引き分けでした。仕組みと展開についてはゆってぃさんから別途レビューが出たのでそちらをご覧いただくとして、僕からは別のご提案をお届けします。どうぞお付き合いください。
マテウス・カストロの得点パターン
最近ずーっと2トップの一角として出場しているカストロ。そのFW起用について、彼の「決めきる力」に期待してのことだと長谷川健太監督は語っていました。
J1リーグの試合ではスタメン&交代するなら試合終了間際。相棒を勤めていた柿谷や金崎ムーがターンオーバー気味に順番にスタメン→だいたい同じ時間に交代していたのとは対照的です。出場時間からわかるように、現時点での攻撃の軸はカストロだということですよね。
さて、カストロは2020&2021シーズン、J1で計16得点していたように、確かな得点力を持っています。彼の得意な得点パターンに持ち込めればきっと得点してくれることでしょう。では、ここで問題。彼はどういう得点パターンが得意なのでしょうか?
ここで多くの方が「右サイドからカットインしてシュート」と思い浮かべたんじゃないでしょうか。実はそれ、ハズレなんです。
僕も、自分の記憶だけだと曖昧だなと思い、確認のために2020&2021シーズンのカストロ得点集を見返しました。
彼の得点パターンを分類すると、次のようになります。
- ペナルティキック
- 右サイド奥・ペナルティエリア脇からのフリーキック(京都サンガ戦のゴールもそうでしたね)
- 混戦からのこぼれ球をシュート(あとは蹴りこむだけ)
- ゴール前でラストパスを貰ってシュート(あとは蹴りこむだけ)
- クロスを胸から下に届けてもらって(コントロール→)シュート(この形なら右足シュートでも点を取れる)
- 裏抜けからのシュート(ループシュートやりたがり)
おわかりでしょうか。「右サイドからのカットイン・シュートの形からはノーゴール」なんですねー!(;´∀`) そしてヘディングからもノーゴールなんですよねー!
しかしそんなカストロ、京都戦でも数回あったように、右サイドに張ってボールを受ける姿が目につきます。彼にとってそれは恐らく「得意&好きなプレー」だと推測されます。
得意で好きでも効果的とは限らない
京都戦でも、彼が右サイドでボールを持った場合、相手選手二人がかりで挟まれて二進も三進もいかなくなっていましたよね。それでも1回だけ、なんか無茶苦茶な独力突破してチャンスになってましたが、カストロ右サイドからチャンスになったのはその1回だけでした。そもそも論として「それだけカストロのカットインの脅威度が高い」からこそ相手も研究しているわけですが……ともかく現実として「右サイドでカストロがボール持っても得点可能性としては効果的ではない」と言えるでしょう。
カストロに点を取って欲しいならカストロをフリーにする仕組みが必要だ
前述のカストロ得点パターン的に、カストロに点を取らせたいなら、まず次のプレー・状況は効果的ではないとチーム全体で認識すべきではないでしょうか。
- 右サイドでカストロにボールを持たせる
- クロスにカストロを突っ込ませる
一方、効果的なカストロの使い方は次のような形ではないでしょうか。
- 中央で相手DFラインと勝負→スルーパスから裏抜け(柿谷スルーパス→カストロ裏抜けで今シーズンも点取ってますよね)
- カストロのために相手DFラインを押し下げたり潰れてくれる選手の起用(現状では酒井が頑張ってくれてますよね)
- とにかく右サイド奥でフリーキックをゲットしてカストロに蹴らせる
- 低いクロスを足元に届ける
ところで、ここまでお読みくださったならば、とある疑問が心に思い浮かばないでしょうか。
「そこまでしてカストロをフォワード起用しなくてもよくね?」
現状の最適な配置はどうなんだろう?
スルーパスから裏抜けするって形であれば、カストロより酒井の方が上手いんですよね実際のところ。そしてクロスに突っ込ませるならカストロが中にいても効果的ではない。
サンガ戦でもそうだったように、現状では「とにかくサイドアタックから早めのクロス」が攻撃の生命線のようです。であれば中には身体を張れたりクロスに合わせるのが上手かったりする選手を複数置きたい。それってカストロの強みではまったくないし、むしろカストロはクロスの発射役にしたい。
以上のことから、消去法的に現状の得点できそうな配置を考えると……
- 2トップには酒井+ムー(or柿谷)
- カストロは左WB(守備サボらない&勝手に右に行かないこと前提)
- 右WBは森下
となるのかなと。ところで中央の選手配置は……仙頭に祈る🥺。
この試合の良かったところ
- 豊田スタジアムの雰囲気。試合終了とともに選手がぶっ倒れたくらい走らせたのは間違いなくスタジアムの雰囲気。応援の力を感じましたね。
- だいぶ右WBに馴染んできた雰囲気の森下
- 俺たち実はボール繋げるんだぜといきなり細かく繋いでみせた後ろの方の人たち(それをもっとやってもええんですよ)
- 突然の風に吹かれた中谷のオーバーラップ(マル・ナカのチャンス時のオーバーラップはグッド)
- 失点しても(´・ω・`)ショボーンとせずに盛り返したこと
- 酒井の気合(自分のプレー結果に対する責任意識を感じた、なんとなく)
この試合の(´ε`;)ウーン…
- そのコーナーキックはどうなんすか(中の枚数削るデメリットに対してメリットが上回っているのかどうか?)
- ウタカにしてやられた藤井(相手を褒めるべきだが……失点シーンだけでなく、ちょっとボールウォッチャーになる悪癖あるよね)
- カストロの立ち位置は監督指示で矯正するべきだったのでは……
- 仙頭にボールを集められない問題はそろそろなんとかして欲しい
- カストロのためとは言え柿谷が攻撃で消え過ぎなのでは……
- 酒井の気合(あまりにも余計過ぎるイエローはちょっと……)
最後に
東京方面からお聞きしていた話では、長谷川健太監督は「現有戦力で攻守に最適なバランスとなる選手配置」を見出すことを得意としているとか。とすると、勝ててないですし、酒井も戻ってきましたし、また選手配置を変更すると予想されます。3バックは良い感じなんで変える必要が無いとして、攻撃の選手配置はまた変えてくるんじゃないでしょうか。
多少いじったところで何が変わるんだと思われるかもしれませんが、その「多少」で実際ビックリするほどプレーの良し悪しが変わったりするのもサッカー。次も難敵・上位のマリノスです。ポジティブな変化があることを期待して応援しましょう。
だいたいそんなかんじ。