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名古屋の新たなる守り手<左の番人>藤井陽也

新しい力

10戦勝ちなしという長いトンネル。

相手の対策を乗り越えられなかったことに端を発したこの苦境は、いつしか怪我人と移籍者が続出するという事態に姿を変えました。

脱出しようとするその試行錯誤の中で、1人の若手がチャンスを掴みつつあります。

藤井陽也。

下部組織から昇格した18歳のセンターバック。

まだ幼さも残す186cm75kgの風体は逞しいという印象からは程遠いものですが、川崎戦では元得点王や元ブラジル代表を向こうに回して奮戦。

チームの3カ月ぶりの勝利、クリーンシートでの快勝に貢献してみせました。

ガンバ大阪戦に続いての出場でしたが、攻守両面において落ち着いた対応を見せていたことが印象的です。

ユース時代は、長いキックの精度、高さ、対人の強さが評価されていたようです。

しかし、この記事竹中さん @reona32 署名記事)にもある通り、一旦は大学進学も視野に入れていた選手。

おそらくは、台頭するにしても何年かかかる、場合によってはレンタルでの修行に出すという選択肢もあったのではないでしょうか。

そんな選手が、このタイミングで監督の眼鏡に叶い、出場機会を与えられ、役割を務めあげられたのは何故なのか。

この2試合ほどを見た限り、藤井は2点ほど、プロのレベルで見ても優れている部分があるように感じました。

自分の身体を思った通りに動かせる

ひとつは、身体能力。

といっても、見た目に分かりやすい、足の速さとか、高いジャンプ力とか、パワーというわけではありません。

彼の強みは、目に入った情報をもとに、自分の身体を、脚を、速く正しくコントロールできることになるのではないかと思います。

この能力が活きていると感じるのがまず「ボールを止める」ときの振る舞いです。

パス回しの際に少し浮いてしまったり、中途半端な高さで自分のところに来たボールは、ボールの扱いに自信がない選手は処理するのに苦労します。

実際、風間監督就任後の1年半、センターバックがこのスキルがないばかりにボール回しにノッキングを起こす姿をよく目にしました。

ですが、藤井のプレーを見ている限り、ボール処理において中途半端な高さのボールのトラップに苦労するシーンはほとんど目にしません。

「あ、嫌な高さで足元に行ったな」と思ったボールでも、スムーズに処理できるところに、身体を動かすセンスの高さを感じます。

この能力はゴール前のかなり切羽詰まったところでも活かされており、川崎戦で中谷がゴールライン上で身体でかきだしたボールをクリアしたプレーも、自信がない、慌てるタイプの選手だったらオウンゴールか、蹴り損ねてさらなるカオスを呼んでしまっていたところでしょう。

またこの能力は守備にも活かされており、ドリブルする相手がボールを通したいところにスっと足を出すことができます。この能力がよく出ていたのがガンバ大阪の中村との対決で、ほんの少しのボールホルダーの隙を見逃さずに間合いを詰め、足を出せるセンスは、卓越したものがあるように感じました。

相手やスペースをしっかり見ることができる

そしてもう一つは「見る」能力です。

先ほど説明した身体能力はアウトプットのための能力ですが、これは「正しく見る」というインプットなしでは活かすことができません。

例えばパス一つとっても、コースを作るのは他の選手の役目ですが、そのコースにパスを出すのが良いのかを判断するのはパスを出す側。

その際に判断材料となるのが相手の位置と体勢になるわけですが、藤井はその点、遠くにしても近くにしても、味方だけでなく相手まで見た上で判断が出来ているように見えました。

これは守備面でも発揮され、最終ライン前で楔を受ける相手をラインを崩して潰しに行くか、ラインに残るか、パスする相手と駆け引きをしながら対応することができていました。

また、この見る能力は1対1で対応する相手を見ることにも一役買っているように思います。

先述の中村との1対1の時は前を向いた中村のほんの少しのボールタッチの乱れを突いて一気に間合いを詰めてボールにアタックして相手を追い返すことに成功。

ドリブルで抜こうとする相手のタッチが大きくなった瞬間に身体を入れてクリーンにボールを奪うシーンもありました。

これらは起こりうる事態の予測、そこに対する素早く正確な反応、これらが揃わないと行えないプレーであり、これを壁に当たってもおかしくないルーキーがやっていることに驚きを禁じえません。

どちらも「見る」能力の範疇の内容ですが、このように周囲、相手をしっかり見て認識できていることが、藤井のプレーの落ち着きにつながっているのではないでしょうか。

ちょっとした課題、そして

もちろん、すべてのプレーが手放しに褒められるかというとそうではありません。

上記の能力に自信を持つあまり、やや軽いと見えるような守り方となり、中谷や宮原のフォローを仰ぐ場面もありました。

ほとんどプレッシャーを受けていない状態でのヘディングのクリアがそのままフリーの相手の足元に収まってしまうなど、ヘディングのスキルは要改善でしょう。

川崎戦のレアンドロダミアン相手には、フィジカルの差を埋めるべく密着しすぎない守り方で対抗していましたが、密着することになってもある程度守れるだけの、筋肉の鎧を纏うことも必須となるはずです。

ただ、ここ数試合の彼は、そういった細かい課題があったとしても、使ってもいいのではないか。

センターバックという基幹のポジションで、18歳のルーキーという立場ですが、風間監督にそう思わせてもおかしくないポテンシャルを感じさせるプレーをしたように思います。

ライバルとなる丸山も復帰間近ですが、復帰当初からミッドウィークの試合に使うほど無理をさせたくもないなず。

若手枠の兼ね合いもあることで、9月のルヴァンカップの2試合は間違いなく出番をもらうことになるでしょう。

丸山、中谷という2人のセンターバックの背中を追う彼。

さらにたくましく成長するところを末永く見届けたいところです。

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About The Author

青井高平
愛知の片田舎出身・在住の本業サラリーマン。Twitter上ではNackyで通ってます。バスケ(FE名古屋)サッカー(グランパス)応援をはじめ、競馬漫画アニメゲームと守備範囲の広いオタク。爽やかに見えるのは擬態です。コワクナイヨ。

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