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[マッチレビュー]2018年明治安田生命J1リーグ第5節サガン鳥栖戦レビュー 主導権を手放すとこういうことになる

5節、アウェーのサガン鳥栖戦は0-2の後半29分から3失点し3-2の逆転負け。なんとも悔しい負けでした。鳥栖の攻撃は試合途中から完全に、イバルボへロングボール蹴るぞ! こぼれ球拾え! でしたけども、見事なまでにやられてしまいましたね。これは去年の典型的な負けパターンの一つでした。中盤を省略し(捨て)てロングボールを蹴ってくる相手にどう戦うのか、というのは去年の最重要課題の一つで、そして今後も付き纏う課題だと思います。悔しい敗戦だけに、今回は敢えてその問題について考えてみましょう。

始めに 今節のグランパスの状況の復習

ホーシャがスタメン復帰。一方、和泉竜司が体調不良(インフルかな?)で急遽欠場。和泉が務めていた左インサイドハーフに青木が入り、秋山が左ウェング。左サイドバックに櫛引が入りました。今節もベストメンバーではありません。ベンチメンバーは武田、畑尾、藤井、深堀、児玉、成瀬、押谷。フレッシュと言えば聞こえは良いですが、明らかに手薄で、ベンチの中には特にウィングとサイドバックをスタメンと遜色ないレベルでこなせる選手はいません。

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サガン鳥栖戦名古屋の布陣

立ち上がりの攻防

グランパスの攻撃時には小林が最終ラインまで落ちてビルドアップをするいつもの形です。それに対する鳥栖の守備配置と一緒に図にしてみましょう。

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前半のグランパスの布陣とマッチアップ

赤のサークルで囲っているところ、小林、宮原と櫛引が選手配置的にプレッシャーを受けにくい構造になっています。恐らく、鳥栖の狙いは中央突破を防ぐことだったのでしょう。そんな鳥栖に対し、左サイドバックスタメンだった櫛引の積極性がハマりました。

先制点に繋がるPK獲得の場面を見てもわかるように、櫛引が(画面奥の、逆サイドの宮原も)かなり高い位置にいても相手のプレッシャーがほぼかかっていません。前半途中までは、時折ピンチもあったけど、試合の主導権を完璧にグランパスが握っていました。

フィッカディンティ監督の修正

サイドからボールを前に運び主導権を握るグランパスに対して、前半途中から鳥栖はフォーメーションを4-3-3から4-4-2に変更しました。

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フィッカデンティ修正後のマッチアップ

それまでトップ下気味の位置にいた小野をサイドに配置換えし、グランパスの両サイドバックをサイドハーフでケア。これでサイドからボールを前進させるのにフィルターをかけました。その分中央が手薄になりますが、そこは割り切って中盤を捨てロングボールをイバルボへ放り込むことで解決。ボールを保持し前進したいグランパスvsロングボール多用の鳥栖という、去年のJ2でよく見られた構図になりました。

後半のトラブルと鳥栖の攻勢

前半終了時でホーシャのコンディション悪化につき、後半開始からホーシャ⇔押谷の交代。代わった押谷が右ウィングに、櫛引が左センターバック、秋山が左サイドバック、シャビエルが左インサイドハーフに入りました。

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後半のフィッカデンティ再修正後のマッチアップ

一方、鳥栖も攻撃にアクセントを加えてきました。イバルボを中央から左サイドへ走らせ、そこへロングボールを送り込むという変更です。確率の問題として、イバルボ(188cm)は宮原(172cm)と菅原(179cm)相手になら高確率で競り勝て、そしてボールを収め攻撃の起点になれるとの狙いだったと思われます。

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鳥栖の後半の攻撃パターン

この鳥栖の攻撃に晒されたグランパスの守備陣、特に宮原、菅原は時間とともに疲弊していきました。ロングボールを蹴られると長い距離を走って戻らなければならず、そしてフィジカルに優れたイバルボがどんどん当たってくるから大変です。通算記録の連載記事もご覧いただきたいのですが、グランパスの守備陣は平均11km以上走らされています。これでは試合終了までスタミナが持つはずもありませんよね。

グランパスはどのように局面を打開すべきだったのか

風間監督の試合後コメントにそのヒントがあります。

--前半の終盤からロングボールに苦しめられていたが、ハーフタイムに指示したことは?

後半の始めは良くなりましたけども、それを続けられなかった。それもすべてですけど、長いボールを競る人間を考えること。それからもう少しラインを統率すること。ラインを上げて、相手が蹴るときには先に下がれということを(伝えました)。後半はうまくいったと思うんですけど、何よりも自分たちがボールを持つことをやめてしまったので、あれだけピンチができたと思います

(引用元 https://www.jleague.jp/match/j1/2018/033107/live/#coach)

ロングボールを多用してくる相手へのセオリーはいくつかあるのですが、風間監督のコメントから、グランパスがやるべきだったことは二つあったと思われます。

  1. ボールを蹴る相手へプレスをかけること

『ラインを上げて』の意味はこれでしょう。ラインを上げチーム全体をコンパクトに保つことで、ボールを蹴りだす側の選手(鳥栖のボランチやセンターバック)へ前からプレスをかけ、そもそも蹴らせない。蹴られる前にボールを奪い取る。

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  1. 有利な体勢で競り合い、競り勝つ確率を上げる

『先に下がれ』の意味はこれでしょう。後ろ向きに走りながらと比べて、事前に下がっておけば前を向いて有利な体勢で競り合いやすくなります。有利な体勢ならば、競り勝ち、ボールを奪い取る確率が高まります。

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何故、それらができなかったのか?

これも監督のコメントのとおりで、『自分達がボールを持つのをやめてしまった』から。

まず、相手のボールホルダーに高い位置からプレスをかけるためには、ボールの失い方が重要です。相手にとって完璧な形でボールを奪われたり、自分達のミスによってボールを失ったりすると、奪った後の相手選手がフリーになりがちなんですね。そうではなく、相手にとっても苦しい、ギリギリのボールの奪われ方ならば、奪った後の相手にすぐさまプレスをかけてボールを奪い返しやすくなる。もし奪い返せなくても、相手がロングボールを蹴る前にDFラインが準備をしやすくなる(今回で言えばラインを事前に下げておける)。良い時のグランパスのように、速いパス回しでボールを繋いで前進しているならば、相手もなかなか完全にはボールを奪えない。ところが、今節の後半のように、縦に間延びしてロングボールの蹴り合いになってしまうと、一発通ればビッグチャンスになりますが、相手にとって良い形でボールを失う確率も高まります。そうなれば、そもそもそういう戦い方を狙っていた鳥栖が優勢になるのは必然です。『相手にお付き合いしてしまう』去年からのグランパスの悪癖が出てしまいました。

 

最後に、戦犯なんていない

この試合、はっきり言って、青木と押谷の出来は良くありませんでした。

青木については今年初のインサイドハーフ起用だったことを割り引いて考える必要はあるかと思いますが、それでも画面に映る回数自体が少なかった。ボールに関与できていなかった。恐らくコンディションがなかなか上がりきらないのでしょうけども、それでもスタメンに選ばれて試合に出ているのですから、青木にしかできないプレーを見せて欲しい。

押谷は後半0分からの出場で、終了間際に畑尾と交代させられました。インサイドハーフやウィング等、試合中にポジションを変えつつ、チーム全体が間延びした中でのプレーでしたから、サポートも少なくて難しかったとは思いますが、それでも余計なファールを貰ったりもして、個人としての出来は良くなかった。難しい状況で余計なミスがあると更に難しくなります。貴重な戦力だけに頑張って欲しい。

ただし、今回の敗戦はチーム全体の責任であって、特定の選手個人が悪いわけではないと思います。青木と押谷が悪目立ちしちゃっただけで、皆がちょっとずつ悪かった結果でしょう。これ以上連敗しないように、次節の快勝を期待しつつ応援したいですね。

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