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[マッチレビュー] 明治安田生命J1リーグ第15節柏レイソル戦レビュー “玉田圭司は前だけを見る”

はじめに 中村の1日も早い回復を祈る

試合終了間際の勇気あるチャレンジの結果、不幸にもとんでもない落下をしてしまった柏GK中村選手のご快癒を心からお祈り申し上げます。不幸中の幸いにも、柏公式から頚椎捻挫+脳震盪と発表されました。頚椎損傷とか脳挫傷とか、選手生命どころじゃなく、生命に関わる怪我でなくて本当に良かった。

 さて

15節のグランパスvs柏レイソルは2-3でグランパスの負けでした。これでリーグ戦13戦勝ち無し、3引分10敗と、大変厳しい状況です。苦しいながらも、負けた試合にも光明があったと信じ、振り返ります。

柏の守備とグランパスのビルドアップ

この試合では、柏は2段階の守り方をしていたように見えました。

  1. FW+IHで前からプレスし、グランパスのビルドアップを阻害し前でボール奪取
  2. IHの後ろまでボールを運ばれたら引いてブロック

それらはどういう守備だったでしょうか?

柏の前からプレス

柏の中盤はアンカー+2枚のインサイドハーフ(IH)との布陣でしたから、その選手配置上、絶対にアンカーの脇にスペースが空きがちになります。

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そのスペースをグランパスに早い攻撃で突かれると、IHの戻りが間に合わずピンチになりやすいので、そのスペースに入られないよう、前からプレスしグランパスの最終サインからのビルドアップ(この場合、グランパスのビルドアップとは、柏の前からのプレスを剥がし柏にとって危険なエリアまでボールと人とを前進させることを言います)を阻害しようとの狙いが見て取れました。

模式図にするとこんなところでしょうか。

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図では櫛引がボールを持った想定です。とにかく前からプレスしてグランパスのボールの出しどころ&パスの受け手を潰すという守備でしたね。

柏が引いてブロック守備の場合

柏の前からプレスを剥がしてグランパスが前進したら、柏は引いてブロック守備(敢えてやや乱暴に言えば、グランパスのミス待ち守備)で対抗してきました。

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その結果、相手陣地までボールを運び、押し込んでボールを保持できれば、そんなにはプレスもきつくないしボールを保持できて、押し込んでペナ角でボールを持ちチャンスを作る、そんなグランパスの攻撃ができていました。

グランパスの攻撃

柏の前からプレスをかわして相手陣地まで前進さえできれば、かなりボールを保持し攻撃できたグランパス。そんな攻撃がよく見られればよかったのですが、前からプレスを上手くかわせた場面は少なかった。言ってしまえば『たまたま』『偶然』柏の守備をかわして『前に行けちゃった』状況が多かったように思います。それはボールロストの仕方に表れていたのではないでしょうか。

グランパスのボールロストの仕方

手元で集計してみたところ、グランパス選手のミスでボールを失った(例.単純なパスミス等)のが6割、柏の守備に追いやられボールを失ったのが2割、ロングキックやスローインのこぼれ球を柏に拾われたのが2割、という内訳でした。

もちろん、相手の守備配置やプレス等、画面越しではわからないような守備もあったでしょうから、グランパスのミスの内、何割かは柏の守備が良かった、と言うべきでしょう。それでも自分たちのミスでのボールロスト6割は多すぎると思いませんか? グランパスはボールを保持し相手を押し込もうとしているのだから、自分たちがミスしていてはサッカーになりません。悪い意味で特に目に付いたのは主に左サイドにいた児玉と、和泉や秋山との呼吸の合わなさでした。和泉と秋山のパスを出したいところと、児玉のパスを受けたいところの『ずれ』』が目立っていた。和泉や秋山にしてみれば、新参者の児玉は『異分子』でしょうから、息が合わないのもわかるんですけど、ちょっと酷かったかなと。そうロストしては、主導権を自ら手放しているに等しい。これでは攻撃が手詰まりして当然ではないでしょうか。

玉田圭司は下を見ない、前だけを見る

ミスによって主導権を手放すようなプレーをしていたグランパスですが、この試合では玉田がピッチ上にいて、そして素晴らしいプレーをしていました。気の利いたボールキープ、ペナルティエリアでの仕掛け、等々。そんな玉田が1ゴール1アシストをしたのは玉田の嗅覚・技術としか言いようの無いプレーでした。『背中で引っ張る』との表現がこれ以上無いほどに当てはまった玉田。若手が多い(だからフワッとした時間が多いのかもしれませんが)グランパスを引き締めてくれていました。若手の中からリーダーが出てきてくれれば、それに越したことは無いのですけど、やっぱりまだまだ『引率者』が必要、そんなふうに思わせてくれた玉田でした。今後も期待したいですね。

グランパスの攻撃の、組織と個人と

ところで、一般に組織的な攻撃と言うと、1+1が3にも4にもなるような、個人+個人の組み合わせの相乗効果というようなプレーを思い浮かべると思います。風間さんのグランパスと真逆なようなイメージかもしれません。しかし、実は真逆ではないのですね。風間さんのグランパスにおいては、『個人が最も得意な100%のプレーで相手に勝つ』ことをプレー目標の一つとしていて、その勝負をできる状況を整えてあげること、それを共通のプレー目標としているように見えます。つまり、最後は個人だが、個人の勝負しやすい状況に組織=周囲のプレイヤーで作り上げる。それが今のグランパスの組織・チームプレーではないでしょうか。そして、玉田がそんなプレーを体現していました。ジョーへのアシストとなった左サイドからのカットイン、ラストパス、あるいは自分の得点。あれこそが玉田圭司であり、玉田がそういう勝負をできる状況を整えること、それが今のグランパスの攻撃の狙いで、狙いが結実したシーンではなかったでしょうか。

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2018シーズンのここまでを総括しよう

攻撃の課題:ビルドアップの拙さ

今シーズンのグランパスは、この試合でもそうだったように、相手陣地までボールを運べば、ボールを保持し、去年のJ2でのような攻撃的な戦いを見せてくれました。しかし、その『相手陣地までボールを運ぶ』をどうやるか=攻撃のビルドアップ、に苦しんでいるのが現状です。ビルドアップが上手くいかないのは、相手チームの前線からのプレスに晒されたり、研究されたりしたからでしょう。では、それを上手くやり、ボールとチームを前進するためには、どうすればいいのでしょうか? 敢えて選手個人にフォーカスするならば、自チームのセンターバック+ボランチ(アンカーともセンターハーフとも)の選手の技術・パス出し能力が重要になります。新井一耀やホーシャのパス出し能力はJ1基準でもCBとして平均以上かと思いますが、彼らが揃うことはほぼ無かったし、それ以外のメンバーのそういう能力の拙さがどうしても目に付きました。つまりセンターバックあるいは中盤の選手で、そういう能力を持つ選手を補強する必要があるのではないでしょうか。

守備の課題:早めにクロスを上げられた時の対応

ちっとも解決していない守備の問題、平均で1試合2失点しているという数字が物語ります。ミッチ・ランゲラックというJ基準では反則的なゴールキーパーがいてそれなのですから、どれだけ酷いのか。それもこれも、グランパス守備陣の共通理解がまだまだ未熟だから。一般論として、共通理解=約束事は監督の指導によって植えつけられるものですが、風間さんは『守備時に戻る位置』のみ指示しているようです。以前のレビューでも言及したように、今のグランパスのレギュラーメンバーの間には、『いけるときは前から』『無理なら下がって構える』の共通理解があるように見えます。しかしレギュラー・ベストメンバーは滅多に揃わなかったし、揃わなかったが故に実戦でも前から行くのか下がるのか曖昧、そんなシーンが散見されました。だからこそ、守備のリーダー、必要です。ホーシャが完璧な体調であれば多分大丈夫なんでしょうけど、そうでないなら選手の入れ替えも必要かもしれませんね。

最後に

本当に苦しいグランパスの状況です。しかしながら、小西社長(コニタン)の試合後会見にもあったように、今は『クラブのフィロソフィー(哲学)を作っている』『作りつつ勝っている(=J1残留する)』という二つの非常に困難なミッションを平行し進めているところです。僕たちファン一人一人が何をできるのか? 結局、自分たちの形で応援するしかないと思うんですよね。最後の最後まで応援して、皆で喜ぼうじゃないですか。今シーズンの残り試合、力の限り応援しましょう。

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