きではないって答える人が半分以上じゃないでしょうか。グランパスの選手達も同じで、きっと半分以上は勉強好きではないと思うんです(知らんけど)。それでも選手はマッシモ・フィッカデンティの教えを大急ぎで勉強し、詰め込まなくてはならない。大変です、とても。
守備
前節(広島戦)と比べて、怪我を報じられた和泉がベンチ、長谷川イズミヨリシュビリョクアーリアジャスールがスタメン。
守備では、広島戦とは異なる点がありました。
前節ではまずとにかく自陣撤退(ただし引きすぎないように!)をやっていたように見えたけど、今節ではラインをもう少し高く設定していましたね。しかし相手DFラインへのハイプレス戦術ではなく、ジョー・前田・シャビエルはまずパスコースの限定をしていました。
基本的な狙いは前節と同じでしょう。自分達の守備ブロック内に侵入させない(中央突破させない)ことが第一。その上で、大分がWBへ展開したところで一気に寄せてサイドでボールを刈り取ろうとしていたんだと思われます。
大分の選手達はパスを出す先に困っていたように見えました。だからなのか、前半途中からビルドアップ時にはCMFの小林裕紀がDFラインまで落ちて(懐かしい光景!)4バック化してボール保持。しかしもう1枚のCMFがグランパスのブロック内に入ってきた時にはシミッチが張り付いて対応。
コバユーが落ちて後ろでボール持てるんだけど、なかなかボールを前に運べない大分。そんな姿に不思議な親近感を覚えましたね。
グランパスの守備は有効に機能していて、大分は高いボール支配率の割に、グランパスにとって危険なところになかなかボールを運べていませんでした。
攻撃
攻撃で一つ目に付いたのは、前田とシャビエルが外に張って、その内側のレーンをアーリアか米本、またはサイドバックが使うという形。ただし数回しか見られなかったので、事前に準備していたのかたまたまそうなったのかは正直よくわかりません。
基本的にはビルドアップに困ったらジョーに放り込むか、もしくは裏抜け狙いでロングボール攻撃は変わらず。それでも、守備のラインをやや上げられたおかげか、攻撃時の厚みはそれなりに増して、前半にも決定機が2回ありました(なお、その内1回はコバユーに止められたヽ(`Д´)ノ)。
ホームで勝ちを狙う采配
ここから先は推測が多くなります。
マッシモは恐らく、『相手(今回なら片野坂さん)が打ってきた手を見てどうするか決める』タイプの監督です。後半立ち上がりの大分を見た上で、後半早々にアーリアに代えて和泉を投入し、4-4-2化。どんな意図だったでしょうか。
守備の修正だった?
可能性その1。右側のシャビエルの守備のポジショニングまたは守備の戻り(の遅さ)に不満があったので、4-4-2化してシャビエルの守備ポジションを4-3-3と比べて下げたパターン。
攻撃の修正だった?
可能性その2。和泉の攻撃力を活かして左サイドから攻撃していこうぜ! というパターン。
攻守のバランス
実際には、どっちかだけってことはなくて、『攻守のバランスの修正』のために4バック化したんだと思いますが、マッシモ的に守備と攻撃、どっちをより気にしていたのかは気になりますね。
後半、その後
4バック化した直後、カウンター気味に左サイドから攻められて失点(;´д`)
最近勝てていない大分は、何よりも失点を嫌ったのでしょう。先制後、わかりやすく引いて、引き篭もり守備を展開。そこでグランパスはどう攻めるか? 狭いところをこじ開ける? 否、ジョーにロングボール放り込みや! が回答でした。ちょっと気になってDFライン4人からのロングボールを数えてみたら、前節(16本)と比べて33本と倍以上に。
※元データはこちらから→ https://www.sofascore.com/oita-trinita-nagoya-grampus-eight/LmbsEcc
後半途中から(個人的には「えっ、こんな早い時間から?」と思った)完全なロングボール放り込み攻撃。40分頃には、マッシモが丸山を上げたのか丸山が勝手に上がったのか謎ながら、丸山も最前線に張って(丸山大作戦!)とにかくロングボール。
しかし、大分GK髙木のファインセーブもあって、得点の気配をどうも感じられないまま迎えたAT。試合をなんとか引分に持ち込ませたのは中谷とエドゥアルド・ネット、そして赤﨑でした。
同点ゴールは、大分DFが触ってくれた、ちょっとしたラッキーゴールだったけど、マッシモの下で一生懸命勉強して、精一杯走った選手達への、そして応援するファンへのご褒美だったのかもしれませんね。
まとめ
この試合の『勝ちを狙う采配』については、後半の4-4-2化をどう解釈するかで見解が分かれると思います。順位的には上の大分相手に、改善された守備と攻撃でなんとか勝点1を得た、両クラブのパワーバランスの表れた試合でした。
この試合の良かったところ
- 守備の明らかな改善が見られたこと
- それによってラインを上げられ、攻撃力も多少は増したこと
- 中谷進之介(嫁が美人)
- エドゥアルド・トチュウカラデモガンバリマス・ネット
- 赤﨑秀平(強い頭皮)
この試合のウーン
- 両サイドバックの不思議な放り込みの数々(マッシモから何か禁止されてる?)
- おのれ小林裕紀(やっぱ良い選手ですね)
- ジョーもシャビエルも何かコンディション悪そう
次節、仙台戦は両チームにとってお互いの残留のために『絶対に勝たなければいけない』試合になりました。中1週空いて、更なる上積みをしたチームが見られますように、勝利を願って、応援しましょう。