豊スタに声が戻った!
ジュビロ磐田戦で、声出し応援が解禁されました。8月中はまだこの試合だけですが9月にはまた川崎フロンターレでも予定されています。
YouTubeのリンクをご覧いただくといいと思うのですが、本当に感動的な光景でした。やはりチャントや声援もサッカーの一部なんだと、改めて確認しました。
気になったこと
そのなかで気になったのが、先月話題になっていた他チームほどではないものの、一部マスクの着用が適切ではないかたもいらっしゃるということです。
多くのかたがいらっしゃる場ですので、なかにはいろんな考えの方がいらっしゃるのもわかります。
なぜマスクの着用が求められるのか
そもそもマスクによって防止できるのは主に飛沫による感染です。
飛沫が飛ぶのは主に会話や咳払い、まれに口呼吸などのシーンです。
会話しない、口を開かないということであれば大きな問題はなさそうです。
ただサッカーのスタジアムで一切口を開かない、というのは難しいと考えられます。だからサッカー場ではマスク、特に飛沫防止効果の高い不織布マスクの着用が求められるわけです。
現状の日本国の新型コロナウイルス感染症に対する基本対処方針
酷暑が予想された夏前に、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症に対する基本対処方針を更新しました。
引用元:政府「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針変更(令和4年5月23日)
主にマスクの運用などについて大幅に緩和がされました。
屋外で十分に距離が確保できているのであれば問題ありませんが、スタジアムの応援席のように密な環境では「マスク推奨」となります。チャントではなくても、スタジアムでため息にしても歓声にしてもゼロにするのって難しいですものね。
名古屋グランパスの発表した声出し応援ガイドライン
今回のジュビロ磐田戦に際して、グランパスからは以下のような声出し応援ガイドラインが提示されました。
引用元:8/19(金)磐田戦|「声出し応援」実施のお知らせ|ニュース|名古屋グランパス公式サイト
感染拡大防止対策上問題となる行為が改善されない場合は退場、と明記されています。
しかし不織布マスクの着用に関する違反者がわずかながら見られたのは残念です。
なぜガイドライン違反が起きるのか
名古屋グランパスの出しているガイドラインがあるにも関わらず、守らない人がいるのは何故でしょうか?
永江一石さんという方がアンケートを取っています。
簡単に言うと、マスクをつけているのがイヤだ、というのが根本原因なのではないでしょうか。マスクが大好きで普段からマスクしている、という人も新型コロナウイルス感染症が流行する前から居ましたが、それはあくまで少数派です。ほとんどの人はマスクの着用はイヤなのではないでしょうか。
マスク不着用派が理論武装をするケースもあります。だいたいは「マスクに関するガイドラインは緩和されてきているからもう不要なんだ」または「こんな真夏にマスクをつけるなんてとんでもない!」というロジックなのではないでしょうか。だからマスクをつけない。
マスクをどうしてもつけたくないならば
これと似たロジックを見たことがあります。大麻所持者・使用者のロジックです。
非常にデリケートな話題として大麻利用という問題があります。大麻は麻薬の1種類として扱われていますが、国によっては許可をされている場合があります。このあたりは国によってかなり違いがあるものなので、なんでA国では大丈夫なのに日本ではダメなんだ!と解禁運動をしている方もいます。THC(テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC))は人によっては大きな感覚(空間認知や判断)のゆがみなどを引き起こす可能性があり、車を運転する人が大麻を吸っていると、泥酔運転と同じことになる可能性があります。そのため日本では麻薬の1種として扱われていたりします。
しかし「欧米では許可されているんだから」「常習性はタバコレベルなんだから」といっても、日本では禁止されています。現時点で大麻を摂取して良いわけではありません。嗜好品として、たとえばアルコール摂取時に運転をしてはいけないなどの制限をつけながら許可をしようと運動すること自体は止めません。それならば解禁運動の末にその権利を勝ち取るべきだと思います。それまでは摂取はするべきではありません。
マスクの着用についても私は同じだと思います。マスクをつけるのがイヤなのは理解する。欧米などでは解禁されていることがほとんど。ただ、現時点での対処方針は、特定条件下ではマスク着用推奨なわけです。
それがイヤなら、マスク着用のガイドライン改定を勝ち取るしかないのではないでしょうか。
興行のルールと国の基本対処方針のどちらが優先されるべきか
屋外でのマスク着用は会話をしなければOKなんだから、スタジアムでもマスク着用は不要だ、という主張も聞きました。
実際、国の基本対処方針が緩和傾向であることを受けて、「国が許可しているのだから問題ない」とマスクをしない方も増えているようです。
しかし興行やお店などで、来客に対してマスクを着用していないことを理由に入場拒否することができ、これは違法ではありません。
一般的に興行会社やお店側には一定の範囲で契約をする相手・客を選ぶ自由があるとされています(民法第521条)。
誰でも入店OKとしてしまえば、危険な行為をする客も受け入れなければならず、従業員やほかの利用者の身に危険が及ぶおそれがあります。
また新型コロナウイルス感染防止の観点から、マスクの着用に関する法的義務はなくても、着用の必要性は社会で広く認識されているといえるため、入店拒否には合理性もあります。
そのためマスク未着用を理由に入場を拒むことに、法的な問題はありません。
ただし、マスク着用を求めることを事前に告知し、現場でもそれが明示されていることが必要です。
どちらも名古屋グランパスは行っており、問題はなさそうです。
マスク着用がルールとして不要になるまでは
声出し応援のルールが大幅に改定されることはほぼないだろうと思われます。そうなると不織布マスクの着用をしながらでどのように迫力のあるチャントを歌えるか、というところが焦点になりそうです。
長く喋っていると、通常のプリーツマスクですとマスクが顔にペタッと触ってしまうようになり不快になってしまいます。
対策1:立体型・柳葉型の不織布マスクを使う
一番安価な対策がこれです。
口に直接さわらない形状のマスクを使えば、チャントを歌うときの不快感を防ぐことができます。
ただ、チャントを歌ってみると案外たくさんの飛沫や汗を出してしまっているようで、不快感がでてきてしまいます。
そのため、気持ち良くチャントを歌うためには1試合で何回も取り替えた方が良さそうです。
対策2:マスクフレームを使う
マスクフレームは、マスクの下につけてマスクがペタッと肌にくっつかないようにするためのものです。
マスクと顔の間に適度な空間ができるため、「声がこもる」「呼吸するとマスクが吸い付いて息苦しい」という負担を軽減することができます。
素材は4種類あります
- シリコン
- プラスチック
- 金属
- 布
一番安価なのはプラスチック製、次にシリコン製ですが、どちらも汗などがつくと蒸れたり不快感がでてきてしまうそうで、主に空調の効く屋内向けなようです。
布製だと汗を吸収してくれる上に不快感はあまりなかったりするので良いのですが、強度の面で不安があります。
金属製は冬だと冷たくて痛いという声があります。夏には適していますが、重さがあるのでだいたいマスクにアーチを作るだけの小規模なものになります。高価(最低2000円以上)なのも欠点です。
さいごに
いろいろ対策を講じることで、ルールを守って、次の声出し応援を成功させましょう。
はやくこんな苦労をしないですむ日が来ますように。