2018年名古屋グランパス全選手レビュー (4) FW+監督編
ジョー
15億円の札束をブラジル方面に投げつけて獲得した(金額は推定です&移籍金と年俸の割合は不明です)。ブラジル代表歴のある間違いない大物選手なのだが、イングランド時代とか中国時代の成績がちょっとアレだったり過去の経歴だったりで獲得をサッカーファンから若干嘲笑されていたし、グランパスファンも若干懐疑的な目で見ていたのも今となっては懐かしい。完全なボックスストライカー(簡単に言うとPA内でラストパスを仕留めるタイプの選手)で、自分でドリブル突破して一人で決め切るみたいなタイプではないだけに、チームの攻撃の調子が良い時は点を取りまくるんだけどチームの攻撃がダメな時だと点を取らない。ダメな時だとそもそもラストパスが出てきませんからね。27.2%という抜群に高いシュート決定率をグランパスがチームとして活かしきれていたとは思えない。数字の上ではジョーにあと30本シュート機会を与えてあげれば30点以上取っていたはずで、ジョーが30点取れるかどうかは来年のグランパスの攻撃が今年より成長できたかの目安になるかもしれない。前半戦のチーム成績に対しては「こんなはずじゃなかった。クレイジーなチームに来てしまった」と内心思っていたはずだが、そこから自らのコンディションを上げてゴールを量産し始めた姿勢には本当に頭が下がります。プレースタイル的に周囲との連携が高まれば高まるほど点を取ってくれるはずだから、来年に期待しましょう。一つ意外だったのは、パスの出し手としてもJ基準でなら十分に優秀ということ。パスの出し先とコースとがバレバレでも有無を言わさないパススピードで通してしまう。なお、その高速パスを受け手がトラップできないと話にならないので、ジョーがそういうパスを出すのはシャビエル限定でした。昔の浦和さんの、いざと言う時にはワシントンにしかパス出さないポンテを思い出したのは秘密だ。
佐藤寿人
僕達のキャプテン。何せジョーがいるので試合出場は難しかった。J1リーグではノーゴールに終わり、出場時間も127分に止まってしまった。最後の数試合ではベンチ外となっていたのが何かを表していたと思う。多分、退団するのだろう。この2年間でのグランパスへの貢献度は半端無かったはずで、寿人のような選手が表立って不満を言わず、選手を纏め上げてくれたからこそ昇格できたし残留もできた。寿人がいなくなって誰がチームを纏めるんだろうかと思うとちょっと不安にもなるんですが、そこはコバユーとか和泉竜司とかに頑張って欲しい。できればお別れの機会がちゃんと用意されると良いなあ………。退団前提で書いてしまったが的外れだったらごめんなさい。
大垣勇樹
去年、チームに帯同してた時期もあったけど高卒ルーキーで玉田の舎弟。リーグ出場無しはちょっと寂しいのだが、まあ、高卒ルーキーだから………。来年は試合で見たいので頑張れ。
押谷祐樹
出場した試合ではけっこう頑張っていたものの、ルヴァン終了あたりで構想外になったらしく、夏に徳島さんに完全移籍して行った。代わりに入ってきたのが前田と思うとまあ仕方ない。徳島さんでもあんまり試合に出ていないようだ。小器用で割となんでもできるんだけど一番輝くのはワントップ下のシャドーと何気に使い処の難しい選手で、押谷を使いたいなら押谷と心中する覚悟と体制のチームでなければならない。岡山さんに戻るのが一番幸せそうな気もする。あんまり病まずに頑張れ。
玉田圭司
第3次全盛期だった。38歳とは思えぬプレーぶりでチームを牽引。後方と前線とを繋ぐリンクマンとして走り回る玉田さんの姿には涙を禁じ得ませんでしたね。欲を言えばもうちょっと本人の得点があると良かったんだけど、J1通算100ゴールは来年のお楽しみということで。リーグではスタメンを続けていたしすごく走っていたので、流石に疲労があったのか表に出ない程度の怪我でもしていたのか、最終盤戦ではちょっとプレーが落ちていたように思う。シーズンオフにしっかりリフレッシュしてまた来年に元気な姿を見せて欲しい。そもそも、菅原さんじゅうはっさいと同様に、玉田さんさんじゅうはっさいがそんなに消耗するまで頼らざるを得なかった編成面どうなのよという問題もあるので、そこの補強は必要でしょうね。舎弟の杉本竜士が移籍してしまったと思ったら新たな舎弟の大垣をゲットしたようで、抜け目の無い人である(笑)。
石田凌太郎、兵藤健斗
ごめん見てない。がんばれ。
石田凌太郎 pic.twitter.com/BQA2fNLSWg
— 月光ながら (@gekko_nagara) August 22, 2018
榎本大輝
2019年加入内定済の大学4年生。ルヴァンカップでド変態ドリブル教徒っぷりを披露し鮮烈なプロデビューを飾った。そのあまりのドリブル教徒っぷりは尋常ではなく、ボールを持った時にどうするか聞いてみたら、普通の選手はパスとかシュートとか答えると思うのだが、榎本は「まず目の前の相手をドリブルでかわして次に二人目をドリブルかわしてから考えます」とか真剣に答えそうだ。恐ろしい。ドリブル以外の選択肢もその後自分がどうドリブルするか考えた結果そうなっているような気がする。高校でも大学でも本当にドリブルしかしていないようで、プロでどんな選手になるかわからないけどドリブル教徒として突き抜けてもらいたい。さあ皆さんご一緒にドリブル教の経文を唱えましょう。どりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶるどりぶる………
代表歴ゼロからプロへ… 東海学園大FW榎本大輝がこだわるドリブルの美学 #ファントムを探せ https://t.co/PBGdBeGnYD #gekisaka pic.twitter.com/YQlP8cgBum
— ゲキサカ (@gekisaka) September 12, 2018
風間八宏
ヤッヒーは今年もヤッヒーだった。本当に一切ブレず、そのブレなさは普通に考えて頭おかしい感じなのだが、だからこそヤッヒーなのだと受け入れるしかないのだろう。試合前の
リポーター「今日の試合について意気込みを聞かせてください」
ヤッヒー「ま、いつも通りなんでね」
というやり取りが完全にお約束化しており、それをヤッヒーに聞いてももう仕方ないよねという認識がグランパスファンの間で共有化された。その『いつも通り』とは『今いる選手(=その試合に使える選手)の中から一番良い試合のできるメンバーを選んで、あとは頑張らせる』というもの(注.僕の推測です)で、本当に良くも悪くも選手ありきの監督なんだろう。世界一の選手を11人集めたチームの監督やらせたら結果出しそう。レアル・マドリードにおけるジダン監督みたいな感じで。そんなヤッヒーは我々一般のファンからは割と毀誉褒貶の激しい監督なんだけど、どうも『選手間での人気が高い』のは間違いないらしく(例.金井のインタビュー記事とか)、そのあたりの評価を活用しJの有力選手を積極的に引き抜いていきたい。Jで最高の選手を11人、いや25人くらい集められたらきっと優勝できるはずだ。今いる選手達をそこまで育て上げてもらっても良いですよ。来年もよろしくお願いします。
長く風間さんを見てきましたが今年ちょっと変わったなと思ったところがふたつあって、
ひとつは和泉をサブで使う事への申し訳なさみたいなものを会見で何度も口にしていたので
そういう気遣いが出来るようになったんだなというのと、
もうひとつは数字(データ)を使って選手に伝わるように努力してるみたいな発言があって
これまでは数字なんてキャンプの体脂肪以外完全無視だったのにどうしたんだろうというのがありました。
この辺はフィジコが変わったのも影響してるのかもしれませんが。
インタビュー等でも何度か触れられていますがもうひと突っ込みして意図を聞いて欲しいところです。
ご返答遅くなり、申し訳ありません。
面白い話をきかせていただきました。少しこちらでも調べて、かけそうだったら書きますね。